◆第1期 誘い 「入会」
時は十九歳。
僕は大学生だった。
女の尻を適度に追い、適度にサークルに行き、大学生にありがちな夢を語る・・・
どこにでもいる学生だった。
その頃の僕は、大学の生活に嫌気がさしていた。
高校のころから農学部でバイオテクノロジーを勉強したいということで全く第一希望ではなかったが
一応国立の大学に入れたので、頑張ろうと思っていた。
今でこそリケジョと言われれているし、当時も多かったが地方大学生で4年で研究職に入れるなんて
ほぼ無理。修士課程出てやっと入れるかなといった感じ。
後に北大とか横浜国立大学の人と出会って、そういう人たちは一発目から入れるんだなと格差を
思い知ったりした。
自分は入ってみて失望したのは、「研究のために研究する」という言葉。
要は自分が好きな研究をするという意味らしいのだが、税金で研究させてもらってる
身分の人が何といってるんだろうと思ったり、研究職にはなれさそう、
自分がなりたくはなかった公務員が安定の星といった感じで
未来のなさに失望していた。
最近は自分も公務員の人と結構仕事をする。
結構頑張っている。夜中まで仕事したりとか、土日出てたりとか努力はしている。
ただ、役所特有のルールとか無駄な資料・会議が多く、
総論賛成、各論積み上げ・賛成とかではそりゃ先進的なこともできんわな、
変なことに使われるわなということもたくさん見てきた。
当時の自分は視野が低かったこともあり、だいぶ偏見もあった。
そして、やってみないとわからないということに対して考えるということが多かった。
要はやらなかったのね。
まだインターネットも学校以外ではほとんどつながってなかったし、
入る情報は本とか先輩くらいの時代。
まして、地方だと情報も少ない。
当時は旅行業とか違う道も考えたりしていた。
新しい目標を見つけられずにいたのだ。