↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

婚約破棄されました。なので前からやりたかった事をやりたいと思います。

作者: naturalsoft
掲載日:2026/09/20

ランキング上位ありがとうございます!


挿絵(By みてみん)



評価を付けて貰えると嬉しいです。

『☆☆☆☆☆』

シオン・マクスウェル伯爵令嬢は婚約者であるカマセ・イーヌ伯爵子息から突然呼び出しを受けた。


「やって来たな。時間も惜しいし単刀直入に言っておく。貴様との婚約を破棄させてもらう」


!?


「そ、それは本当ですか!?」


「ふん、当たり前だ。前々からお前との婚約にはメリットがないと思っていたからな!」


私達の婚約はお爺ちゃん達が仲が良くて決まった話である。しかも、今の父親世代ではイーヌ伯爵家は事業に失敗して対等の立場から、今はうちが支援している状態である。


しかもシオンは18歳で貴族学校を卒業したばかりで、1つ下のカマセはまだ学生である。


今まで無理難題を言われてきたけど我慢してきたのは、こいつの両親が凄く良い人だったからだ。

無理難題もこいつの我儘であり、実家の両親は知らない。


しかし、そろそろ我慢の限界だったのである。

学校を卒業した後に呼び出したのも嫌がらせだろう。


「では、その様に両親に伝えますね!今までありがとうございました♪」


「えっ?」


返事を待たずにシオンは走って行ってしまった。

カマセ子息は呆然と見送るしか出来なかった。


自宅に戻ると──

バンッ!


「お父様、お母様、私(わたくし)、婚約破棄されてきました!」


!?


「「ええっ!?」」


驚く両親にかくかくしかじかと、話すと今までのカマセ子息からの扱いに顔の表情が消えました。


「………わかった。後は私達に任せておきなさい」

「シオン、できれば我慢せずにもっと早く言って欲しかったわ」

「ごめんなさい。余り心配をかけたくなかったの。でもこれからは相談します」


うちは家族の仲が良好なので正直、嬉しかったです。


あ、目の前の皆様、こんにちわ。

私の名前はシオン。お察しの通り異世界転生者です。


前世では旅行代理店に勤めていました。

私も旅行好きで、色々なところを回って食レポやホテルのサービスレポも取っていました。

まぁ、最後は飛行機事故で亡くなったんですが、まぁそれは良いとして、今世ではやってみたいことがあったのよね。いえ、この異世界だからこそ絶対にやってみたいのよ!


メラメラ萌えて、あ、違った、燃えている私は両親に言った。


「前からやってみたかったことがあるの」


シオンは前々から準備していた事を話した。


「ふむ?確かに商人や旅人をうちの領地に呼び込めるのであれば我が家の利益になるか・・・」


お父様は少し考えてから決めた。


「向こうの家から多少なりとも違約金も入るだろうし、シオンの気の済むまでやってみると良い。ただし、一定以上の赤字が出た場合はそこで終わりにする。それでもいいか?」

「ええ、それは当然だと思います。私、やりますわっ!」


我がマクスウェル伯爵領地には街道が2つ伸びており、一つは王都方面、もう一つが辺境方面である。

ただ最近、辺境方面の街道が需要が少なくなっているのだ。

理由としては、隣の領地が辺境方面の街道に力を入れており、商人がそっちの街道を使うようになったからである。しかし、シオンはうちの領地に目玉となる『ウリ』があればお客を取り戻せると考えていた。


マクスウェル伯爵の領地は大きな湖と森があるため、保養施設としても有名である。


なので王都からの商人や貴族の旅行者など往来は多いのだ。

ただ商隊を組んだ商人が来てくれた方が領地にお金を落とすので、是非とも成功させたいと考えた。



前世で旅行好きだったシオンは自分が新しい場所に行った時、何が嬉しかったのか体験談を踏まえて考えた。

美味しい料理は無論、そこでしか食べられない風土料理は必須だ。しかし何よりも重要なのは泊まる『宿屋』の『質』だと考えていた。


街道の通り道であるマクスウェル伯爵領地には『宿屋』は多くある。

貴族向けの高級宿屋や庶民向け、ちょっとお金持ちのリッチな宿屋もある。

しかし、シオンの満足する宿屋は高級宿屋にもなかった。


なら、なければ作れば良いじゃない?と、領地内の伯爵家傘下の宿屋に大型のリニューアルを敢行した。


そう、それこそがシオンのやりたかった事である。



まず宿屋のベッドが気に入らなかったので、低反発っぽいフカフカのクッションを開発していたのだ。

これは開発に5年ほどかかった。まず自宅の自分のベットで試して、納得のいくものを作った。静かに身体が沈んて柔らかく身体を包むベットは眠りを快適にする効果がある。この世界ではクッションと言う概念がなく、硬い木のベットに厚手の敷布団を敷いて上に布団を被せるだけである。

貴族のベットもその厚手の敷布団を何枚か重ねて柔らかさを出すだけであった。


そこで、異世界で当たり前のスライムの粘液を使った低反発もどきを開発したのである。



その名も『スライムクッション』だ!

ババーン!!?



材料費も安く多くの宿屋に提供できた。

その敷マットはマクスウェル伯爵家の特許であり、とある場所に数箇所、家紋を入れてあった。

転売防止と模造品と区別するためである。

私の血と汗の結晶の利益は誰にも渡さんぞ!

(メラメラッ)


ベットが変わるだけで普通の宿屋も評判が変わると予想し、リニューアルの間は高級宿屋の接客を監修した。

貴族の保養地である湖畔の見える場所には、貴族の別荘があっちこっちに建てられている。通常の貴族は自分の別荘か友人の別荘に泊まる。

しかし、別荘まで建てることの出来ない、それほど裕福ではない貴族もいる。

そういった貴族のために高級宿屋の名称を『ホテル』と改名した。


中小の平民を対象にした宿を『宿屋』

貴族やお金持ちの商人が泊まる宿を『ホテル』


と、ブランドを分けることで、自分はホテルに泊まったと自慢できるように住み分けをしたのだった。

そして、次は重要なファクターの一つである『料理』である。


これは既存の料理をそのままに、シオンが転生者の定番である前世の調味料や料理を考案し、ここでしか食べれない料理を作ったのだ。


約1ヶ月のリニューアルを終えて、マクスウェル伯爵領地の宿屋は大々的にオープンした。

オープン記念として1ヶ月の間は料金を割引するキャンペーンを打ち出し、この世界にはなかったポイントカードシステムを導入した。10個溜まると一泊無料になる感じだ。


キャンペーン中や、お客様の足が遠のく冬の間はポイント二倍デーなどあり、お客様にワクワク感を出した。


「良いですか!ホテルの仕事の重要なことは『おもてなしの心』です!しっかりと誠心誠意を持って接客を心がけましょう!」


「「はいっ!オーナー!!!」」


従業員の意識改革も順調である。

貴族向けには、シオンが学生時代に仲のいい友達を呼んで宣伝をお願いしてみた。


「ふわぁぁぁ♪」

「なにこれ!?美味しいよ~」

「ベットが快適過ぎる!?スヤ~」



友達も大満足して帰ってくれたので、王都でも宣伝してくると頼もしい言葉も聞けました。

そして半年後──


「まさかここまで反響がいいなんてねー?」


大通りはごった返すほどの人々で溢れ返っていた。

シオンの狙いはクリティカルヒットしたのだ。


しかも、先日は王族の方々も評判を聞いて避暑地として来訪してくれたのが大きかった。


「マクスウェル伯爵、あのベットは個人で購入出来ないのでしょうか?」

「今のところは受付していませんが、他ならぬ王家の依頼とあらば融通いたしましょう」


特に腰痛持ちの王様が大変喜ばれた。


特注で椅子に座るクッションも付けて納品するとメチャクチャお礼を送ってくれた。

王宮にはお客様を泊める客室もあるので、王宮のベットも全てスライムクッションに交換になり、隣国の大使を招いた時など、驚かれ、交易の商品にも指定されるほどになりました。


「まさかシオンがこれほどまでに商才があったとは」

「ええ、本当に。後はお婿さんを見つけるだけね♪今度はシオンを大切にしてくれる人を吟味しましょう」

「そうだな。景気がいいから、どうでも良いところからの縁談も来ているし、今なら高位貴族の縁談も選び放題だしな」


先代の当主である祖父からの縁談は解消となった。

今度はシオン自身に好きな人を見つけてもらうだけだ。

そんな時、元婚約者のカマセ子息がやってきた。


「お前との婚約を破棄した時は親父にメチャクチャ怒られて大変だったんだぞ!でも、今のお前となら景気が良いみたいだし、婚約し直してもいいぞ!」


また訳のわからない尊大な態度でやってきた。

もう婚約者じゃないし、バカな弟の面倒を見るつもりもない。シオンはボディーガードの従業員を呼んでカマセを叩き出した。


「なんであんたみたいな不良物件を選ばないといけないのよ?バカじゃない?」


婚約者時代は宿題やテストのヤマなど私がやってあげてたけど、もう面倒を見るつもりもない。

だって、今の仕事が楽しいから!


人が増えたので、警備にも力を入れており、旅行会社によくある『定期便馬車』を運用し始めたのだが、これが爆発的にヒットした。


何故なら伯爵家の護衛が付いて馬車を守り、馬車のソファにもスライムクッションが使われているので王家の馬車より快適。


そして安全に移動できるとなれば、人気が出ない訳がなかった。盗賊や魔物のでる世界だからね。


街道とはいえ出る時は出るのだ。


ただ馬車が足りなくなり、他のお客様や旅人、商人も我が定期便馬車の後を付いてくるようになったので、警備料として少しお金をもらうことで了承した。

これで警備の兵士の給金も確保できたし、必要経費で赤字にはならないよ。


別荘をもつ貴族もホテルの接客が素晴らしいからとホテルを利用する割合も増えたので高級ホテルを増設してもっか建設中である。


そして王都での夜会に久々に参加したシオンは───

大勢の貴族に囲まれていた。


なんでー!!!!


「シオン様、なかなかホテルの予約が取れませんの。なんとかなりませんか?」

「シオン令嬢、ホテルの料理が忘れられないんだ。レシピを教えて頂くことは出来ないだろうか?」


今や時の人となったシオンは男女問わず、大勢の貴族に囲まれていた。


「すみません、レシピは教えることができませんが、今回の夜会に料理を提供しております。もうすぐ運ばれてくると思いますよ?それと新しいホテルを建設中なので、もう少しお待ち頂ければ余裕ができると思います」


ザワッと貴族達は喜んだ。


「いやー、まさか夜会で食べられると思っていませんでした」

「私もこれが食べたかったんですの♪」

「新しいホテル楽しみですわね!」


いつもならワインを片手に談笑している夜会が、料理が運ばれてくると多くの人達が群がった。男性はオムライスや焼肉に、女性陣はパフェやメロンソーダーのような綺麗なドリンクに。


「これは王都にも料理屋を開けば・・・いや、そうなると領地にくる人が減る。悩みどころね」


シオンが思案していると後ろから声をかけられた。


「相変わらずすごい人気だね。社交の場だというのにみんな、シオンの料理に夢中だよ」


振り向くと見知った顔がいた。


「あら?殿下、ご無沙汰しております」


このエリック殿下とは同級生である。

ちなみに第二王子で王太子は別にいるよ。


「ああ、学園を卒業して以来だね。ますます綺麗になったな」


!?


ちょっといきなり何を言うんですか?

ドキッとしちゃったよう。もうっ!


「お戯れを。殿下の婚約者に悪いですわ」


確か公爵令嬢だったよね?

伯爵家より位の高い女性を敵に回してなるものですか。


「あれ?知らないのか?クラーク公爵令嬢とは婚約を解消したんだよ」

「えっ、なんでですか?」


まさか今流行の『婚約破棄』イベントかっ!?


「いや、君も卒業パーティーに参加していただろうに。特別な出来事はなかっただろ?」


「はっ!そうでした!?」

「理由は隣国の王子に求婚されたんだよ。うちより大きい国だから、円満解消となった」


「円満ですか?」


長年の婚約者と破談になったのに?


「実は好きな女性がいてね。でも、その女性には生まれる前から婚約者が決まっていて、自分の気持ちに蓋をして諦めるつもりだったんだ」


ふむふむ。

ほうほう?


「でも、少し前にその女性も婚約を解消したと言う事で、チャンスがやってきたんだよ」


まぁ!

恋バナは私も女性ですから好きなのです。


「では、その女性に求婚を?」

「ああ、婚約が解消された次の日に求婚の手紙を送ったのだけれど、返事をもらえてないんだ。どうやら仕事が忙しいみたいでね」


「まぁ!それはいけません!それなら直接に告白するべきですわ!そうで無ければ他人に取られてしまいますわよ!」


エリック殿下は苦笑いをして質問した。


「………直接告白して受け入れて貰えるだろうか?」

「殿下は第二王子ですし、最悪婿入りも可能ですよね?殿下の気持ちを直接伝えれば必ず良い返事がもらえますわ♪私が保証します!」


私は後になって自分の迂闊さを呪ったよ。

エリック殿下はニヤリッと不敵な笑みを浮かべて片膝をついて見上げるように言った。


「シオン令嬢、学生時代から好きでした。どうか私と結婚して下さい」


胸ポケットから指輪を出してプロポーズしてきました。


………ええ、してきやがりましたともっ!


「えっ?」


チーン!

数秒硬直して呆然としてしまいました。


『生まれる前から婚約者がいて』


お爺ちゃんが決めたやつだ!


『少し前に婚約を解消して』


私じゃん!?


『仕事が忙しくて手紙の返事を──』


いっぱいきたお手紙の釣り書の中に混じっていたー!?

パパンよ!確かに適当に放置してたけど、王家からの手紙は直接教えてよー!??


首チョンパの案件じゃないよね?ねっ?

コソッ

「シオン、良い返事の保証をしてくれるのだろう?」


あ、ああっ!?

この腹黒王子がっ───!?


すでに周囲の貴族の視線が集まっています。

腹黒王子からは『逃げられない』が発生しています。


「………はいっ」


返事するしかないじゃないですかー!


ワァー!!!!!


夜会に参加していた貴族達から拍手が起こった。


「素晴らしい!」

「素敵ですわ!」

「なんて素敵な夜会なんでしょう。来て良かったわ」


王子からのプロポーズを見た令嬢達など生暖かい目で見られました。


「ふふっ、もう逃さないよ。シオン」


わ、私はヤバい奴に捕まったのでは?

シオンは真っ赤になりながらパニックになるのでした。



【ハッピーエンド?】

『余談』

※ネタ作っていたのに本編に入れ忘れたので書き足しました。


「ねぇ、どうして夜会であんな求婚をしたの?」

「だってシオンがあんなハレンチな事をしていると聞いて、慌てたんだよ!」


は、ハレンチですって!?


「ちょっと!失礼なこと言わないでよ!私はまだ処─ゲフンゲフンッ、私が何をしたって?」


殿下は遠い目をして答えた。


「夜会で出されたオムライスだったか?あれに魔法を掛けたんだって?」


!?


「あ゛っ」


シオンは真っ青になった。


「えっと何だっけ?美味しくな~れ♪美味しくな~れ♪赤色の文字は恋の文字♪愛情いっぱいでお腹もいっぱいにな~れ♪キュルルン♪キュルルン♪チュッ☆」


「いや~~~~~!!!!!!あれは違うのーーーーー!!!!!仕事が楽しくて気分がハイになっていただけなのよー!黒歴史を思い出させないでーーー!!!!!!」


シオンは床に寝転んでゴロゴロと恥ずかしい!恥ずかしい!と叫びながら転げ回った。


殿下はシオンの耳元で囁いた。


「今後は2人の時にやってね?守ってくれないと、どこかで話してしまうかもよ?」


シオンは絶望して殿下に逆らえなくなるのでした。


【終わり】





最後までお読み頂きありがとうございました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

他にも多くの小説を投稿しているので読んで頂けると嬉しいです。

【作品PR】

『最近投稿』読者様からキツイコメントを頂いていますが、お気に入り数上昇中

婚約解消の代償。どうしてもう少し早く言ってくれなかったのですか?


訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?


【連載版】ヒロインは元皇后様!?~あら?生まれ変わりましたわ?~


悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!


聖女は寿命を削って王子を救ったのに、もう用なしと追い出されて幸せを掴む!


復讐は合わせ鏡のように─『私』を殺してでも絶対に許しませんわ!


【連載版】爆炎の大魔導士は世界を救う。(でも本当の属性は不遇属性の風属性なんです)ドヤ顔( ・`ω・´)


挿絵(By みてみん)


【連載版】幼女の建国記!!幼女は強大な魔力で国を豊かにしていく


挿絵(By みてみん)


コミカライズ化作品

【婚約破棄されました。私の親友が!必ず阻止します!・・私が原因なのでorz】

https://ncode.syosetu.com/n3379dw/


挿絵(By みてみん)


コミカライズ化された小説もあるので宜しくお願い致します。


連載の小説には作者が作ったイラストを多く載せてます。

楽しんで頂けたらと思います!



【代表作】

https://ncode.syosetu.com/n0432ej/


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。