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そう言えば

 そう言えば……。

「今日の日付を教えていただけますか?」

「6月11日であります。」

「まだ沼田を攻めていない?」

「……えぇ。殿が沼田に入られていない。ここ沼須に居る事が全てを物語っているかと。」

藤田は現時点でまだ滝川と袂を分かっていない。

「質問ばかりしてしまい申し訳ございません。滝川様はこれからどのようにすると?」

「北条の動向を確認した後、伊勢に戻られるとの事であります。」

「場合によってはいくさも?」

「はい。辞さない構えであります。」

良かった。これなら兵を集めても違和感は無い。

「皆に伝えて欲しい事があります。」

「何でありましょうか?」

「沼田城は攻めず、滝川様の下に馳せ参じる。」

「えっ!?北条と戦うのでありますか?」

「滝川様が北条と戦うと決まったわけでは無い。滝川方として厩橋に赴くと。」

「滝川はここを離れてしまうのでありますぞ!」

「知っている。」

「さすれば北条は上野に!」

「間違いなく兵を動かす。」

「殿は北条に目を付けられている事をお忘れでは!?」

「忘れてはおらぬ。故に滝川方を貫く所存。」

「滝川様の援軍も無く、ここ沼須で北条と戦ったとしても……。」

「勝ち目は無い。」

「何故殿は滝川に?」

「滝川様に思う所はある。真田や北条(高広)の言うがままに事を進めてしまっている事に。」

「滝川が北条に勝てる見込みは?」

「わからぬ。」

「仮に勝ったとしましても滝川はここを……。」

「うむ。故に……。」

今、沼田を攻めて兵や武器弾薬を損耗するのは避けるべきと考える。

「……なるほど。そうでありました。勝っても滝川は伊勢に帰る。そうなりますと沼田城は……。」

自動的に主無き城となる。

「真田の本貫地は信濃。加えて上野に入る主要道碓氷峠は彼の管轄外。沼田に多くの兵を送り込むのは容易では無い。そして北条と戦う滝川勢は……。」

基本、上野衆。

「真田昌幸が来るかも知れないが、信濃も……。」

「騒がしい状況にあります。」

「信濃から主力を持って来るのは?」

「不可能であります。」

真田昌幸が沼田城を受け取るには、それ相応の時間を要する事になる。

「この時間のずれを最大限に活用しようと考える。そのためには多くの兵で以て一気に方を付ける必要がある。」

「なるほど。そう言えば滝川は……。」

『先陣は私(滝川一益)が受け持つ。皆は後から加勢してくれ。』

と仰った。

「最も危険な場所に放り込まれる心配はありません。」

「……もしそのいくさに滝川が勝ち、そのまま残ると言ったらどうされますか?」

「滝川様に守られている立場が変わらないのでありますから。」

「わかりました。皆に伝えます。」

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