八幡山
上杉景勝と相対するのに最適な場所と五十公野信宗が指し示したのは……。
新発田重家「八幡山か……。」
八幡山はJR新津駅の南。新津丘陵西側尾根に立地する山で標高53メートル。
五十公野信宗「はい。彼の地は水原や真木からも見通す事はできません。上杉を待ち伏せするには打って付けであります。」
出陣前。春日山城。
直江兼続「八幡山でありますか?」
藤田信吉「はい。もし私が重家でありましたら、ここに先回りします。」
直江兼続「予めここに兵を置いておけば新発田に大打撃を与える事ができる?」
八幡山へ向け秘かに兵を動かす新発田重家。そこに待っていたのは……。
新発田重家「誰も居ないな?」
五十公野信宗「はい。兵を伏せている様子も見られません。」
新発田重家「善し。ここで陣を構え、奴らが来るのを待つとしよう。」
そこにやって来たのは……。
五十公野信宗「白地に飛ぶ雁。直江兼続であります。」
新発田重家「他人の手柄を全て自分のものにする。あの生意気な若造か。」
五十公野信宗「これまでの鬱憤を晴らすのは今しかありません!」
新発田重家「善し!一斉に襲い掛かれ!!」
戻って春日山城。
直江兼続「八幡山に兵を置かない?」
藤田信吉「はい。」
直江兼続「それでは我らは退路を断たれる事になってしまいますが?」
藤田信吉「えぇ。」
直江兼続「えぇって?」
八幡山から突如躍り出た新発田勢。これを直江兼続が想定していた事もあり、情勢は一進一退。そこに……。
五十公野信宗「新発田様。」
新発田重家「おぉ!あれは浦村城の山田源八郎ではないか!!」
浦村城は今の新潟西蒲区にあった城。ここの城主山田源八郎が、八幡山の様子を見て参戦。直江兼続の側面を攻撃。
新発田重家「善し!押し包め!!」
と総攻撃を指示。予期せぬ攻撃を受け、直江勢は何とか備えを維持するも徐々に後退。
新発田重家「逃がすな!!」
と更に追いすがる新発田重家。戦況は新発田側優勢から勝勢へと傾き始めた……。と思われた丁度その時。
五十公野信宗「殿。一大事であります。」
新発田重家「ん!?何があった?」
五十公野信宗「今、山田源八郎様より連絡がありました。」
新発田重家「劣勢に立たされているのか?」
五十公野信宗「いえ。そうではありません。直江とのいくさは順調そのものであります。」
新発田重家「では何が一大事なのだ。申してみよ。」
五十公野信宗「はい。山田源八郎様が城主を務めています浦村城でありますが……。」
たった今、上杉に奪い取られました。




