上杉軍の1割が
新発田重家攻略に参加する事になった藤田信吉。そんな中……。
出浦盛清「ところで殿。」
藤田信吉「ん!?」
出浦盛清「新発田の勢力についてわかる事はございますか?」
藤田信吉「直江様から軍役帳を見せていただいた。尤もこれは天正3年。謙信様御存命中の記録ではありますが……。」
出浦盛清「全盛期でありますね。」
藤田信吉「関東と北陸を行き来させられていた頃ですね?」
出浦盛清「振り回せるだけ振り回してやっていました。」
藤田信吉「信玄公の指示ですね?」
出浦盛清「はい。ただその後、勝頼様の時代になってからの上杉との関係を見ますと……。」
武田信玄と上杉謙信が手を結んでいたら……。
出浦盛清「もしかすると織田に頭を下げなくても済んだのかも知れませんね?」
藤田信吉「北条が関東で上杉が北陸。」
出浦盛清「そして武田が東海道と東山道……。」
藤田信吉「実現していたらどうなっていたんでしょうね?」
出浦盛清「ただ謙信は……。」
村上義清ら北信濃を追われた国衆や反北条で頑張っている方々を支えていましたので。
出浦盛清「実現する事は無かったでしょう。」
藤田信吉「話を戻しましょう。」
出浦盛清「お願いします。」
藤田信吉「今、新発田重家とそれに協力している有力者は計3名。彼らに課されていた軍役を合わせますと476名。」
約1万5千石を領している事になります。
藤田信吉「この年、謙信様より弾正少弼の官途を譲られた。実質後継者に指名された景勝様の軍役は375名。」
1万2千石相当。
藤田信吉「新発田重家の勢力に変化が見られませんので……。」
出浦盛清「今も変わっていない?新発田にとっては守りのいくさ。全精力を注ぎ込む事が出来るとなると……。」
藤田信吉「もっと多くの兵を動員する事が可能であります。因みに新発田側の軍役476名は当時の上杉勢の約1割を占めています。」
出浦盛清「越後の国衆が景勝様に付く事に二の足を踏んでいる原因は魚津城だけではありませんね……。」
藤田信吉「蘆名伊達の攻勢を単独で食い止めた連中でありますので。」
出浦盛清「景勝様は当地については?」
藤田信吉「新発田は元々上杉方でありましたし、越後の国衆には新発田の地に所縁のある方も多い。不案内ではありません。」
出浦盛清「しかしそれは4年前までの話ですよね?」
藤田信吉「……そうですね……。」
出浦盛清「殿は景勝様に同道してください。その間私は別行動をとり、新発田領内を探ります。」
藤田信吉「わかりました。何かありましたら。」
出浦盛清「すぐ報告します。」




