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プロローグ

(……留め具が折れてしまった。)

下の奥歯を抜いた後、噛み合わせを調整するため作ってもらった部分入歯。調子が良く、日常生活で使っていく内に段々と緩くなるも

(手で調整すれば。)

と締め直していたある日。根本からもっきり折れてしまいました。すぐに歯医者に連絡し、新しい入歯を注文するも暫く時間が掛かる。その間、仕事の時だけでも使いたい。でも今の状態では外れ易くなってしまう。何か良い方法は無いか?

(そう言えば入歯安定剤ってあったよな?)

早速ドラッグストアに足を運び購入。翌朝、入歯と歯茎があたる部分に安定剤を塗布し装着。30秒程軽く押さえた後、唾液と混ざり合う内に入歯は安定。

(これは良い。)

上機嫌。

(仕事までまだ時間があるから。)

と車の助手席を倒し、仮眠を取る私。しかし……。

(喉が気になる……。)

ねっとりとした液体が喉に流れるのに違和感を覚える私。

それでも寝ようと試みるも、液体に起こされる私。

(息をするのも大変だぞ……。)

と一度身体を起こし、水分を補給。少し落ち着いた所で

(少しでも寝ておこう。)

と横たわっている内に、いつしか意識が……。


暫くして目を開いた私。胸に少し違和感があるが呼吸は出来る。胸に手をやる。

「ん!?」

(作業着では無い。……これは浴衣だ。)

髪に手をやる。

(前髪が無い!!)

昔から無かったのでは?

(ん!?見栄を張って済まなかった。)

でも。

(髷を結った覚えは無い。)

口元に手をやる。

(八の字にひげが生えている。)

就業規則ではひげは禁止されている。

(急いで剃らなければ。)

と24時間営業の店へ向かおうとするも

(何で私は布団で寝ているのだ?)

それどころか周囲は日本家屋。

(私は車で寝ていたはず。)

事態を飲み込む事が出来ない私に

「お目覚めでありますか?」

の声が。恐る恐る

「何?」

と抑えた口調で返す私に

「皆、殿の下知を待っているのでありますぞ。」

(殿?それに下知?)

「滝川一益の沙汰に怒り心頭になっているのは殿だけではありません。」

(滝川一益?)

「殿の決断に皆。」

「ちょっと待ってください。」

「如何為されましたか?」

「殿って……私の事?」

「……はい。そうでありますが……。」

「滝川一益って、あの?」

「はい。織田家から派遣された滝川一益であります。」

「それに私が怒り心頭?」

「『戦うしかない。』と意気込んでおられましたよね?」

「ん!?1つ教えていただきたいのでありますが……。」

私の名前は何ですか?

「怒り過ぎてしまったのでありますね。わかりました。お教えしましょう。殿の名は藤田信吉。今日沼田城を攻める手筈となっています。」


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