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チート売りの少女/女神は最近の転生者が「普通すぎるチート」に飽きていると嘆き、斬新なアイデアを求めて私のところにやってくる!  作者: 弌黑流人


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【Cheat Ability No.9】多幸感溢れる・色彩豊穣足跡(ハッピー・フラワーズ)

「フェアカ! もう毒気はいらないわ! 私、癒やされたいの!」


ルミナリエ様が、パジャマ姿でクッションを抱えながら現れた。どうやらチート能力によって引き起こされた過酷世界に、女神様自身が精神的に参ってしまったらしい。


「もう世界が滅ぶとか、心が折れるとか、そういうのはお腹いっぱい。ただただ平和で、そこにいるだけでみんなが笑顔になれるような、究極に無害で可愛いチートをお願い!」


私は珍しく、ワゴンの引き出しから「毒性:0%」と書かれた、キラキラ輝くお花の形のオーブを取り出した。


「わかりました。ではこれですね。女神様の言い方なら『色彩豊穣足跡』。私から言わせれば……『全自動お花畑化現象』です」


「お花! いいわね、平和の象徴だわ! どんな効果なの?」


「このチートを持つ勇者が一歩歩くごとに、足元から色とりどりの花がポンッ、ポンッ! と咲き乱れます。彼が歩いた道は花道となり、芳醇な香りが漂い、見る者すべてを温かい気持ちにさせます」


「素敵! まさに歩くメルヘンね! 採用!」


ルミナリエ様が幸せそうに判を押す。私は少しだけ、本当に少しだけ付け加えた。


「ただし、歩けば歩くほど、足元は賑やかになりますよ」


数カ月後。異世界では、史上最も「平和な悩み」を抱えた勇者が誕生していた。


彼が魔王城に向かって勇ましく歩き出すと、一歩ごとに「ポンッ!」「フワァッ!」と豪華な花々が咲き誇り、鳥たちが歌いながら集まってくる。


あまりに華やかすぎて、隠密行動は一切不可能。魔王軍の斥候も「……あ、あそこにお花が咲いてるから、あそこに勇者がいるな」と一発でバレる。


しかし、いざ魔王軍が彼を包囲しても、勇者の足元から溢れ出す圧倒的な「お花パワー」に戦意を喪失。


「……なんか、戦うの馬鹿らしくなっちゃったな。お花綺麗だし」


と、魔物たちが武器を捨ててお花摘みを始めてしまった。


勇者は、一度も剣を抜くことなく、ただ「歩き続けるだけ」で魔王城までパレードし、最後は魔王と一緒に花冠を作って和解した。


「チート、チートはぁ、いらんかねぇ〜。平和、お花、どうでもいい幸せ、なんでもござれ」


私は今日も、一面の花畑に変貌してしまった魔王城で、花粉症で鼻を啜りながらも幸せそうに笑う勇者を眺め、ワゴンを引く。


「あ、そちらのお客様。その『吐息がシャボン玉になる』チートは、喋るたびに視界を遮るほど泡が出るので、大事な商談には向かない仕様ですが、返品不可ですよ?」


ご拝読ありがとうございます。

いかがだったでしょうか?

誰も死なない、誰も傷つかない。ただただ「戦いにならない」という、究極のメルヘンボケ回でした。

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