表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート売りの少女/女神は最近の転生者が「普通すぎるチート」に飽きていると嘆き、斬新なアイデアを求めて私のところにやってくる!  作者: 弌黑流人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/36

【Cheat Ability No.33】偶像崇拝型・信仰心自動集金機(アイドル・ジゾウ・システム)

「……ねえ、フェアカさん。あれ、もう手遅れじゃないでしょうか?」


日和が指差す先、広場の中央では信じられないことが起きていました。重力に押し潰されて四つん這いのまま固まったルミナリエ様を、新しくやってきた転生者たちが「天界に降臨した慈愛の地蔵」だと勘違いし、拝み始めているのです。


「ああ、尊い。この苦しみに耐える姿こそ、衆生の悲しみを受け止める女神の鑑だ……」


「お供え物をすれば、次の異世界で良いチートが貰えるらしいぞ!」


ルミナリエ様の周りには、リンゴや酒瓶、さらには異世界の通貨が山のように積み上がり、即席の賽銭箱まで設置されていました。広場はすっかり観光地化し、屋台まで出始めています。


「ちょっとぉ……誰が地蔵よぉ……。重い……お供え物が物理的にさらに重層して、もう指一本動かないわぁ……」


ルミナリエ様の弱々しい声は、信者たちの合唱にかき消されます。見かねたフェアカさんが、ようやく重い腰を上げました。


「ルミナリエ様、そろそろ限界かしらね。日和、さっき地下から持ってきた『救済のピンセット』を。……もちろん、代金はお供え物の全額と、神権エネルギー三ヶ月分で手を打つわよ」


「払うわ! 何でも払うから、このエモすぎる信仰心から解放してぇ!」


契約成立。フェアカさんは光るピンセットを取り出し、ルミナリエ様の背中にへばりついた「目に見えない愛の重力」を、一本ずつ丁寧に摘み取っていきました。


「これは『救済のピンセット』。他人の過剰な期待や執着を、物理的に引っこ抜いて無力化するチートよ。……ほら、取れたわ」


最後の重力が取り除かれた瞬間、ルミナリエ様は「ひょいっ」と軽やかに地面から飛び上がりました。同時に、彼女を地蔵だと思い込んでいた信者たちは、女神が突然跳ね起きたことに驚愕し、「奇跡だ!」と叫んでさらに熱狂し始めます。


「ふぅ、助かったわぁ……。でも、お供え物が全部フェアカの懐に入るのは解せないわ」


「いいじゃない、命拾いしたんだから。日和、散らばったお供え物をネットスーパーで換金しておいて。……あ、お地蔵様だったルミナリエ様の写真は、ブロマイドにして限定販売ね」


「あ! 私の肖像権がぁ!」


ルミナリエ様の絶叫を余所に、日和は手際よく「女神地蔵の御利益写真」を商品リストにアップロードしていきました。


「チート、チートはぁ、いらんかねぇ……。過剰な信仰、物理的な慈愛、強制的な奇跡、なんでもござれ」


結局、ルミナリエ様は助かったものの、翌日から広場には「ルミナリエ地蔵」を象ったレプリカが並び、フェアカのワゴンにまた一つ、怪しい定番商品が増えることになったのでした。



ご拝読ありがとうございます。

いかがだったでしょうか?

災い転じて福(と売上)と成す、フェアカさんの商魂の逞しさが光る回になりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ