表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート売りの少女/女神は最近の転生者が「普通すぎるチート」に飽きていると嘆き、斬新なアイデアを求めて私のところにやってくる!  作者: 弌黑流人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/25

【Cheat Ability No.18】強制的人格円満化円薬(マイルド・ボール・キャンディ)

「はい、新作のテスト販売です! 舐めるだけで心が穏やかになり、性格が丸くなるキャンディはいかがですか?」


私の明るい声が広場に響きます。指輪の効果でやる気がほどよく抜けているせいか、押し寄せる荒くれ者たちの威圧感も、今は「賑やかなBGM」程度にしか感じません。


今日のお客さんは、見るからに強面なドワーフの戦士や、常に周囲を睨みつけている暗殺者の男性たちです。彼らは半信半疑ながらも、一個百ゴールドという安値に釣られて、真っ赤な丸いキャンディを口に放り込みました。


「ふん、性格が丸くなるだと? 誰に向かって……んぐっ、お、おおお?」


一瞬でした。

キャンディを舐めた直後、筋骨隆々の戦士の目つきがトロンと溶け、角ばった肩のラインが「ふにゃっ」と丸みを帯び始めました。


「……なんだろう、この幸せな気持ち。戦うなんて、とっても無意味な気がしてきたよ。それより、あっちのベンチで日向ぼっこしながら、タンポポの数を数えたいな」


なんと、戦士の性格だけでなく、物理的な身体のラインまで「球体」に近づいていくではありませんか。さらに、常に殺気を振りまいていた暗殺者までもが、

「……ねえ、君。さっきは睨んでごめんね。お詫びに、この研ぎ澄まされたダガーで、美味しいうさぎさんのリンゴを作ってあげようか?」

と、ニコニコ笑いながら果物を剥き始めました。


広場は一気に、トゲトゲした空気から「ふにゃふにゃ」で「まるまる」な空間へと変わっていきました。

ところが、副作用はそれだけではありませんでした。


「日和、見て。あっちのワゴン」


フェアカさんが指差す先では、キャンディを舐めすぎたドワーフたちが、あまりに性格が丸くなりすぎて「自分の財産をすべて他人に譲り渡す」という極端な利他的行動に出始めていました。


「この聖剣? あげちゃうよ! 君のほうが似合うもん!」「私のワゴンの商品、全部タダでいいよ!」


あちこちで商売が破綻し、経済が崩壊しそうな勢いです。挙句の果てには、丸くなりすぎた人たちが地面をごろごろと転がり始め、広場は巨大な玉転がし大会のような惨状に。


「フェアカさん、これ、丸くなりすぎじゃないですか!?」


「……だから言ったじゃない。性格が丸くなるってことは、世の中の『角』をすべて失くすってことよ。競争も、所有欲も、自衛本能もね」


フェアカさんは、転がってきた元暗殺者の頭を足で軽く止めながら、冷たく言い放ちました。


「チート、チートはぁ、いらんかねぇ……。全自動無欲人、転がる幸福、破滅的な平和、なんでもござれ」

結局、その日の広場は「全員が丸くなって転がっている」という異様な光景のまま、日没を迎えました。


ご拝読ありがとうございます。

いかがだったでしょうか?

物理的にも精神的にも「丸く」なりすぎて、社会生活が困難になるという、いかにもフェアカらしい欠陥チート回になりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ