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チート売りの少女/女神は最近の転生者が「普通すぎるチート」に飽きていると嘆き、斬新なアイデアを求めて私のところにやってくる!  作者: 弌黑流人


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【Cheat Ability No.11】事後救済型・概念再構築プログラム(パッチ・ワーク・ハッピー)

「フェアカ! 大変よ! 異世界が……異世界が、なんだか『人間味』を失っちゃってるの!」


ルミナリエ様が、半べそをかきながらモニターを抱えて飛び込んできた。そこには、これまでのチートによって変貌した世界の姿が映し出されている。


「お花だらけで誰も戦わなくなった世界も、全員が二度寝してる世界も、勇者がゼリーになって運ばれてる世界も……平和なんだけど、これじゃ『物語』として成立しないわ! 上層部から『管理不足』って怒られちゃう!」


私は呆れ顔で、ワゴンの引き出しから古びた針と糸のようなオーブを取り出した。


「だから言ったじゃないですか。……まあ、仕事ですからね。これを使ってください。女神様流に言えば『概念再構築プログラム』。私流に言えば、ただの『その場しのぎのツギハギ修正パッチ』です」


「パッチ! それで元通りになるのね!?」


「いいえ、元通りにはなりません。ですが、今の『異常な平和』に少しだけ『刺激』を混ぜて、世界が自力で動き出すきっかけを作ります」


数日後。フェアカはルミナリエ様と共に、いくつかの異世界を巡った。


まず、永遠の二度寝をしていた世界では、パッチによって「夢の中にだけ出現する美味しいラーメン屋」という概念を導入。あまりの行列の長さに、痺れを切らした人々が「……もういい、現実で食うわ!」と一人、また一人と目覚め始めた。


次に、お花畑になった世界では、花を食べると鼻がムズムズし、くしゃみをするたびに一瞬だけ「やる気」が出るパッチを適用。勇者はくしゃみを連発しながらも、ようやく魔王と花冠の作り方について真剣な議論(戦闘)を交わし始めた。


そして、ゼリー勇者の世界には、「3分に一回だけ骨が発生する」という不安定なパッチを。勇者が一瞬だけシャキッと立ち上がり、また崩れ落ちる。その滑稽ながらも懸命な姿に、魔王軍は「応援したくなる……」と感動。彼らは「勇者のリハビリを手伝う」という新しい社会目標を見出し、国が再建され始めた。


「チート、チートはぁ、いらんかねぇ〜。完璧じゃない世界、ツギハギの幸せ、なんでもござれ」


私は今日も、不完全ながらもなんとか回り始めた世界を背に、ワゴンを引く。


「あ、そちらのお客様。その『壊れたものを修理するたびに自分の記憶を一部失う』チートは、自分の名前を忘れたあたりで修理を諦める仕様ですので、返品不可ですよ?」



ご拝読ありがとうございます。

いかがだったでしょうか?

これまでに勇者によって荒れた異世界を、フェアカが「職人的なツギハギ」でなんとか立て直す、ちょっとだけ良い話(?)になりました。

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