整序の言葉
掲載日:2025/12/08
「本当のあなたはこのようなことはしない」
聖女の言葉が私の心を包む。
さめざめと泣きながら私は頷いた。
「あなたは苦しかったんだ」
そうだ。
その通りだ。
だから追い詰められて絶対にしないことをしてしまった。
「安心してください。神様は全て理解をされております」
何度も頷きながら私は罪の告白をする。
貧しさに追い詰められて盗みをしたことを。
盗みを目撃した女を口封じに殺したことを。
その女が美しいので辱めたことを。
その女の子供が泣きわめいてうるさかったので殺したことを。
似たようなことを繰り返してしまったことを。
「全て。貧しさがいけないんです。私はこんな人間ではなかった。信じてください」
私の言葉に聖女は微笑む。
「私はその言葉が聞きたかったのです」
慈愛の表情のまま聖女は告げた。
「さぁ、あちらへ。生まれ変わってください。古い自分を捨て去ってください」
「はい」
晴れ晴れとした気分だった。
苦しみが全て消えた気がした。
罪が許された。
本気でそう思っていた。
処刑台が見えるまで。




