表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

整序の言葉

作者: 小雨川蛙
掲載日:2025/12/08

「本当のあなたはこのようなことはしない」


 聖女の言葉が私の心を包む。

 さめざめと泣きながら私は頷いた。


「あなたは苦しかったんだ」


 そうだ。

 その通りだ。

 だから追い詰められて絶対にしないことをしてしまった。


「安心してください。神様は全て理解をされております」


 何度も頷きながら私は罪の告白をする。


 貧しさに追い詰められて盗みをしたことを。

 盗みを目撃した女を口封じに殺したことを。

 その女が美しいので辱めたことを。

 その女の子供が泣きわめいてうるさかったので殺したことを。

 似たようなことを繰り返してしまったことを。


「全て。貧しさがいけないんです。私はこんな人間ではなかった。信じてください」


 私の言葉に聖女は微笑む。


「私はその言葉が聞きたかったのです」


 慈愛の表情のまま聖女は告げた。


「さぁ、あちらへ。生まれ変わってください。古い自分を捨て去ってください」

「はい」


 晴れ晴れとした気分だった。

 苦しみが全て消えた気がした。

 罪が許された。

 本気でそう思っていた。


 処刑台が見えるまで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ