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私は王妃になるわ1(ザラ視点)

「エミールがいないわ」


 そういえば、エミールの姿が見えない。どこに行ったのだろう?

 見つめるだけの魔法は長時間離れるとだんだん薄れていって解けてしまう。


 エミールとはまだ身体の関係を持っていない。交わることにより、魅了の魔法はより強くかかる。そうなれば長時間離れていでも解ける事はない。


 この魔法はまずは瞳を合わす事で心を虜にする。唇を合わす事で身体を虜にする、そして交わることで心も身体も意のままになる。


 瞳を合わすだけの魔法はしょっちゅう見つめ合わなければ解けてしまうのだ。


 エミールにかけた魅了はまだ瞳段階。早く見つけて連れ戻さなくてはならない。


「エーベルぅ、エミールがいないのぉ。どおしたのかしら?」


 可愛い顔を作り、こてんと小首をかしげる。


 エーベルハルト殿下はデレデレした顔で私の肩を抱く。


「エミールは婚姻式の為に家に戻ったままなんだ」


 婚姻式? どうして? 私に夢中じゃないの?


「どうしてぇ? エミールは私より婚約者が好きなの? 皆さん婚約者と別れて私を選んでくれたのではないのですかぁ?」


 みんな卒業パーティーで婚約破棄したじゃないの?


 私は殿下や側近達みたいなハイスペックな男達に無償の愛を与えられる女なのよ。なのにほかの女と結婚? なんでよ。


「エミールの婚約者は卒園パーティーに来てなかったからなぁ。エミールは婚約破棄してないんじゃないか」


「あぁ、確か父親が私設の騎士達と一緒にエミールを連れにきていたな。エミールは逃げ回っていたけど、結局縄をかけられて連れて行かれた」


 パトリックとアーノルドがお茶を飲みながら話す。


「それって拉致じゃないですかぁ、エミール様は嫌がっているのに無理矢理なんてひどいですわぁ。きっと今も監禁されていて、助けが来るのを待っているのよ。エミール様可哀想ですぅ」


 瞳をうるうるさせてみんなを見つめる。


 ゴクン


 私を見ているみんなが生唾を飲む音が聞こえる。


「みんなで迎えに行きましょう」


 私は上目遣いでみんなを見る。ザラは優しくて可愛いとみんな思っているだろう。


 殿下がふっと小さく笑う。


「エミールは逃げようと思えば逃げられるはずだ。あいつはなんだかんだ言っても婚約者を溺愛していたから、婚約者の元に戻ったんだろう。ザラ、エミールのことはもういいのではないか? エミールの分も私が愛するよ」


「そうだな。エミールなんていらないよ。私はエミールよりザラを愛してる」


「ザラ、エミールなんて忘れろよ。私がいるよ」


「みんな嬉しいわ。ありがとう。でもみんなと一緒にいたいの。エミールも一緒じゃないと淋しいわ」


 涙を落としてみる。


 涙を落とす練習をした成果を見せなきゃね。


 ゴクン


 また生唾を飲む音だ。


 私のうるうるや涙にはそそられるみたい。


 すでに交わった殿下、パトリック、アーノルドは欲情してるんじゃないかな? ステファンともそろそろしなくちゃね。エミールも戻ってきたらとりあえずキスして、それから交わっちゃおう。


 やっぱり直接魔力を注ぐのがいちばん効果的ね。


 ステファンとエミールはまだ瞳で魔法をかけているだけだから解けやすいの。


 ステファンが立ち上がった。


「私がエミールを見てくるよ。エミールはザラのもとに戻りたいのかどうか確かめてくる」


「ダメ。ステファンは私の側にいて。行く時はみんなで行きましょう」


 私はステファンの腕を掴んだ。今行ってステファンも魔法が解けたら大変だわ。


「では、近衛騎士達に探らせよう」


「そうね。報告を聞いてから私達で迎えに行きましょうね」


 私はテーブルの下で殿下の太ももを撫でながら熱っぽい目で見つめた。


 やっぱり本命はエーベルハルト殿下よ。


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