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プロローグ

 今日は私の婚姻式だ。


 5歳で婚約してから13年。私達が学園を卒業すると同時に婚姻するのは前々から決まっていた。


 私と婚約者のエミール様はある時期までは、仲睦まじく過ごしていた。


 両親達が仲が良く、誕生日も近かった私達は生まれた頃からほぼ一緒だった。


 そして5歳になった時に双方の両親達の強い希望で婚約者となった。


 燃えるような愛はなくとも家族のような情はあった。


 だがあの頃から婚約者のエミール様は変わってしまった。


 エミール様はこの国の王太子殿下の側近。学園に入ってからは他の側近方と一緒にいつも殿下の側にいた。


 1、2年生の時は殿下の婚約者のデルフィーヌ様や他の側近方の婚約者の方々を交え、一緒にランチやお茶会をして過ごしていたのだが、3年になり、ザラ・トピナ男爵令嬢が転校してきた。


 ザラ嬢はつい最近まで平民だったらしく、貴族になったばかりだった。


 貴族令嬢達とは違い、マナーはさっぱりできていないのだが、それが新鮮に映ったのか、男子生徒達は皆ザラ嬢に夢中になった。


 中でもエーベルハルト殿下とその側近達はひどかった。


 ザラはデルフィーヌ様や側近達の婚約者にいじめられていると、殿下達に泣きついていたようだ。


 もちろん私達はいじめなどしない。私達はザラ嬢と接点がないし、皆それぞれに忙しい。ザラ嬢の言うように教科書を破いたり、靴を隠したりする暇などない。


 そしてあの日、私はザラ嬢に階段の一番上から突き落とされた。ザラ嬢は私に突き落とされたと装い、自分が落ちるつもりだったようだが、タイミングのせいで私が落ちてしまい、骨折した。

 その時もエミール様は落ちた私のことなど全く気にする様子はない。

 階段の上にいたザラ嬢のことを心配していた。


 こんなやつもういらん! その時心の底からそう思った。


 階段から落ち、骨折したせいで、私は卒園式にも卒園パーティーにも参加できなかった。


 まぁ、エミール様はドレスもプレゼントしてくれない、エスコートもないので、出なくても良かったのだが、なんと、その卒園パーティーで、エーベルハルト殿下や側近達が皆揃って、婚約者を断罪し、婚約破棄を突きつけたらしい。


 まぁ、女子達はみんなもう婚約者に愛想つかしていたので、婚約破棄は喜んで受け入れたみたい。


 いいなぁ。私も婚約破棄したかったわ。松葉杖で出ればよかったなぁ。


 出遅れた私は婚約破棄できず、骨折も治ったため前々から決まっていた今日の婚姻式を迎えてしまった。


 婚約者のエミール様は来るのかしらね?


 階段から落ちてから一度も会ってないのだけれど。



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