夢中
ある日あの時夢の中
さらりと出会ったあのその子
長い黒髪眉上の髪
白い肌にすらりと手脚
話しかけてもあしらう僕に
向きになって話してくれた
声をかけようとして覚めた目に
ねえ、あれ
君の名前はなんだっけ
思い出せない君の名前はなんだっけ
もう面影も薄れてしまった印象に
こんなにも恋しいのはどうしてか
もう一度戻りたいあの夢へ
戻って何かを変えたいだとか
やり直してみたいだなんて
そんな幼稚な事じゃなく
ただもう一度あの夢を見たい
何も変わらない全く同じなあの夢で
ただ対峙したいだけ
声を掛ける前にまた途切れていいから
もう一度教えてくれないか君の名を
戻れるものなら戻りたい
ある日あの時あの夢へ
あの子の名前を聞く為だけに