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第九話 侯爵夫人と昼下がりに

 ※少々過激なシーンがあるので、小説家になろう版は一部表現を抑えています。

  幕間回なので、苦手な方は飛ばして読まれてもストーリー進行に差し障りありません。


 2025.10.14 大幅に加筆修正しました。

 ある日のこと。

 いつものようにガルシア家の皆さんと朝食を食べて、パティは学校へ。

 ガルシア侯爵とフェルナンドさんは所用で一日出かけるという。

 ローサさんは在宅しているが、アベル君を連れて庭で散歩するのが日課である。

 もう一歳だし、生育にはとても良いことだ。


 午前はスサナさんとエルミラさんと三人でいつものように、体術の訓練。

 昼食が済んでからは休憩のために部屋のベッドでごろ寝。

 まだマカレーナの街のことをよく知らないので、午後は一人で街のどこかをまわってみようかと、寝転びながら考えていた。

 こんな無職ニートのような日々を送っていて良いのだろうか。

 街の外へ出掛けて魔物退治をするべきか。

 ほとんどの魔物は騎士団で間に合ってるようだし、彼らの仕事を奪うのも良くない。

 ――いろいろ考えていると、ドアノックがあった。

 ドアを開けると、なんと侯爵夫人、パティの母親であるアマリアさんが立っていた。

 歳は三十過ぎらしいが、とても瑞々しくいつも美しい。

 見つめられると、まるで淫魔(サキュバス)に吸い込まれるような感覚に(おちい)ってしまう。


「マヤさん、五分ほどしたら私の部屋へいらっしゃい。ドアノックは四回、黙って入ってね」

「ああ…… はい」


 彼女はそう言うと、すぐに立ち去った。

 普段ならばメイドのおばちゃんに頼み、呼んで来させると思うのだが、何か不自然だ。

 少し顔が赤かったけれど…… 風邪? そんな感じではなかったな。

 それにドアノックの回数の指定をするなんて……

 取りあえず、鏡に向かって身なりを少々整え、五分経ったので部屋を出た。


 ――コンコンコンコン


「入ってらっしゃい」


 ドア越しにアマリアさんの声が聞こえる。

 言われたとおり、無言で部屋へ入った。

 勿論彼女の私室には初めて入るのだが、ほのかに良い香りがする。

 香水の香りだろうが、子供が居るのでそれほどキツくない。

 おや? カルロス君はいないのか。メイドに預かってもらっているのかな。

 中へ進むとアマリアさんが鍵を閉める。


 ――カチャ


 内鍵を閉めて、何のつもりだ?

 彼女はニッコリ笑い、ベッドの前に立つ。


「私の前にいらっしゃい。ふふ」


 様子がおかしい。

 だが、下心が膨らむ私は言うとおり前へ行くと、彼女は私の両肩を(つか)み、抱き寄せる。


「あ、あの……」

「うふふ……」


 アマリアさんは微笑みながら、ゆっくり私の顔を近づけた。

 創作物で「顔が近い!」という台詞をよく目にするが、まさにその状態だ。

 さらに近くなり、鼻の頭同士がくっつきそうになってしまう。

 ここここ…… こんなに綺麗な女性の顔が目前にあるなんて生まれて初めてである。

 私はびっくりして、身体が硬直してしまう。

 真っ赤な口紅を着けた唇が、とても(なまめ)めかしい。

 口から少し甘い匂いがすると思ったときに、そっと唇が合わさった。

 彼女の唇が何度も私の唇を挟む。

 いわゆるハムハムキスだ。

 まるで洋画のキスシーンが、自分自身に対して実行されているのだ。

 私の身体はさらに硬直する。

 アマリアさんは私の唇を味わうように楽しみ、一旦唇を離した。


「ど、どうしたんですか? アマリア様……」

「ハァ…… ぁぁ…… マヤ様、私、我慢できないんです……」


 何とも悩ましく刺激的な口調で言い、再びアマリアさんは私に口づけをする。

 今度は徐々に情熱的になってきた。

 ハムハムから、唇が吸い付かれるようなキスに変わっていく。

 私はこんなに気持ちが良くて激しいキスが初めてだ。


「ンンンー!」


 私は思わず声をあげてしまう。

 アマリアさんは私の腰と後頭部を強く抱きしめ、動かすことが出来ない。

 正確に言えば強引に振り(ほど)くことが出来るのだが、私自身がそうされたい願望があるため、為すがままにされているだけだ。

 き…… 気持ち良すぎてふわっととろけそうだ。

 い、いかん! 下にいる分身君がキスだけで元気になってしまう!


 アマリアさんはすごく興奮している様子で、舌が吸われる止まらない長い長いキス。

 すると彼女は顔を放して、私の顔を胸に押しつけた。


「ハァッ ハァッ ハァッ マヤ様……」


 さすがに息苦しくなったが…… でもイイ匂い。

 分身君は爆発的に元気になってしまった。

 そんなことよりとても大きなおっぱい、夢のおっぱいです!

 生まれて初めての推定Gカップおっぱいがこんなにふわふわ柔らかいなんて!


 創作物ではおっぱいの柔らかさをマシュマロみたいと比喩表現するが、マシュマロよりもっと柔らかい!

 ドレスの大きくカットされた胸元が(はだ)けている。

 ブラはしていないんだ。

 これはあの伝説の【ぱ◯ぱ◯】の状態ではなかろうか。

 おっぱいの匂い、というより女性の肌の匂いがたまらなく欲情をそそり、いつまでも嗅いでみたい気分になる。

 表情筋が緩み、鏡が無くても自分の顔がどんなにニヤけた顔をしてるのかがわかってしまいそうだ。

 アヘ顔には絶対にならないようにしよう。


「ああっ!?」


 ――アマリアさんが後ろ向きにバランスを崩し、彼女をベッドへ押し倒してしまった。

 その勢いで、スカートが(めく)れ上がる。

 すると、真っ赤で布の面積が小さい、レースの透け透けおぱんつが現れた。

 アア…… アマリアさんって、こんなのを履いているのか!

 ローライズの紐パン…… いや、これはきっとTバック!

 ショーツの布がお尻の後ろまでまわっていない。

 貴婦人の下着はTバック!

 これだけでも興奮してくる。

 そうか! この世界では現代地球的な下着を履くんだ。

 中世ヨーロッパではまだドロワーズも無くノーパンだったらしいが、地球とそっくりそのままではないのだな。


 むふぅ…… 彼女の美しい肌を見れば見るほど興奮が収まらない。

 私を制御する脳は、分身君のほうへ移ってしまっているようだ。

 そして、胸の突起に吸い付きたいと思った直前にハッと我に返り、胸から顔を放した。


「ハァ、ハァ…… やめましょうアマリア様。旦那様と子供たちがいらっしゃるのに申し訳ないですから……」

「はっ!? はぁ…… はぁ…… ごめんなさい、私ったら……」


 アマリアさんは上半身を起こすが、美しいモチモチの豊乳とやや濃いめな桃色の突起、白くスラリとした太股は隠れていない。

 なんて美しく色っぽいスベスベの太股なのだろうか。

 顔を挟まれたら絶対に気持ち良いはず。

 まるで絵画にしたくなる妖艶(ようえん)な姿だ。

 ガルシア侯爵はそんな彼女を好き放題出来るなんて、羨ましいぞお!


「あの人と結婚してから、他の殿方に対してこんな気持ちになることなんて全く無かったのに、マヤ様にお会いしてからまるで魔法がかかったかのようでした。

 それで気になって気になって…… 気持ちを抑えられなかったんです。

 その…… 私の胸を見ていけないことを考えてらっしゃるようでしたし……

 エクスプロレーションの魔法で手を握っていたときですが、もやもやとそれがわかるんです」


 うわわ! やっぱりバレてたのね……

 しかし、いくらエッチなことを考えていたからって、何だって急にこんなことを……


 ――その原因は後日発覚するのだった。


「マヤ様、今日の私はどうかしていました。このことは忘れてくださいまし」


 アマリアさんは顔を赤くしながら、そそくさと(はだ)けた服を直した。

 彼女の様子で察し、私は一礼してから無言で部屋を退出する。


 しかしえがったなぁぁぁ。うへうへうへへ。

 しばらく部屋の扉の前で悶々(もんもん)と余韻に浸っていたら……


「ぁぁ…… ぁぁぁ……」


 中から小さく声が聞こえる。まさか一人で……

 いやいや。口紅が着いているかもしれないから、誰にも見られないように部屋に帰らなければ。

 そうか。さっきアマリアさん自身が私の部屋まで呼びに来て、五分の時間差を作ったのはそういうことだったのか。


 ――この日の晩、私の分身君は昼下がりのことをオカズにして、一人で大暴れをしていた。

 三回も爆発するなんて、まるで中学生みたいなやつだ。

 分身君は中二病なのだろう。


---


 翌日の朝食は、侯爵とアマリアさんが揃ってニコニコとダイニングルームへやってきた。

 なんとまあ顔色がつやつやだこと。

 仲睦まじいようで、あの晩は二人で頑張ったのかなあ。


「どうしたんだ? 早くこっちへ来なさい」

「あなた、今日はめちゃくちゃにして!」

「やけに積極的だな。むふふっ そうかそうか。ではいくぞ!」

「ああぁぁぁぁぁ……」


 なんて中学生みたいな妄想をしたり。

 くそぅ、羨ましい。


(女神サリ視点)


 久々に登場の私だよ! ――ってマヤさん何やってんの!?

 あの乳デカ奥さんの様子が変だったけれど、さすがに人妻に手を出したらダメだと思いとどまったわね。

 そういう理性が強いところは好感持てるわ。

 マヤさんの周りにはまだまだ女の人がやってくるよー ゲラゲラ


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