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【210万字!】ロベルタ・ロサリタ ~ランジェリーデザイナーになった転生勇者が女の子たちに求婚され苦悩する?~  作者: しじみ汁
第四章三部 王都マドリガルタ(前)

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第七十七話 女神サリ様降臨

 2026.5.1 全体的に見直し、加筆修正を行いました。

 王宮でエルミラさんと朝の戦闘訓練の後、汗を流すために滞在中の部屋にあるお風呂へ入った。

 欧州によく有りそうな、お金持ちの家が使っている陶器製の湯船。

 お大尽様になったような、とても優雅な気分だ。


 お風呂から上がり、脱衣ルームへ。

 ありゃ? そこには身体を拭くタオルしか置いていない。

 せめてバスローブぐらいは用意していないのか?

 ルナちゃん、忘れていたのかなあ……


 宿ではエリカさんがいても気にしないでいつも部屋の中で着替えてたりしてたから、着替えを脱衣所に用意してもらうことが頭になかった。

 私は身体を拭いた後、ドアから顔を覗かせてこう言う。


「あのー、ルナちゃん。バスローブをこっちまで持って来て欲しいのだけれど……」

「それには及びません。そのままいらして、是非お着替えの練習をさせて頂けないでしょうか?」


 うっ……

 女の子に見られてしまうのは慣れてるが……

 彼女が望んでいるなら腹を(くく)るしかない。

 素っ裸のまま、ソロリとドアから出てみた。

 一応、分身君をタオルで隠し、ルナちゃんの前に立つ。


「じゃあ、よろしく頼みます……」


 ルナちゃんはまた分身君をまじまじと見つめている。

 ちなみに分身君は綺麗好きで、適度に散髪をしてあげている。

 もし分身君がアフロヘアーだったらびっくりされるかも知れない。


「わあっ マヤ様は思っていたより筋肉がガッチリなんですね。ドキドキしちゃいます」

「女の子にそう言われると嬉しいよ」


 前世でも二十代前半まではガッチリな体型だったのに、それを過ぎて三十代にもなるとだんだんとブヨブヨとなってくる。

 食欲は若い頃と変わらず旺盛なのに、新陳代謝が悪くなるわ運動量が減るわで醜い体型になってしまった。

 せっかくこの世界でやり直しが出来るのだから、将来の体調管理は気を付けねばなるまい。


 ルナちゃんは私の着替え鞄から、黒いビキニぱんつを取り出す。

 彼女は私の前でしゃがむと、足下で私のぱんつを広げた。

 これは更衣介助っていうのかね……


「さあ、ここに足を入れて下さいね」

「バスローブだけで良いのでは?」

「私はマヤ様にぱんつを履いてもらいたいんです。さあっ」

「はい……」


 ぱんつを履かせることに(こだわ)るなんて、変わった子だな――

 これはまるで、小さい子供がお母さんにぱんつを履かせてもらうスタイルだ。

 王宮で彼女は今まで女性のお客さんを相手に世話をしていたようだけれど、おばさんやお婆さんにもこうして世話をしていたのかな。大変だねえ。


 分身君をタオルで隠したままビキニぱんつを履かせてもらい、後ろからバスローブを着せてもらう。

 顔がビクッと反応し赤くしているから、タオルの隙間から分身君をチラ見されたかもな……


 一先ずバスローブのまま落ち着いたので、セシリアさん宛てに手紙を書くことにする。

 パティたちの買い物の集合時間まで余裕があるし、ルナちゃんにはただ控えて立ってもらうのも何なので部屋やお風呂の掃除を早めに始めてもらった。

 セシリアさんへの手紙の内容は、マドリガルタに着いて女王様と謁見があったこと、今朝のエルミラさんのことについて三人で話したいという、主にこの二点だ。

 三十分ほど掛けて書き上げ、ルナちゃんに手紙と送料の銅貨を渡す。

 彼女に、王宮から出す一般郵送物と一緒にまとめて出してきてもらうことにした。


 ルナちゃんが部屋を出た後、自分で外出用の上着へササッと着替えてしまった。

 彼女にやってもらうと私の方が気を遣ってしまうので、自分で着替える方が良いのだ。

 私はまだまだ、お貴族様やお金持ちの精神にはなれない。


---


 王宮の正面玄関前。

 集合時刻になり、王宮から馬車を出してもらって四人で街へ買い物に出かける。

 お付きの子達が手を振って見送ってくれた。みんな可愛いなぁ。


「マヤ君マヤ君。せっかく王都まで来たんだしさ、マカレーナには無い物をいっぱい見ていこうね。うひひ」

「何。そのうひひは」

「着いてのお楽しみだよ」


 馬車を十分ほど走らせて、とあるお店の前に着いた。

 看板には【アリアドナサルダ】と書いてある。

 確かマカレーナにもある、高級ランジェリーショップ!?

 ショーウィンドウがあって、ガーターベルトスタイルのランジェリーやベビードールを着けたマネキンが展示されているので、どんなお店なのかすぐわかる。

 で、「うひひ」と言っていたエリカさんは何故私をここへ連れてきたのだ?


「とうちゃくぅ~! マヤ君っ ここはアリアドナサルダの本店よ。マカレーナのお店よりずっと物がたくさんあるわっ」

「いやいやいやっ! 俺がここに来てもしょうがないでしょ!」

「女性のランジェリーが中心だけれど、男性の下着もたくさんあるから大丈夫よ」

「それなら…… って、わざわざこんなお店で買わないよ」

「ねえねえ頼むよぉ~ 私が買ってあげるからさあ」


 結局エリカさんが店内へ強引に連れ込まれてしまった。

 しかし凄い……

 広い店内にはセクシーなランジェリーの展示物がズラッと並んでいて圧巻だ。

 あっ 女王が来ていたベビードールと良く似た物がある。

 女王も下着をここで手に入れているのか……

 さすがに、使いの者に買いに行かせていると思うが。


「あの…… わ、私は買い物をしますけれど…… 恥ずかしいですから、あちらへ行きますね。エルミラさん、行きましょ」

「はい、お嬢様」


 店内では、パティとエルミラさんとは別行動になった。

 十三歳の女の子が男性とぱんつを買うというのは、恥ずかしい以前に不自然極まる。


「えっとメンズコーナーは…… あった。マヤ君、こっちよ」


 エリカさんは私の腕を引っ張り、男性向け下着売り場へ向かった。

 トランクスやボクサーブリーフが多少展示してあるが……

 ほとんどが際どいビキニパンツや男性用ランジェリーだった。

 確かに日本でもそういう物は売れていたけれどさあ。

 Tバックに―― なんだあれ? 象さんみたいなぱんつ。あれに入れろって?

 その横にあるのは穴が開いてて、丸出しじゃないか。

 全く以てジョークでしかない。

 Oバックの尻丸出しぱんつもあるが、日本で見たことあるのはスポーツ用の局部保護や身体の矯正用なら知っている。

 この店にあるのはどう見てもジョーク商品のデザインだな。


「はぁ はぁ はぁ マヤ君、このお店最高だよ! これなんかマヤ君に履いてもらいたいねえ~」


 エリカさんが手に取ったのは、紫色でアレがほぼ見える透け透けのレースのぱんつ。

 あの部分が膨らんでいる以外は女性のぱんつと変わらない。


「俺こんなの履かないよ! 普通のでいいからっ」

「頼むよ~ ベッドインの前だけでいいからさあ~」

「あぁもう、好きに選んでよ。でもブラは絶対着けないからね。」

「じゃあ好きなのを選ぶね。うひひひっ」


 エリカさんがうるさいので、放って置いて好きにさせることにした。

 男性用ブラもあるけれど、あれはいいや……

 黒の紐パンもある。

 あぁ…… アマリアさんに紐パンを履かされた時を思い出してしまった。(第六十四話参照)


 仕方が無いので、私は一人でノーマルの男性下着売り場に行った。

 トランクス、ブリーフ、ボクサーブリーフ、際どくないビキニパンツ等が展示されている。

 ちなみに私はトランクス派だ。

 アレが押しつけられるのはあまり心地よくないからだ。

 動きやすさではビキニパンツが群を抜いているから、明日の決闘試合のためにも少し買っておくか……

 元々持っている黒いビキニパンツの追加と、柄物トランクスを三枚ずつ買った。

 レジまで行くのに、女性のランジェリー売り場と男性のノーマル下着売り場の間にあるので、どうしても展示されている女性のぱんつとブラが視界に入る。

だが私は、ぱんつだけは興味ない。

 ぱんつは女性に履いてもらってこそ命を吹き込まれるのだ。


 ――うわっ ランジェリー売り場の向こうにパティとエルミラさんが商品を選んでいる。

 見つからないように動こう……

 そこにも女性客がいる。

 変な人だと気づかれないようにしなければ。

 ん――? あれ? どこかで見たような後ろ姿。

 僅かに紫がかったほぼ黒の美しいロングのストレートヘアー、白い女神ワンピース、グラディエーターサンダル――

 まさかねえ……

 その女性はすでに商品を購入後なのか、お店の紙バッグを腕に下げ展示のランジェリーを眺めていた。

 だが、私の気配を感じたのか私の方へ向きを変える。


『あっ』

「あっ……」


 ただの利用客が、今私の顔を見て「あっ」て言ったよね。

 はい、どう見ても女神サリ様です。


『あら…… あはははは…… マヤさん、お久しぶりね』

「あの、こんなところで何をしてらっしゃるんですか?」

『天界にはお店が無いから、女神だって下着ぐらい買わないとね』


 ほら女神だなんて言うからレジ係のお姉さんが変な目でこちらを見ている。

 私は女神様の手を引っ張り、目立たない店内の隅まで移動する。


『ちょ ちょっと……』

「あっちで少しお話ししましょう」


 すごくエッチなレディースランジェリーだらけの、ここに決めた。

 商品の陳列や、壁にも展示が際どい物ばかりで落ち着かないが、人通りは無い。

 穴あきや完全な股割れ、玉パン、股間にはめるだけのIバックまで壁に展示してある。


「お久しぶりです、サリ様。どうしてこちらにいらっしゃってるんですか?」

『どうしてって…… あなたの様子を直接見に来て、ついでに買い物をしてるだけよ』

「そ、そうですか…… この世界に降りてから一年以上経って、私もいろいろあったんですよ」


『知ってるわ。パティちゃんが死にかけたことも、アマリアさんとエッチなことをしてるのも、聖女マルセリナといちゃいちゃしてるのも、アスモディアの魔女がやってきたのも、そうそうゆうべはとうとう女王ともエッチなことをしていたわね』


「うわわわっっ 何でそんなものまで見ているんですかっ! 私のプライバシーは無いんですか?」

『たまたま天界の神眼モニターを見ていたら、あなたがそんなことをしてるだけよ。私があなたをモテるようにちょっとだけ仕組んだら面白くってアッハッハッ』

「やっぱり超モテ期がやって来たのはあなたの力でしたか。――で、何かしゃべり方が天界とえらく違ってませんか?」

『あのしゃべり方は仕事よ仕事。神っぽいでしょ。プライベートじゃあんなしゃべり方は堅っ苦しくて』


 天界の女神様の口調は演技だったのかよ。

 こんなアホっぽくて人の愛の行為を何回も覗いたり、神様がこれじゃサリ教の信者やマルセリナ様が知ったら愕然とするだろう。

 もっとも聞いたところで信じてくれるはずもないが。


「マヤ様。――マヤさまっ」

「え? あっ」


 後ろから声を掛けられて振り向くと、パティとエルミラさんだった。

 見つかったか……


「こんなエッチな下着売り場で何やってるんですか? しかも綺麗な女の人と一緒に…… 浮気ですか?」

「違うよパティ。この人は……」

『初めましてパティちゃん、エルミラさん。私は女神のサリよ』

「あれっ 言っちゃっていいの?」


 サリ様はパティたちに向かって、自分の正体をあまりにあっけらかんと言ってしまった。

 当然パティとエルミラさんは目を白黒させていた。


「あの~ えっと~ えっ?」

「マヤ君、前にお嬢様のパーティーで話していた女神様って……」

「そう。本物の女神サリ様だよ」

「「えぇっ!? ブッ モゴモゴ」」


 騒がれると迷惑なので、私はパティとエルミラさんの口をすぐ塞いだ。

 二人とも買い物の会計は済んでいるようだし、もうお店を出た方がいいかな。


「買い物が済んだなら、お店を出て他の話をしよう。あーっと…… エリカさんはどこへ行ったかなあ」


 エリカさんを探しながら、私たちがお店の出入り口付近まで来た時に彼女が現れた。


「あら、あなたたちも買い物終わったの? ふー、たくさん買えたわ。マヤ君のも…… うひひひひっ あれ? その子誰?」

「あー、女神サリ様だよ」

「はっ? マヤ君バカなの?」

「もう、お店を出るから」

「あー ちょ、ちょっと……」


 私はエリカさんの手を引っ張って店の外へ出た。

 


「で、なあに?その子は」

『アモールの弟子エリカさん初めまして。女神サリです!』

「はぁ? 何で知ってるの? サリ?」

「そうだよっ サリ様だよっ 一応神様だから失礼のないようにっ」

「一応じゃないわよ。正真正銘の女神サリよ」

「――って、前にマヤ君から聞いたサリ様!?」

『前にマヤさんが素性を話したみたいだけれど、概ねその通りよ。アモールとは五百年くらい前に少しやり合ったから知ってるわ』

「え…… あ……」


 エリカさんも目を白黒させ、目の前の現実を受け入れられないでいた。

 私が話した予備知識があったとはいえ、突然「わたしゃ神様だよ」なんて言われたら戸惑うのは当然だろう。

 お店の前で立ち話をしてもいけないので、さてどうしようか……


「間もなくお昼ご飯の時間だし、サリ様もご一緒にどうですか?」

『じゃあお誘いに乗っちゃおう~ 勿論マヤさんの奢りね。』

「あ…… はい」


 ――王宮の馬車はもう引き返しているので、歩いて街を移動する。

サリ様はご機嫌で私の隣を歩き、パティとエルミラさんは眉間にしわを寄せるような表情で後ろを付いてきている。

 エリカさんは荷物がたくさんなので、グラヴィティで浮かせ荷物が勝手に付いてくる。

 それを見た通行人が「ん?」と二度見をする姿が何回も見られた。


 やっぱり女神様でもぱんつは自分で買うのか。新発見だったな。

 今度は魔女がぱんつを買っているところに遭遇したりしてな。

 大昔はぱんつなんて無かったろうから、ノーパンだったろうな。むふー

 時代と共に、神様も下着を着けるようになったということがわかった。


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