第六十一話 カタリーナ様のお風呂事情
2023.8.18 全体的に文章を見直し、読みやすくしてみました。
(今回は全てカタリーナ視点です)
先日から私はガルシア家でお世話になっています。
あの時お庭に現れた魔物は、魔法が効かない上に高魔力の持ち主を標的にしていました。
マルセリナ様も殺されかけて大変危険だからという話で、マヤ様たちにしばらく匿って頂き助かりました。
昔の話をしますが、パトリシア様は九歳で幼年学校を卒業され、マカレーナ女学院の三年生に編入しました。
その時に私と同級生になり、同じ魔法学科のクラスでお友達になれたんです。
体育の授業で着替える時に下着姿を拝見すると、イチゴやクマさんのとても可愛らしい下着が多くて、失礼ながら毎回楽しみでした。
十三歳のお誕生日を境に大人のランジェリーをお着けになられたので、私は密かに興奮してしまいました。
お母様のご指導でしょうか。パトリシア様もご成長されて子供の可愛い下着ではお身体に合いませんからね。
パトリシア様のお母様。
アマリア様はお優しくて美しく、私でもドキッとしてしまいます。
いつかパトリシア様もアマリア様のように成長されるのでしょうか。
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ガルシア家でお世話になる初日、パトリシア様のお部屋にて。
初めてお風呂をご一緒した時の話です。
「カタリーナ様、夕食の前にお風呂をご一緒しましょ」
「えっ 私一人のほうがよろしくて……」
「後でエリカ様やマヤ様もお入りになるので、それでは時間がかかってしまいます。
私、カタリーナ様となら恥ずかしくありませんし、是非ご一緒したいんですの」
「そ、そういうことでしたらご一緒させて頂きます……」
お風呂の前に髪の毛をアップにまとめて……
私、それからとても緊張してしまいました。
お風呂の脱衣所にて、私たちは上着を脱いで下着姿になった時。
「カタリーナ様、今日は珍しく黄色の下着なのですね。とても可愛いですよ」
「あ、ありがとうございます…… パトリシア様の白い下着も大人っぽいですね」
「私はこれから大人の女性を目指しますの。エリカ様たちに負けていられませんわ」
パトリシア様が黒や紫の下着を着けられたらどうしましょう。
まだ似合いません!
ここはアドバイスをしておきましょう。
「パトリシア様は今の可愛らしさがとても大事だと思います。
だから白や黄色。それとピンク、青、緑のそれぞれ薄くて明るい色がお似合いですよ」
「そうなんですか? お母様みたいな黒や赤はいけませんの?」
「濃い色は十八歳を超えた時で十分だと思いますわ」
「そうかあ。ありがとうございます! カタリーナさまっ ニコッ」
あああ笑顔が可愛いですうぅぅ
私のパトリシア様があまりセクシーになってしまうと、ショックです。
そして私たちが下着を脱いだところで……
「パトリシア様、とても肌がお綺麗です……
胸も私と同じくらい…… いいえ、もう追い越されそうですね」
「そう言われると、やっぱり恥ずかしいですね…… うふふ」
「魔物に襲われて大怪我をされたそうですが、まったく傷が残っていませんわね」
「マヤ様のフルリカバリーは素晴らしいです。
命を救って頂いただけではなく、悲しくなる傷も残りませんでした。
感謝という言葉だけでは表せませんわ」
「フルリカバリーはとても難しくて、魔力の質も良くないと傷がきちんと治せませんものね。
私たちも勉強を頑張りましょう」
「はい、カタリーナ様!」
パトリシア様は笑顔で返事をしてくれました。
そんな可愛い笑顔で今は裸なんですから、私卒倒しそうです。
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お風呂では、二人で洗いっこすることになりました。
泡をたくさん立てて……
あら、思ったように立ちませんわ。
このタオルはとても繊維な…… シルクのタオルですの!?
さすがガルシア家ですわ。
パトリシア様の、まるで赤ちゃんのようなお肌なの頷けます。
こんなに近くでお肌を拝見できるなんて…… はぁはぁ
「どうなさったんですの?」
「い、いえ何でもありませんわ。このシルクのタオルが素敵だと思いまして」
「カタリーナ様にもシルクのタオルをお勧めしますわ。
思っているよりお高くないんですよ」
「そうだったんですか。それは私も手にい入れたいですね」
湯船には対面で入りました。
目の前に可愛いパトリシア様が裸になっていて、パトリシア様は私をニコニコと笑顔でじっと見つめています。
はははは恥ずかしいです……
「やっぱりカタリーナ様はとてもお綺麗ですね。ずっと私の憧れなんですよ」
「そんな…… 私はパトリシア様に憧れているんです。こんなに可愛くて……」
「じゃあ私たちはお互い大好きということですね。
おばあちゃんになっても、ずっと大切なお友達でいましょうね」
「はい!」
パトリシア様にそうおっしゃられると、とても嬉しかったです。
でもお友達はお友達…… 何でしょう、この気持ち……
一緒にいると楽しい。いつも一緒にいたい…… 大好き……
頭の中がもやもやしながら湯船の中でパトリシア様とおしゃべりしたり、手を繋いだり、とても幸せな時間でした。
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湯船から上がり脱衣所に戻ると、エリカ様が上着を脱いで下着姿になっていたところでした。
黒いレースのランジェリーがとてもお似合いで、スタイルが良いです。
女同士でも私はドキドキしてしまいました。
「おや、カタリーナちゃんもご一緒だったの。むふふ」
「カタリーナ様をそんなエッチな目で見ないで下さい!」
「あ、あのぉ……」
「んー? カタリーナちゃんのほうが私のことを気になってるみたいよ」
「カタリーナ様。身の危険を感じますから早く服を着て出ましょ」
「はい……」
「ちぇー」
気になってるのは本当なんです。
あ、ブラを外されて…… と、とても素敵で大きな胸です!
「よっと。ありゃりゃ、ぱんつが足に引っ掛かって…… もうっ ああっ」
ずでーん
エリカ様は下着を脱ぐときに足先が引っ掛かり、バランスを崩して尻餅をつかれました。
なっっ エエエリカ様の…… パックリ……
「あたたたた……」
「エリカ様、そんなに脚を広げて…… はしたないですよ!」
「えー、女の子しかいないんだからいいじゃん」
「ああ…… あわわわわわ」
私、女性の大事な場所を初めて見てしまいました。
しかも憧れのエリカ様のを……
そういえば私自身のも見たことがありませんでした。
ツー……
「きゃー! カタリーナさまっ 鼻血がっ」
「あらららら。この子、女にも弱かったの!?」
「ふがふがふが…… 面目ありません…… 私、初めて女の人のを見ましたから……」
パトリシア様が脱衣所に備え付けのティッシュを下さったので、鼻を塞ぎました。
みっともないです……
「カタリーナ様。赤ちゃん産むところはとても大事ですから、後で鏡を使ってご覧になった方がよろしいですよ。
私はお母様にそう教えられましたから」
「ガルシア家の教育はしっかりされてますのね…… 反省します……」
五歳も若いパトリシア様に注意されるなんて、私は情けないです。トホホ……
「カタリーナちゃん、何だったら私が勉強を教えてあげるよ。ふひ」
「エリカ様は黙ってて下さい!」
「はーい」
さすが領主様のご令嬢。男爵令嬢のエリカ様を一喝です。
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パトリシア様のお部屋に戻りました。
「カタリーナ様、どうなさいました? 先ほどから落ち込んでいるように見えますが」
「いえ、パトリシア様はエリカ様も諫めることが出来てすごいなあと思いまして……」
「あれはエリカ様が変なだけですから、カタリーナ様が気にすることではありません。
それよりあのマカレーナ女学院の生徒会長をやっておられたカタリーナ様のほうが何倍もすごいですよ」
「そうなんですか?」
「そうですよ。カタリーナ様はご自分で思っておられるより素晴らしい方です。
だから私は大好きで、尊敬もしているんですよ。もっと自信をお持ち下さいまし」
「ありがとうございます…… パトリシア様。あなたは最高のお友達ですね」
「うふふ」
それから私たちはお互いに髪の毛をセットしました。
濡れた髪の毛はパトリシア様が火と風の魔法で乾かして下さいました。
パトリシア様に私の髪の毛を触ってもらえるだけで嬉しいのに、セットがとてもお上手で感激です。
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ガルシア家の皆さんとお夕食を頂いて、その後はパトリシア様のお部屋でマヤ様とマルセリナ様を招いてお茶会でした。
マルセリナ様は大変なことがあってお疲れということもあり、早めに解散になりました。
寝るには少し早いので、私たち二人はもう少しお話をすることにしました。
「こんなこと聞いて良いのかわかりませんが……
パトリシア様はもうマヤ様と…… キ、キスをされたんでしょうか?」
「あわわわそんな…… 恥ずかしいです……
でもお話しますね。
それはカタリーナ様もいらっしゃった先日の誕生日パーティーの後……
ダンスをしていた時に怖い目に遭って……
でもパーティーが終わった後でマヤ様が優しくキスをして下さいました。
ファーストキスはその時だったんです」
「憎きエステバン家の息子!
あの時は何も出来なくて申し訳ございませんでした……」
「いいんですよ、もう終わったことですから。
あの後バルコニーで二人っきりのダンスパーティーをしたんです。
それからマヤ様にキスをして頂いて、お互いに愛していると告げました」
「まあ! なんてロマンチックなんでしょう!」
やっぱりマヤ様とはキスをなさっていたんですね。
素敵なお話ですが、嫉妬してしまいます……
まさかそれ以上のことも!?
「あの、マヤ様とは…… それからどこまで?」
「いやですわカタリーナ様。気になりますの? キスまでですよ。
それ以上のことをして、もしバレたら私たちは大聖堂で厳しい再教育を受けなければなりませんから。うふふ」
「そ、そうですわよね…… 失礼なことをお聞きしてしまいました」
「カタリーナ様は、お好きな殿方はいらっしゃらないんですか?」
「私は…… 殿方に興味が無いわけではありませんが、恥ずかしながら恋をするという感覚がまだわかりませんの。
ダンスパーティーで殿方と踊ってもドキドキすることは今までありませんでした」
「この前大聖堂でマヤ様に抱かれていたときは、ドキドキしていたように見えましたけれどね。うふふふ」
「あっ その時は…… 恥ずかしくて、恋をしてるとは違うと思うんです」
パトリシア様のツッコミ…… 恐ろしい子です。
隠し事をしていたら大変なことになりそうですね。
「私は……、今私が好きなのはパトリシア様だけです。
一緒にいると幸せな気持ちがいっぱいで、胸がキュンとして愛おしくなるんです」
「はわわわわ……」
あらら、パトリシア様が顔が真っ赤に。
私は何かおかしいことを言ったのでしょうか?
「カタリーナ様、それは私に恋をしているということですよ……
今の言葉は完全に告白の言葉ではないでしょうか」
「え? ええ? ええええ!?」
そうでしたの……
やっとわかりました。これが恋する気持ちだったんですね。
でも女同士で恋するなんて……
パトリシア様はマヤ様を愛してらっしゃるから、ご迷惑をかけられません……
でも…… この気持ちは抑えられませんわ。
「パトリシア様、お願いがあります」
「なんでしょう?」
「私とキスをして頂けますか?」
「そ、それは……」
「やっぱり、ダメですよね……」
「いいえ、私はカタリーナ様とキスをします!
でも私でよろしいんですか?
ファーストキスは女の子にとってすごく大事なことなんですよ?」
「私、後悔はしませんわ」
「わかりました……」
私たちはお互いに向き合い、パトリシア様は目を瞑って私に唇を預けるようになさってます。
か、可愛い…… ドキドキ…… キスってこんなに緊張するものなのですか。
私はゆっくり顔を近づけて、パトリシア様の唇に触れました。
唇ってこんなに柔らかい……
はむはむとパトリシア様が私の唇を挟んできました。
なんて愛らしいんですの……
何分かわかりませんが、私たちはずっとはむはむしてました……
それから唇が離れると…… やっぱり寂しいですね。
あら? パトリシア様が涙?
「スンスン…… うううっ がだりーなざまあ~ わだじもだいずぎでずわぁ~
うえぇぇぇぇぇぇぇん」
あららららら…… パトリシア様を泣かせてしまいました……
一気に溜まっていた感情が爆発したのでしょうか。
私はパトリシア様が泣き止むまでベッドの上で座り、しっかり抱きしめました。
今のこの気持ち…恋人同士というより姉妹なのかしら。
パトリシア様は泣き疲れて、そのまま眠ってしまわれました。
ベッドのお布団の中に二人一緒です。
パトリシア様の寝顔…… 天使!
か、か、可愛いです…… 食べちゃいたいくらいに…… はぁはぁはぁ
エリカ様じゃありませんが、私も変になってしまいそうです。
このまま黙ってキスしてもバレませんよね?