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第三百七十一話 ギャルメイドの萌え萌えキュン

 ※小説家になろう版は、一部表現を抑えて投稿しています。

 翌朝、王宮で借りている部屋のベッドで目覚める。

 何だか下半身がモゾモゾしている感覚があって、起きたのだが……


「おおっ!?」


 布団の中に誰かが入っている。

 下半身の、モニョモニョとしている感覚…… ああ、察した。

 私は布団をガバッと剥ぎ取り、私の視界に入っているのはパジャマのズボンを脱がされている下半身と、分身君を握りしめているメイド服姿のモニカちゃんである。


「えへへ…… おはようございます」

「ああ…… おはよう」


 私が呆れた表情で彼女を見つめても、物怖じせずニッコリ笑顔。

 若い子からこんな起こされ方をするのはファンタジーの世界なのに、現実に目の前で行われているのだから不思議にすら思える。


「マヤ様、起きて顔を洗って、朝食を持って来たから食べましょう」

「うん……」

「でもせっかくだから、あたしは今ここで朝食を頂きますね」

「は?」


 モニカちゃんはメイド服のまま私に覆い被さり、私に甘いキスをする。

 そしてすぐに、分身君が温かく包まれてしまった。


「へへ…… これ、癖になっちゃいますね……」

「ううう……」

「とても美味しいですよぉぉ」


 結局ゆうべと同じ、着衣でいたしてしまう。

 若い子の性欲もすごいなあ。

 モニカちゃんは私の腰の上で数分頑張り、満足したようだ。


「はー スッキリした! マヤ様()()をたくさん吸収したから、これでしばらく大丈夫。へへへー」

「成分ねえ…… で、今日の下着もアレなの?」

「昨日とは色違いですよ。見ますか?」


 モニカちゃんはクルッと反転し、私の顔に(また)がる。

 顔にスカートが被っていて何も見えないが、モニカちゃんの香りが籠もっていて…… フガフガ


「これならよく見えますよね?」

「うほぉぉぉぉ!?」


 モニカちゃんはスカートをたくし上げると、やはり私がデザインした白いレースのショーツを履いており、その間が割れている。

 普通に履いていれば穴あきだとわからないので、ロッカー室で複数人が着替えているときでもバレる心配は無いだろう。

 ゆうべの穴あきピンクはヒラヒラしているが、今朝のはヒラヒラが無く大人しめであるが、セクシー度はこちらが上だ。


「よく見えますかあ?」

「うん、よーく見えるよ」

「やだー マヤさまのえっちぃ」


 すごい眺めだ。

 本当に朝から何をやっているんだろう。

 終了後は、何事も無かったかのように顔を洗ってトイレに行き、朝食を頂く。

 カップに入った液体状のチョコソースに、チュロスをつけて食べる。

 パティが大好きなスタイルだ。

 それを、モニカちゃんが食べさせてくれるというので、遠慮無く。


「マヤ様、あーんして下さい」

「あーん」


 ――モグモグ


「美味しい……」

「でしょ? あたしがチョコソースを入れたんだから」

「作ったんじゃなくて、入れただけじゃないか」

「美味しくなる魔法が掛かってるんですよ」

「へー、どんなの?」


 私がモニカちゃんにそう質問すると、どう応えたら良いのか戸惑っている様子。

 彼女は魔法使いじゃないし、適当に言っただけで実際に魔法を掛けているフリもしていないだろう。


「こ、こうかな? 美味しくなれー」


 モニカちゃんはチョコソースのカップに手をかざす。

 寒い空気が部屋の中で漂う。


「チッチッ それではダメだねえ。心がチョコソースに届いていない」

「じゃあマヤ様はどんなふうにしたら()いか知ってるんですか?」


 モニカちゃんはジト目で私に問う。

 ()()()()()()()の魔法なら、あれしか無いだろう。

 二十年以上前に日本にある秋葉原のメイド喫茶でやってもらった、あの魔法の言葉を!

 私はテーブルの前に立つ。

 モニカちゃんには初披露するのだが、ウケるだろうか?


「じゃあ、始めるからよく見ててね」

「――はあ……」


 あまり興味無さそうな反応だな。

 やる前からだんだん自身が無くなってきた。


「では…… ドキドキー♪ ワクワクー♪ ニャンニャンー♪ 美味しくなーれ♪ 萌え萌えキュン♪」


 私は、所謂定番の振り付けで萌え萌えキュンのハートを両手で作るまでやってみた。

 あら…… モニカちゃん、固まってるような。


「さあ、今度はモニカちゃんもやってみよう!」

「えええっ!? ()()()()あたしもやるんですかあ!?」

「あんなの…… せっかく一生懸命やったのに…… ぐぬぅ……」


 やっぱりウケなかったか……

 でも、モニカちゃんの萌え萌えキュンはどうしても見たい!


「わかりましたよ。はい、どうぞ」

「じゃあついていってね。ドキドキー♪」

「ドキドキー(棒)」

「ワクワクー♪」

「ワクワクー(棒)」

「ニャンニャンー♪」

「ニャンニャンー(棒)」

「美味しくなーれ♪」

「美味しくなーれ(棒)」

「萌え萌えキュン♪」

「萌え萌えキュン(棒)」


 うーむ、ノッてこない。

 メイドとしては一級素材なのになあ。


「ダメだよ、もっと心を込めなくちゃ。さあもう一度」

「えー またやるんですかあ? サービス外ですよぉ」

「お風呂や寝覚めのラブラブはしてくれるのに?」

「アレは…… あたしもしたいからサービス内です…… いや、サービスじゃなくて…… あたしの本気ですよ?」


 モニカちゃんは顔を赤くしてそう言った。

 彼女の本音がわかったから、ちょっとエサで釣ってみよう。

 私は財布代わりの小袋から銀貨を一枚取り出し、彼女に差し出す。


「これで新しい服かランジェリーを買う足しにしてよ」

「えっ? うーん、そこまでして見たいんですか?」

「モニカちゃんならその価値はある」

「いくらマヤ様からでも、お金を受け取って何かをするというのはどうかと思っています……」

「形だけだよ。モニカちゃんを私の従者とは見ていない。向こうの家は、ルナちゃんたちも家族と思ってる」

「そういうことなら……」


 モニカちゃんは銀貨を受け取った。

 銀貨一枚ならばいやらしさを感じるほど高額ではないし、ちょっとしたお小遣いの金額としてちょうど良い。


「じゃあ、いきますよ…… ドキドキー♪(ドキドキー♪) ワクワクー♪(ワクワクー♪) ニャンニャンー♪(ニャンニャンー♪) 美味しくなーれ♪ 萌え萌えキュン♪」


 正規の作法で、私も途中まで声かけをする。

 ギャルメイド、モニカちゃんの萌え萌えキュン…… 

 何という破壊力! ぐはぁぁぁ!!

 私は感激のあまり、ベッドへ倒れ込んだ。


「クッ…… 萌え尽きた…… すっごく可愛かったよ……」

「そ、そうですかあ? えへへ」

「ルナちゃんに頼んだら嫌がられて、今までビビアナしかやってくれなかったからなあ」(第十九話参照)

「――それを聞いたら喜んで良いのか釈然としませんが……」


 私は立ちあがって、モニカちゃんの両手を握りしめた。

 朝からとても良い気分だ!


「と、とにかくありがとう!」

「まあ…… マヤ様が良ければ…… アハハハ」


 それから食事の続きで、モニカちゃんがまたチュロスをチョコソースにつけてアーンで食べさせてもらう。

 至福のひとときだ。


「マヤ様、すっごく幸せな顔をしてますね」

「これが幸せ以外にあるはずがないよ。ふふふふふっ」


 こうしてモニカちゃんとの、幸せな時間を過ごすことが出来た。

 着替えまでお世話してもらって、彼女はそのまま寝室の片付けへ。

 私はそろそろエスカランテ家へ出掛けようと、女王の寝室がある秘密の棟から出る。

 すると、出入り口にいる警備の近衛兵から声が掛かる。

 時間は掛けないから、これから陛下の執務室へ出頭して欲しいとのことだ。

 出頭とは…… 個人的な話では無いな。

 一体何をさせられるのやら。


---


 広い城内を歩いて、やっとのことで執務室へ着く。

 女王と執事代理のロシータちゃんがそれぞれのデスクで書き物をしていた。

 私にとってあまり仕事をしているイメージが無い女王なので、このような姿を見ると不思議な感じがする。

 ましてゆうべは、ベッドの上で乱れた姿を見たから余計に。


「出頭せよとのことで、()せ参じました」

「ご苦労様。お願いがあって呼んだの。あなた、ヒノモトの国へ行くと言っていたわね」

「はい。剣の修繕と修行のために、遅くとも三週間後には」

「それで、ヒノモトの国王…… いえ、皇帝イヅモノミカドにお会いして親書を渡して欲しいの。我が国とヒノモトの国は民間内で多少の物品取引はあるけれども、国家間では正式に国交がないから、せっかくだしこの機会にきっかけを作ろうと思ってね」

「ああ、ヴェロニカ王女も連れて行くので、そういうことですか」

「そうね。ヴェロニカは私の名代としてはちょうど良いわ。で、あなたが護衛役」

「わかりました」


 出頭の意味はそれか。

 私も子爵という立場だし、これも仕事の内だよなあ。

 しかし初入国でいきなり皇帝と面会か。緊張するなあ。

 でも、アスモディアの大帝よりはずっとましかも知れない。


「ヴェロニカとも話がしたいから、次に王都へ来る時はあの子も連れてきてちょうだい。その時に親書を渡します。ヒノモトの国へ行く寄り道でもかまいません」

「わかりました。半月後にアリアドナサルダへの用事があるので、その時に…… それでは失礼します」


 事務的に淡々と話が進んで、終わる。

 執務室を出ようとしたら、女王に声を掛けられた。


「マヤさん…… たまにはお城へミカンちゃんを連れてらっしゃい。私も久しぶりに会いたいわ。ねっ? ロシータ」

「はははいっ 私もミカンちゃんに会いたいです……」

「ああ…… そうですね。また、連れてきます」


 そういえば、女王がエスカランテ家へ訪問したときから会ってないのかな。

 ミカンちゃんはまだ小さいしよくお昼寝をするから、あまり長い時間は出掛けられない。

 ヒノモトから帰って来た時は今から二ヶ月近く経っているはずだから、様子を見てお城へ連れて行こう。


「ロシータは子供が好きそうだしね。早く()い人が見つからないかしら……」

「へへへ陛下っ 私はまだっ その気は無いです……」

「あなたもそろそろ十八になるんじゃないかしら。浮いた話は欲しいわね」

「うううう……」


 女王がロシータちゃんを揶揄(からか)ってる。

 どこか貴族の良家でも嫁ぎ先があれば良いけれどね。


---


 王宮からエスカランテ家へ向かう。

 今日は完全休暇だ。デザイン画も描かない。

 シルビアさんとミカンちゃんと一緒に一日中過ごすのだ。

 義理の両親である子爵夫妻も在宅で、家族水入らずである。


 五人揃って、リビングにて午前十時のティータイム。

 この国はとにかくお茶の時間が多い。

 私がミカンちゃんを抱いて、夫妻とシルビアさんで歓談する。


「来月にはヒノモトの国へ行くそうじゃないか。私はよく知らない国だが、大丈夫なのかね?」

「ええ。ガルシア侯爵の奥方に渡航経験があるローサ様も一緒に行きますし、比較的安全な国と聞いています。ヴェロニカ王女も連れていくことになったんですが、先ほど女王陛下からヒノモトの皇帝陛下へ親書を渡して欲しいと勅命を仰せつかりました。なので王女殿下の護衛として行くことになります」

「ほう! 大変な務めだねえ」

「正式に国交を樹立したいとのことです。もっとも、護衛は私一人だけで今のところたった三人の訪問団になりますけれどね」

「オホホッ マヤさんならお強いですからお一人で十分でしょう」

「うむ。騎士団の一個大隊よりも遙かに戦力があるからなあ」

「マヤさんなら我が国全兵力を集めても勝てませんよ。うふふっ」

「いやあ、シルビアさん。買いかぶりすぎだよ。ハハハハ」


 そんな会話が、お茶を飲みながら続けられていた。

 未だに私はシルビアさんを『さん』付けで呼んでしまう。

 実年齢五十を過ぎてるのに、大人っぽいのはシルビアさんのほうだしなあ。

 ――おや、ミカンちゃんは少々不貞腐れている様子。


「わーうーわーうーばばばばばっ」

「あーごめんよー つまらない話だったねー」

「かまってもらえないから怒ってるのね。うふふっ」


 0歳にしては感情表現が豊かな子だ。

 これからの成長が楽しみだねえ。

 話は適当に終わらせ、私がミカンちゃんを抱いたままシルビアさんと三人で庭を散歩。

 ミカンちゃんは、飛んでいる蝶を目で追っていたり興味が尽きないようだ。

 こうしているうちは普通の赤ちゃんだけれど、こんな小さな身体で僅かながら魔力を放出してきている。

 もし魔法書が読めて理解する知能まで発達していたら、初歩のファイヤーショットやスモールリカバリーくらいは発せられるほどだ。

 五歳にもなれば、きっと末恐ろしいことになりそう。


 楽しくゆったりした一日は瞬く間に過ぎ、ミカンちゃんを寝かしつけたらシルビアさんとのラブタイム。

 ミカンちゃんが寝ているので、声を出すまいと一生懸命我慢しているシルビアさんの姿はそそる。

 お互いに何ヶ月分もの溜まったぶんをこの一晩で吹き飛ばせた。


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