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第三百六十六話 朝、寝覚めの出来事

 ※ごめんなさい、言葉は抑えてますがシモが続いてます。次回は日常へ戻ります。

 ――チュンチュンチュン

 庭木にとまっている鳥の鳴き声が聞こえる。

 カーテンで閉められ暗くなっている部屋に、隙間から朝日の光が漏れている。

 あああ…… もう朝か。

 ゆうべはよく眠れたなあ。

 隣でセシリアさんとエリカさんが寝ている。

 そういえば三人で裸のまま寝たんだっけ。

 性転換魔法を使った後は身体の変化をさせるために、よく眠らないといけない。

 だからナニもしていない。

 そうだ。ナニだ!

 そっと顔を起こすと――


「おっ!? これは!」


 悠々とそびえ立つ、そして富士山のようななだらかな傾斜を、掛け布団が(かたち)(づく)っていた。

 私は右手を布団の中に入れ、股間に存在するモノを確認した。むむっ!?


「あっ 有るぅ!」


 懐かしいこの感触! 我が分身!

 しかも朝から元気いっぱい! うひょー!

 そうだ。ペタペタ――

 うん! 胸を触ったらおっぱいも無くなってる! 元通りだ!


「うう…… ああ…… ナニが有るのお?」


 エリカさんが目を覚まし、寝ぼけザマに口を開いた。

 十八歳のエリカさん…… 至近で見ると肌の瑞々しさが以前とこうも違うとは。


「ナニが有るんだよ! 成功だよ!」

「成功!?」


 エリカさんがガバッと掛け布団を(めく)って起き上がる。

 彼女の豊満な胸とくびれた腰が(あら)わになった。

 ついでに私の分身君も(あら)わになる。見た目も元通りだ!

 分身君が元気過ぎるのでこのままエリカさんをどうにかしてしまいそうだが、ここは理性を保って応える。


「そうだよ成功だよ!」

「――そっかそっか…… 良かった。ふわぁぁぁ…… で、セシリアさんはどうなの?」

「まだ見てない」


 エリカさんはまだ眠そうにして長い髪の毛を掻き上げる。

 セシリアさんは―― 向こうへ向いてまだ寝ており、さっき布団が(めく)れたが見えるのは背中だけだ。


「おーい、セシリアさん。おはよう」

「――うーん……」


 私は彼女の肩を揺さぶって起こしてみた。

 眠りが深かったようですぐには起きそうにない。

 だが揺さぶった勢いで、コロッと上向きになった。


「うわっ!」

「あららっ!?」


 なんとまあ見事に胸が膨れ上がっている。

 このサイズは…… Eカップ!?

 もしかしてこれは?


「うーん、この胸の膨れ具合…… 女のマヤ君の遺伝子をもらったから、マヤ君にそっくりね」

「やっぱり! しかも色白で綺麗だなあ……」

「触ってみる?」

「いや、眠っているときに失礼だよ」

「とにかく、完全に女になっているか確認しないといけないわ。起こしましょう」


 私はセシリアさんの耳元で(ささや)いてみる。


「おはよーございます。セシリアさーん、起きてくださーい」


 昔のテレビ番組でやってた、アイドルの寝起きドッキリで変なことやってたタレントみたいだな。

 私物を漁ったり、飲みかけのジュースを飲んだり、すごい時代だった。


「う、うーん…… はぁっ あああん……」

「わっ」

「ぶふっ マヤ君ったら、やらしー ひっひっひ」


 そうしたら、セシリアさんはエッチな声で寝ぼけをかます。びっくりしたあ。

 エリカさんはそれを見て面白そうに笑っている。


「セシリアさん、思っていたより寝覚めが悪い人なんだな。もう一回揺らしてみるか」


 ――ゆさゆさゆさ たゆんたゆんたゆん


「おーい、セシリアさぁぁん。起きてー」


 私が両肩を掴んで揺らすと、胸も同調して揺れている。

 私の胸と同じだったものが目の前に有り、客観的に見ると不思議な感じだ。


「ああ…… うう…… ああ…… マヤさま……?」

「おっ やっと起きた。おはようセシリアさん」

「は…… マヤさま…… 男……」

「そうだよ。男に戻ったんだよ」

「ふわぁぁぁぁ…… マヤさまぁ……」

「むぎゅるっ ぱ◯ぱふーん」


 セシリアさんはまだ寝ぼけており、私を抱き寄せた。

 Eカップの胸に顔が挟まってしまう。

 うへへっ やわらかーい。ふわふわー


「いいなあ、マヤ君」

「わぷっ エリカひゃん、気付けの魔法とか寝覚めを良くする魔法はあるの? これじゃあキリがないよ」

「仕方ないわねえ。ほいっ」


 私がセシリアさんにぱふ◯ふされたまま、エリカさんは彼女の額に手を当てて軽く魔力を高めた。すると――


「ハッ? 私……?? キャッ!? マヤ様!?」

「やあセシリアさん、おはよう。ぱふふーん」

「やだ私…… こんな…… えっ!? 胸が!?」

「そうよセシリアさん。女になれたのよ」

「――本当に…… 私…… ううっ」


 エリカさんの目覚めの魔法によって、セシリアさんはすっきりと目覚めた。

 いきなり私が胸に突っ込んでいる状況に驚いたが、そんなことより自分の胸が膨らんでいることに、感涙にむせぶ。


「セシリアさん、喜ぶのはまだ早いわ。マヤ君も」

「――それは……?」

「何があるっていうのさ?」

「下半身がちゃんと出来上がっているか、細かいところを確認したいのよ。まずはセシリアさんね。横になって脚を開いてちょうだい」

「――はい」

「マヤ君はカーテンを開けて」

「わかった」


 エリカさんが言うことはもっともだ。

 奇形になっていたら大変なことになる。

 私はベッドから這い出て部屋のカーテンをザッと開けた。

 眩しい朝日が部屋を照らし、明るさに慣れていない目を手で覆う。


「ふーむ、外観は完璧ね。中の方はどうかしら」


 ぐはっ セシリアさんはいつの間にか、ベッドの上で婦人科病院の診察台のように開脚し、エリカさんが手で触りながら覗いている。

 そして男の時の同じ、金色の草原が見える。


「マヤ君はまだ見ちゃダメよ。あっちを向いてなさい」

「すみません…… こっちはまだ恥ずかしいので……」

「はっ はい……」


 エリカさんの言うとおり、また窓の方へ向く。

 私の分身君が元気なままなのだが、すごく間抜けな絵面だな。


「あっ…… ん……」

「感度は良好のようね。フフフ……」


 なななな何やってんだ?

 気になる……

 うううっ 分身君がツラい。


「マヤ君、もういいわ」


 エリカさんがそう言うので振り向くと、下着を着けたセシリアさんがベッドの上で女の子座りをしていた。

 ぱんつはともかく、Bカップブラでは半分以上溢れてて意味が無いぞ。


「安心してマヤ君、下半身も完璧よ」

「それは良かった。で、ブラは新しいものを揃えた方が良いよね。記念にアリアドナサルダで買ってプレゼントしてあげる」

「あ、ありがとうございます!」


 セシリアさんは両手を組んで大喜びだ。

 彼女には是非上下白の高級ランジェリーをプレゼントしてあげたい。


「差し当たって、私のブラを貸してあげる。カップは同じでもセシリアさんのほうが細いかな」

「マヤ様の物なら喜んで!」

「もう二度と使わないと思うと、なんだか寂しいなあ……」


 そうだよねえ。

 ランジェリーをたくさん買っちゃったけれど、もう使うこと無いんだ。

 アスモディアで買った、ちょっと粗末な下着もまだ持っている。


「あっ 二人に言い忘れていたけれど、私に言えばマヤ君はまた女になれるし、セシリアさんも男に戻れるよ」

「「えええっ!?」」

「二回目、三回目になるともう触媒の体液もいらないわ。私って頭イイ! 目標は、私がいなくてもあなたたちだけで魔法を唱えられるように、魔法を改良することよ」

「そうか。それならランジェリーの試着が出来ていいなあ」

「わ、私はずっと女のままがいいです……」

「わかったわ。取りあえずマヤ君だけが相互に男女転換するってことね」

「魔法の改良、よろしくね」


 よし! これならグアハルド家の大浴場へ入るときみたいな場合に、女になれるんだな。ウッシッシ

 男と入るより、女の子たちとキャッキャうふふと楽しんでいたほうがいいもんなあ。


「んじゃ、次はマヤ君ね。そのまま立ってなさい」

「エリカさんもそろそろぱんつぐらい履いたらどうなの?」

「え? そんなに気になるう? 初心(うぶ)な男の子みたいに『お、俺には目の毒です』とか『僕には刺激が強すぎます』なんて言って、顔を赤くしないの?」

「何言ってるんだよ。早くしてよ、もうすぐ朝ご飯なんだから」

「つまんないわねえ。まあいいわ、始めるわよ」


 ――クンクン クンクン


「匂いは前と同じ正常ね」

「匂いが関係あるのかよ!」

「大事な事よ。病気になっていたら匂いが変わるんだから」

「ああそう」

「外観も問題無いから、次は(しぼ)ませてよ」

「そんなものまで見るのか!」

「これも大事よ。さっ 早く」

「そんなのここですぐ出来るか!」

「しないの?」

「何をするんだよ。知らないんだなあ。トイレへ行っておしっこしないとダメなんだよ」

「へー、そうなんだ。勉強になったわ」

「じゃあ行ってくる」


 私は着替えるのが面倒だから、昨日使ったバスローブをそのまま着て部屋の外へ出る。

 バス・トイレは館内共用なのだ。

 一階にある男子トイレに行って、用を足した。

 分身君が元気だと、方向的に用を足すのが難しいんだよなあ。

 よしっ 無事に(しぼ)んだ! さっさと部屋へ帰る。


『あっ! 男!? 誰だ!』


 階段を上がって戻ろうとしたときに、朝練を終えたマイとオフェリアに見つかった。

 女の私しか知らないマイは私と気づかず、不審者と思ったのかいきなり殴りかかろうとする。

 魔力で気づいてくれよ!


『たああああっ!』

「えええいっ!」


 私はマイのパンチを片手で止める。

 さらにキックをしてきたので、脚を上げて止める。


 ――バシイィィィィッ


『なにぃ!? あたしのキックとパンチを止めただと!?』

『ちょ、ちょっとマイさん待って下さい! マヤさんですよこの方は!』

『マヤあ!? あっ そうか! 忘れてた! そういえば面影がある!』

「魔力で気づいてくれるかと思ったのに」

『いやあ、咄嗟(とっさ)だったからつい。悪い悪い!』


 キックを止めたままのポーズでオフェリアが声を掛けて静止してくれた。

 するとオフェリアが顔を塞いだ。え?


『マママ、マヤさん見えてますぅ……』

『おっ ホントだ。これはなかなか……』

「うわっ しまった!」


 バスローブを着てノーパンのまま片脚を上げたから、見えちゃった……

 私はすぐに脚を下ろす。

 オフェリアは恥ずかしくて視界を閉ざしているが、マイは興味深そうに覗き込む。

 露骨にニヤニヤしてるから、こっちが恥ずかしくなったぞ。


「ま、まあそういうことで無事に男に戻ったよ」

『へー、それがマヤの男の顔なんだね。思っていたよりイイ男じゃん』

「ありがとう…… ちょっと着替えてくるから、また朝食の時に…… ハハハハハ……」


 妙な空気になったので、私はそそくさと部屋へ戻った。

 エリカさんが椅子に掛けて脚を組んで待っていた。

 すでに紫色のネグリジェを着直しており、セシリアさんもノーブラのまま白いネグリジェを着ていた。


「さあさあ、見せてちょうだい!」

「本当に見せる意味があるの?」

「ちゃんと機能するか確認しなくちゃ」

「――」


 私がバスローブを(はだ)けさせると、エリカさんは脚をついてしゃがみ、手でいろいろゴニョゴニョやっている。

 うう…… そんなことをしたらまた…… ああっ


「キャッ マヤさま!?」

「よっしゃあ!」

「み、見ないでセシリアさん……」

「ごめんなさいっ」


 何が起こっていたのか、想像にお任せします……

 はぁ…… 朝っぱらからなんなんだと。


「うんうん、これで安心だわ! 再改良版ジーナスムタティオが完璧よ! 私天才! 褒めて褒めて!」

「はいはい、すごいすごい」


 エリカさんの頭を撫でてやると、子供みたいにニコニコしている。

 そんな顔をみていると、怒る気にもならなかった。


「じゃあマヤ君、また後でねい!」

「私も失礼します」

「あ、ああ……」


 エリカさんは片手をバイバイと振りながら、セシリアさんは自身のBカップブラと私の使いかけEカップブラを手に持ち、一礼して退室していった。

 いいのか? あのブラで。

 私一人だけになり、空虚感がいつもよりあった。

 ――なんなんだこれ。


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