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第三百四十五話 大浴場の中をスイスイスイッっと

 はぁー やれやれ。

 さっきは酷い目に遭った。

 女の身体は快感が男の数倍と言われてるから、どうしても声が出てしまい我慢するのがツラい。

 私はエリカさんらと離れて、独りで湯に浸かる。

 タオルを湯に浸けるのはマナー違反だから、頭の上に載せてるぞ。

 

 ――チャポン


「ああぁ…… はぁぁぁ……」


 湯に浸かっても声が出ちゃうよねえ。

 あああ気持ちいい……

 ギュッと脚を伸ばせて浸かるのは格別だ。

 日本人にはやっぱり大きなお風呂が必要だよなあ。

 本気で、私の屋敷に大きなお風呂を作ることを考えよう。

 ここの大浴場みたいに広いと維持が大変そうだから、十二畳分くらいあればいいかなあ。

 そう考えるだけで楽しみだ。


 ――ゴボゴボッ ゴボッ


 誰か潜ってこっちへ近づいてくる。

 この魔力は…… アイミとアムだ!

 せっかく独りでゆっくりしてたのに、数分も持たなかった。

 こいつらが一番騒動を起こすのだから、静かにしてくれよ。


 ――ザバァァァァァァァ


『ぷわぁぁぁぁ!』

『ふぃぃぃぃぃ!』

「うわっ!?」


 脚を広げていた私の股からアイミ、アムの順で飛び出してきた。

 当然二人は裸になっている。

 七歳くらいの幼女と、十一、二歳くらいの少女の姿……

 つるつるペッタンにちょい膨らみかけ、そして二人とも\|/

 ヤバいヤバい、元男が見るのは倫理的にヤバい!

 私は思わず両手で目を塞いだ。


『おおマヤ、こんなとこで一人でいるんだ。あん? こいつなんで目を塞いでるの?』

『ははーん、こいつはロ◯コン呼ばわりされたくないから子供の裸を見ないようにしてるのだな? うひひ』

「や、やめろー! 近づくんじゃない!」


 二人とも私にべったり近づいて、気配で目の前に股間があるのがわかる。

 いま目を開けたら、男として終わってしまいそう。


『おまえはこういうのが良いんだろう?』


 アイミの魔力が上がり、何かブワッと空気が舞うのを感じた。

 それでも私は目を塞いだままにする。


『おおっ マヤはそういうのか良いのか! じゃああたしもそうしよっと』


 今度はアムの魔力を強く感じた。

 何をやっているんだ? ちょっと気になる……


『ほれっ おまえが好きなやつだぞ。目を開けて見ろ!』

「ええっ?」


 これはアーテルシアの声だ。

 大人の姿ならまあいいだろう。

 正直言うと、アーテルシアの見かけだけはとても好みである。

 私は恐る恐ると手を()け、目を開いた。


「お、大人? ジャングルぅ?」


 アーテルシアは元よりかなり濃い――を通り越してボウボウになっており、アムは姿がそのままだがタワシほどの何かが股間に貼り付いているようだ。

 もうギャグにしかなっていない。


「あのなあ……」

『なんだその顔は。気に入らんのか?』

『これは違うのか?』

「普通はそこまで濃くない。ああ…… あそこにいるジュリアさんぐらいが美しい」


 私は向こうでお湯に浸かろうとして歩いているジュリアさんを指さした。

 その瞬間、しまった…… と思った。


『ほうほう、そうか!』

『もっとよく見せてくれ!』


 そう言って二人の神はジュリアさんのほうへ走って行ってしまう。

 ボウボウたわしのままで。


「な、なんでスかあ!?」


 ごめんよジュリアさん。

 私がノリで君に指を()してしまった。

 水着を着るからビキニラインだけを処理しているとはいえ、あとはそのまま。

 素晴らしい毛並みなのですよ。


『よしわかった!』

『あたしも!』


 何をする気だ?

 またこっちへ戻って来た。

 ジュリアさんは何が起こっているのかわからず、オドオドしながら湯に浸かる。

 私の方へ来ようとしない。

 怖がらせちゃったかなあ。

 アムは禍々(まがまが)しい邪気を抑えているが、ジュリアさんみたいに闇属性を持っていると漏れているものが感じやすい。

 後で謝っておこう。

 で、アムたちが何をしたかというと……


「そ、そっくりだな…… ジュリアさんに……」


 そう。ジュリアさんの大人のジャングルに、そっくりに変わったのである。

 アーテルシアはともかく、アムは少女のまま大人のジャングルだからつり合わない。


『どうだ? なかなかのものだろう?』

『格好いいな、これ!』

「チッチッチッ ダメだな君たちは。それぞれ人に似合ってるものがあるんだ。アーテルシアはラフエルで戦った後(第百七十話参照)の時に見たほうが綺麗だったし、アムはさっきの何も無いほうが可愛いんだよ」


 ――私は女の子の下のアレのことで何を言っているんだ。

 自分で言っていて恥ずかしくなった。


『き、綺麗だと? そうか…… ふむ』

『かか、可愛い? あたしが? そんな照れるなあ~』

「えー……」


 まさかの反応。二人とも顔を赤くして照れている。

 いやいや、股間のことを褒めただけだぞ?

 神様の感性というのはわからん……


「まあ、そういうことだ。それでね、私は元々男なんだからこういう大勢の前で女といちゃつくわけにはいかんのよ。一人にさせてほしい」

『なんじゃつまらんのう。さっきエリカたちとベタベタやってたくせに』

「あれは不可抗力だ。はい、あっちで遊んでてくれ」

『しょうがないねえ。アイミ、行くぞ』

『ふむ』


 アーテルシアの姿がボワワと黒霧に包まれ、アイミに戻る。

 うわっ また倫理的にまずい姿が視野に。

 お股をおっ(ぴろ)げられないだけ良いが――

 ああっ やっと向こうへ行った。

 これでゆっくりお湯に浸れるなあ。


 ――アイミたちが離れたタイミングで、さっき大人のジャングルを真似されたジュリアさんがお湯に浸かりながら私の方へやって来た。

 まあ彼女はベッドの上以外は比較的常識人だから一緒に居ても良いだろう。


「どうも、失礼スまス……」

「さっきはごめんね。アイミたちがふざけてて」

「ああいえ…… あれは何だったのでスか?」

「何というか、私が小さな子供の姿を見るのはマズいという話からで…… アハハハ」

「そ、そうでスよね。男の人でスもんね」

「男といえばそうだ。今晩、エリカさんの魔法実験でもしかしたら男に戻れるかもしれないんだ」

「そうなんでスか? 本当に戻れたら、私は嬉しいでス…… あれからずっとご無沙汰でスから…… えへへ」


 と、ジュリアさんは股間を押さえてモジモジしてる。

 そっちの話になるとジュリアさんは変態になってくるから方向を変えよう。


「もしかしたらこの身体は今晩でお別れなんだなあ。名残惜しいけれど、でも必ず成功するとは限らないから、この話はここだけということで……」

「わかりまスた―― あの、お願いがあるんでスが……」

「何かな?」

「――今晩でお別れでスたら…… 胸、触ってみてもいいでスか?」

「ああ…… うん、良いけれど……」


 そっちの話から外れられないのかよ……

 それでも私は断り切れず、胸を触りやすいように自分の腕をどかして上半身を少し反らしてみる。


「では失礼スまス……」


 ジュリアさんは、私の右胸を自分の右手の平いっぱいに包むように触る。

 というか揉んでるじゃん!

 突起を中心にコロコロと回すように触っている。

 あっ そんなことをされたら……


「羨まスいでスぅ。こんなに大きいのに綺麗で張りがあってぇ~ あれ? ここ大きくなってきまスたよ? ふひひ」

「え…… エリカさんやビビアナのは触ったことないの?」

「あの人たちは(わたス)のを触るだけで、なかなか触らせてくれないんでス」

「ああ、そういうことね……」


 どちらかと言えばイジリ系のエリカさんとビビアナだから、何となくその様子が思い浮かぶよ。


「はぁぁん、マヤさんの脚も触り心地いいでスねえ~」


 ――ありゃ? いつの間にか左手で私の太股を触ってる!

 ジュリアさん、スイッチ入っちゃったかなあ?

 左手が奥へ進む前に戦術的撤退をしよう。


「あー、ジュリアさん。肩が凝ってるからあっちの打たせ湯まで行ってくるね」

「ああっ マヤさん……」


 私はジュリアさんを置いてすぐ離脱し、ここから少し遠い位置にある打たせ湯まで平泳ぎで向かう。

 スーイスイスー◯ラ―― スイスイスイッと。

 打たせ湯って三本あったから誰か居るのかなー


「私もご一緒してよろしいでしょうか? 肩は凝ってないんですけれど、近頃身体が硬くなったような気がしまして……」

「うふふっ 運動が得意なあなたでもそうなるのね。どうぞ」


 おや、この聞き慣れた声は……

 顔を上げた瞬間、打たせ湯の石の段に座ろうとしている女性。

 僅かな時間だが、太股がパックリ開き、草刈りした金色の草原と、綺麗で可愛らしい部分が見えてしまう。

 その後すぐ閉じてしまったが、上半身は色白で立派な膨らみが二つ。

 さらにその上には、美しい金髪の若妻の顔が。

 ――ローサさんだ。

 ああ…… 見ちゃった。

 純真な人妻であるから絶対に見ることが無いはずの、ローサさんの部分を見ちゃった。

 これは今晩のオカズ――

 いや、部屋にエリカさんとセシリアさんがいるから出来ない。

 それに今晩はエリカさんに性転換魔法を掛けられる。

 脳内SSDに保存したので、男に戻ったらしっかり楽しもう。


「マ、マヤさん?」

「あらマヤさん。あなたも来たのね」


 ローサさんの隣には、脚を組んで座り、肩に打たせ湯を当てているアマリアさんがいた。

 肝心な部分がちょうど見えないので、ある意味ホッとした。


「ああ、どうも。失礼します――」


 三本の打たせ湯があり、真ん中が空いているのでそこの石段に座らせてもらう。

 右にアマリアさん、左にローサさんが座っている。

 二人とも一切タオルを巻いておらず、全裸の状態で美人妻に挟まれるというのも緊張するな……

 ローサさんも私が来たせいか、よそよそしく見える。

 いくら私が女の姿でも男の私の方と付き合い長いから、やっぱり恥ずかしいのかな。


 ――ビチャビシャビチャビチャビチャッ


「ああ気持ちいい~ ふぅ~」


 転生した身体になって凝ることは無いけれど、日本の日帰り温泉を思い出すなあ。

 田舎だったから近所の温泉に通い詰めたものだ。

 マカレーナの屋敷の下をずっと深く掘れば温泉が出てくるかも知れないけれど、上級土属性魔法を使ったら千メートル以上掘れるのだろうか。

 今度エリカさんかパティに聞いてみよう。


「ホッ―― はぅぅ」


 ――うううむ、どうしても横目でローサさんの裸を見てしまう。

 声が色っぽく可愛いし、何と言っても裸のパツキン美女が隣に座っているんですよ?

 日本人の男にとって夢のようなシチュエーションではないですか。

 ああああ…… もっと近くで見られたらなあ。


「あ、あの…… マヤさん。あまり見られると恥ずかしいので……」

「ご、ごめんなさい。つい……」


 いつの間にか、チラ見からガン見になっていた。

 ローサさんは股間と胸をサッと手で隠したが、溢れんばかりの胸はあまり隠している意味になっていない。


「うふふっ ローサったら、マヤさんにきちんとマッサージをしてもらっていたら恥ずかしくなかったのに」

「ううう……」 ボムッ


 アマリアさんの煽りで、ローサさんは顔が爆発しそうになる。

 ローサさんには手脚のマッサージしかしたことが無かったが、全裸で何度もマッサージをしているアマリアさんは堂々と美乳を披露している。

 しかも私がアマリアさんを見た時、わざとらしくゆっくり脚を組み換え、その時に薄くなっている茂みがチラッと見えた。

 うううっ あの太股に挟まれたい。


「マヤさん、私の裸はいくらでも見ていいのよ。うふふっ」


 すでに私がガン見している視線を察して、そんなことを言う。

 もし男だったら分身君がバキバキになってるところだが、女の身体の反応はちょっと股の間がマズいことになってそうなので、ここは撤収することにした。


「ああっ 身体が解れたのであっちへ行こうかな~ ってことで、これで失礼します」

「あらあらマヤさんったら。いつまでも初心(うぶ)で可愛いわね」

「――」


 ローサさんはまだ顔が爆発してる。

 彼女の方がよっぽど初心(うぶ)なのだが、きっとガルシア侯爵とのアノ時は受け身ばかりなんだろうな。

 時々、夜中の屋敷で可愛い声が聞こえていたけれど――

 さてと、また平泳ぎでスイスイスイッっと別の場所へ移動。

 一旦お湯から上がり、ジャグジー風呂まで行ってみた。

 二つしか無いのだが――

 そこはヴェロニカとエルミラさんが使用中だった。

 金髪美女の二人ともリラックスして脚もおっ広げ、何度も裸の付き合いをしていることなので、私が見ていることも気にしていない。

 もっとも泡でよく見えないのだが、ヴェロニカの大きなおっぱいは噴き出す泡にまみれてプカプカと動いててウケる。


 ――ジュワワワワワワワワワッ


「おお、マヤか。さっき入ったばかりでな、少し待っていてくれないか?」

「ああああああマヤ君コレ最高だよおおおおお~」

「気持ち良さそうだね」

「うむ。魔法を使っているんだろうが、どういう理屈でやっているのだろうか?」

「たぶん水属性魔法に合わせて風属性魔法を上手く使ってるんじゃないかな」

「そうか。おまえの屋敷にもこれが作れるか?」

「うーん、エリカさんに聞いてみる」

「頼むぞ」

「――」


 なんかジャグジー風呂を作らなければいけない方向になってしまった。

 一応王女様だから、多少の我が(まま)は聞いてあげないといかんよねえ。

 温泉と合わせて本気で考えておくかな。


次回も大浴場回です^^;

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