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第三百四話 セクシーなパーティードレス

 エリカさんとモニカちゃんとの三人でイチャイチャシャワープレイを楽しんだ後、間もなく夕食の時間なのでバスローブに着替えた。

 エリカさんのホルモン分泌が正常になったと思われるきっかけが、本当に私の裸になってしまうとはね。

 彼女は余計に変態になった気がするので、この先が思いやられる。


 モニカちゃんは私たちの着替えを持ってくると言って、一旦部屋を退出した。

 エリカさんと私はバスローブ姿でベッドに並んで座っている。


「にゅふふん マヤ君はバスローブもセクシーだねえ」


「とか言いいながら太股を触るなんて、スケベなおっさんそのものじゃないか。

 やっぱりホルモン分泌が治らないままだったほうが良かったかもね」


「しょんなあ! マヤ君の美味しそうなボディを見せつけられて我慢出来るわけないじゃないかああ! クンカクンカ!」


「うわわわわ! そんなところのニオイを嗅ぐなあ!」


 エリカさんは私の股間に顔を突っ込み、バスローブ越しに激しくクンカクンカスーハースーハーしている。

 この変態っぷりはどうにかならないのか。


「クンカクンカ…… あれ? やっぱりどこかで覚えがあるニオイ……」


「ああ、俺ってアモール様と同じニオイがするみたいだよ」


「――いま何と?」


「それ、アモール様と同じニオイだよ」


「――ぎええええええ!! なんでなんでなんでえ!?」


「知らないよ。アモール様が自分の身体を参考に術を施したせいなんじゃない?」


「うおええええ! お師匠様のニオイだと思ったら頭が痛くなってきた……」


 エリカさんは頭を抱えて嘆いている。

 まるで私の股間がすごく臭いみたいじゃないか。


「酷いなあ。いちごミルクのニオイだよ」


「ババァのニオイだから嫌なモンは嫌なの! こんなことってある? ううう……」


「だったらエリカさんが頑張って男に戻る魔法を作り変えてよね」


「女の子のマヤ君とイチャラブしたいいいい!!」


「知らないよ。諦めなさい」


 などと言い合っていると、ドアノックが鳴る。

 モニカちゃんが戻ってきたのかな。


「あれえ? どうしたんですか? 喧嘩?」


「いや、大したことじゃないよ。エリカさんが変態だからって話をしてただけ」


「なあんだ、そんなことでしたか」


「二人とも、私に対する認識を間違ってないかい?」


「そんなことより着替えを持って来ましたから早速着てみましょうよ」


 そんなこと扱いされたエリカさんは涙目。

 モニカちゃんは持って来た二着の服を両手で掲げた。

 青と赤の生地が薄そうな、パーティードレスのよう。


「とっととバスロープを脱いで、裸になって下さいね。

 それでこれを着けるんです。にっひひひ」


「なにそれ?」


「ニップレスですよ」


「「えええ!?」」


 モニカちゃん、今度は薄いベージュのシールを四枚うりゃうりゃと見せつけた。

 もしかしなくてもノーブラでこのドレスを着るのか。


「ほら早く脱いでっ」


 私たちはモニカちゃんにバスローブを一気に引っ剥がされた。

 さっきお風呂で三人とも裸になったのに、なんか恥ずかしい。


「では貼りますからねえー ペタ ペタッと」


「うふあっ くすぐったいってばあ」


「いっひっひ」


 モニカちゃんにニップレスを貼られてしまう。

 初めて着けたけれど、日本にあった磁気治療の大きなシールみたいだな。

 そういえば最近は男性用のニップレスもあった。

 次にエリカさんも貼られていたが、うふんと言いながら勝手に感じていた。


「さっ ドレスを着ますよ」


「え? ぱんつは履かないの?」


「王宮のパーティーではこういうドレスを着るとき、下着を着けないことが流行ってるんですよ

 下着のラインが見えちゃうじゃないですか」


「それ本当なの? Tバックを履いたら目立たないし……」


「ドレスの生地が薄いからそれでも見えちゃうんですよ。さあ着て下さい!」


 生地が薄いって、前の方が透けないか?

 私はモニカちゃんに手伝ってもらって真っ赤なドレスを着てみる。

 わっ 胸元と背中がパックリ。

 身体の線がピッチピチ。

 ロングスカートだけれど左脚のスリットが太股の上まであり結構際どい。

 裏地が無いけれど色が濃いので前が透けて見えるってことは無さそうだ。

 まあそれなりに処理はしてるけれどな。


「マヤ君、セクシーだねえ。うっへっへ」


 エリカさんがニップレスだけの全裸でそんなことを言うから、とても間抜けである。

 そして彼女もモニカちゃんに青いドレスを着させてもらった。


「ふえええ。こうしてお二人を並んで見ると、スタイル良いしすっごい格好良いですね」


「モニカちゃんもスタイル良いじゃない」


「私はお菓子を食べ過ぎちゃって、そんなの着たらお腹ポッコリです」


「そ、そうか……」


 食事の時間に近づいたので、モニカちゃんの案内で夕食の会場へ向かう。

 廊下ですれ違う男性のお偉いさんや従事者にジロジロ見られている。

 愛想笑いでやり過ごすが、ノーパンで出歩くという背徳感で何だかムズムズする。

 エリカさんが堂々と歩いているように見えるのは、彼女と酒場で出会ったときにパンチラしていたくらいなので、恥じらいが足りないだけであろう。


---


「まあ! マヤ様エリカ様素敵ですう!」


 ダイニングルームへ入ると、最初の一声はパティだった。

 彼女はいつもの学生服っぽい服装だし、他のみんなもさっきと変わらないので、私たちのドレスは一際目立つ。

 女王たちはまだ来ていないようだ。

 パティは席から立ち上がり、私に近寄ってまじまじと見る。


「本当にお綺麗です。私はまだ恥ずかしくて、似合いません……」


「もう二、三年もすれば似合うようになるから楽しみにしているよ」


「やだあ、マヤ様ったら」


 パティは頬を赤くしてそれを両手で押さえ、身体をくねらせている。

 彼女を(おだ)てているとよく見るよな。

 料理は大方並べられており、アイミは今か今かと目を爛々(らんらん)させながら待っている。

 犬が餌を目の前に、飼い主が待てと言ってるのと同じだな。

 誰かに制止されていないだけましであるが。

 マルヤッタさんは初めて見る数々の料理に興味津々で、隣に座っているジュリアさんにいろいろ聞いていた。

 私のドレスに目もくれていないのはちょっと寂しい。

 そろそろ席に着こうかというときに、アウグスト王子とカタリーナさんがやって来た。

 婚約はまだしていないが、仲良しっぷりを見せつけられているようだ。


「お待たせしました。あら、丁度良かったですわ。

 殿下、こちらが邪神エリサレスを退治した大魔法使いエリカ様で、それから事情で女性になってしまったマヤ様です……」


 カタリーナさんがアウグスト王子に、私たちを紹介してくれた。

 エリカさんを紹介する時は意気揚々だったのに、私を紹介する時は何故か残念そうに言う。


「殿下、初めまして。エリカ・ロハスです」


 エリカさんは膝を折るだけのカーテシーで挨拶をする。

 これだけでもスリットから覗く太股がセクシーなのに、このドレスでスカートの裾を上げたら大変なことになるからな。


「あの…… 殿下…… マヤです。こんな姿で恐縮です」


「マヤ殿!? カタリーナから話は聞きましたが…… うーん……」


 アウグスト王子は私が女になったことを信じていない、難しい顔をしていた。

 それならば!


「殿下、失礼します。ゴニョゴニョゴニョ……」


「なっ!? それなら確かにあなたはマヤ殿です! 顔も似てる!

 うーむ、魔族の魔法は私の想像を超えていますね……」


 私は王子に耳打ちをして、カタリーナさんを紹介して欲しいと王子がお願いをしてきた時のことを一字一句思い出して話した。

 王子と私だけの話といえばこれくらいしか無かった。


「というわけで、エリカさんに新しい魔法を作ってもらうまでしばらくこの姿でいます。あははは……」


「けっこうけっこう! 美しい女性の姿は歓迎ですよ!」


 王子は私と握手しながらぶんぶん振っている。

 後ろでカタリーナさんが少々不満げな表情をしているが、私に妬かれてもな。


「それと…… エリカ殿! お会いできて光栄です!

 命を賭けてこの国を守って下さった!

 私はあなたにどんな報いを良いのでしょう!?」


 王子は今度、エリカさんに固く握手をしている。

 エリサレスについてはエリカさんの功績が大きいことが私はわかっているから、妬む気持ちは全く無い。


「いいえ、殿下。私自身は特に欲しい物がございません。

 いつまでもマヤ君と一緒にいられるなら……

 ですから何かあればマヤ君のことを助けてあげて下さい」


「わかりました! 陛下と私が出来る限り力になりましょう!」


 アウグスト王子との話は一先ず終わり、席に着いた。

 そのタイミングでマルティン王子が来る。


「母上から聞いたよ。マヤさん女の子になったんだって?」


 マルティン王子がキョロキョロと私を探すようにテーブルを見渡している。

 相変わらずオタクくさい雰囲気の彼だが、来ていきなりとはそんなに私が気になるのか?


「ああ、殿下。私です」


「わあ! 可愛い! 女になったならヴェロニカやめてボクのお嫁にならない?」


 ゲッ こいつとんでもないことを言う。

 マルティン王子相手にエッチなことなんて無理だってば。

 いやいや、イケメン好青年のアウグスト王子だったところで男相手は無理だ。

 俺の心は男のままなんだぞ。

 しかしマルティン王子は性転換したことを不思議がらず、いきなりお嫁とは。


「あいや…… 男に戻るつもりなので…… ごめんなさい」


「そっかあ、残念だなあ。()()()()()()()()()とか()()()()()()()()()()()()のコスプレには興味ないかい?」


「そ、それは遠慮しておきます」


「うーん、気が変わったら声を掛けてね。ムフフ」


 それを聞いてみんながちょっと引いている気がするが、王族相手なので顔には露骨に出さないでおいているような。

 リタちゃんやブレザールビーは今イスパルで流行の女児向け絵本で、リーナの部屋の本棚にもあったから知っている。

 いくらマルティン王子がオタクくさいとはいえ、そっちのほうだとは思わなかった。

 今仲良くなったら着せ替え人形にされそうだ。こいつヤベえ!

 彼のそういう妄想癖は私よりすごいかも知れない。

 でも…… ブレザールビーのコスチュームは着てみたいかも。

 ああ言うからには持っているのか…… うへえ


「お待たせしました。みんな集まってるわね。あら……?」


 女王がロシータちゃんを連れてダイニングルームへ入ってきた。

 これでやっと食事が出来るぞ。


「エリカさん、マヤさん、そのドレス素敵ね。よく似合ってるわ」


「「ありがとうございます」」


「さあ、食事をしましょう。アイミちゃんったら待ちきれないようね。うふふ」


『おう、ずっと我慢して待っておったぞ。早くお祈りをしろ』


「こらアイミ、とても失礼だぞ」


「いいのよ。じゃあ早速お祈りしましょう。

 愛と慈母の女神サリよ。

 あなたの慈しみに感謝してこの食事を頂きます。

 ここに用意された食事を祝福し、私たちの心と体を支える糧に。

 ダノス・アモール……」


 女王が代表してお祈りの言葉を捧げ、皆が手を組んで祈る。

 魔族の二人やマルヤッタさんは信仰していないけれど、皆に合わせていた。

 最後のアモールはあの魔女と関係なく、ダノスアモールは私たちに愛を下さいという意味だ。


 こうしてサリ様の名で拝しているけれど、今頃何やってるのかな。

 私としばらく連絡が取れない状態だが、アイミが言うには本当に暇が無いらしくヒュスミネルの件でなんか怒ってるらしい。なんで?


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