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第三百三話 女王との謁見 其の二

 私たち一行はイスパル王国の首都であるマドリガルタの王宮に到着。

 早速、応接室でマルティナ女王と謁見を行っていた。

 続けてパティが女王にいろいろ説明をしている。


「で、そちらの初めて見る方々は魔族とお見受けしますが……」


「はい。オーガ族のオフェリア、三眼族のマイ、それから魔族ではなくエルフェディア国から旅をしているところをたまたま出会ったエルフ族のマルヤッタです。

 それでエリカ様、通訳の魔法を陛下の他に王宮の皆さんへも掛けて頂けますか?」


「わかったわ」


 エリカさんは右手を女王やロシータちゃん、他フローラちゃんたち数人の給仕係にも手をかざし通訳の魔法を掛けた。


「終わりました。これでしばらくはアスモディア語が理解出来るようになります」


「まあ。エリカさんは凄い魔法が使えるのね」


「それでは皆さん。陛下に簡単な自己紹介をお願いします」


 オフェリア、マイ、マルヤッタさんの順で、それぞれ自分の言葉で自己紹介を(おこな)った。

 オフェリアは緊張しており最低限の自己紹介。

 マイは警察官らしくキリッとした自己紹介。

 マルヤッタさんは自己紹介の他に料理と魔法を学びにこの国へ来たこと、アモールの館で食べたビビアナとジュリアさんの料理について感激した感想など長々と述べていた。

 エルフ族の村の様子まで話していたので、適当なところで止めてもらう。


『あいや、失礼しました。エルフ族のことをよくご存じでない方が多そうなので、つい話が長くなってしまいました』


「あ、ありがとうございますマルヤッタさん……

 エルフ族の方がこの国へいらっしゃるのは恐らく建国以来初めてかと思います。

 我が国で学んだことを上手く活用出来るようになれたら良いですね」


 女王は半分苦笑いで無難に応えた。

 マルヤッタさんは人間の国へ来たことが余程嬉しかったのか、やる気満々である。

 慣れたら屋敷で食べてる家庭料理ばかりでなく、どこか料理店で修行できるお膳立てが必要かも知れないな。


「では本題に入りましょうか。

 マヤさん、実は渡航期間がもっと延びるものだと想定していましたが、本当に一ヶ月で帰って来られたなんてびっくりしています。

 飛行機は特に故障などありませんでしたか?」


「はい。往復とも、それからアスモディア国内でも飛行しましたが特に問題ありませんでした。

 マカレーナへ帰ったら工場で点検をしてもらうので、詳細はその後になりますが」


「わかりました。今後の飛行機の運用ですが、国内の各領地への訪問を計画しています。

 まずはあなたたちがいるゼビリャ、それから隣のエンデールシアです。

 マヤさんにはガルシア侯とグアハルド侯にそれを伝えて、彼らに予定を近日中に調整してもらいたいのです。

 これが通知書ですから二人に渡して下さい」


 ロシータちゃんが用意していた二通の封書を受け取った。

 ガルシア侯爵へはすぐに渡せるが、エンデールシアへはマカレーナへ帰り次第に出掛ける準備をしなければいけないな。

 前にグアハルド侯爵からプライベートビーチへ招待されたのだが、それがようやく叶うのだ!(第四十四話参照)

 みんなやグアハルド侯爵の奥方たちの水着姿が見られるぅぅ! むふふっ


「もう一つあります。

 我が国は東の国ヒノモトと国交がありませんが、民間では物資の輸出入が少なからずあります。

 マヤさんが持っている刀もそうですね」


「はい」


「将来的にもっと輸出入を増やし交流を深めたいと、正式に国交を樹立したいと考えています。

 マヤさんたちがアスモディアへ発った後に、ヒノモトの国王へ親書を出しました。

 もう着いている頃でしょうからこちらに返事が着き次第、私の名代としてヴェロニカに行ってもらうつもりです。

 そのことをヴェロニカに伝えることと、あなたに護衛をお願いしたいのです」


「ヒノモトですか。私もいつか行ってみたいと思ってました」


「ヒノモトの国王は剣術による武闘派と聞いてます。

 ヴェロニカならば適任でしょう」


「確かにそうですね」


「あと何名か一緒に付けて欲しいのですが、敵と戦うようなことは無いと思いますので人選はあなたに任せますね」


「承知しました」


 謁見はこれで終了した。

 ヒノモトへも行けることになれば、折れた八重桜を修復してもらえるかも知れない。

 短期間であればヒノモトで修行したことがあるローサさんにも付いてきてもらおうか。

 出掛けるのは早くても一ヶ月以上先になるだろうけれど、アスモディアではダラダラと時間を潰していたから忙しさに私の頭が追いつくだろうか。

 エリカさんに性転換魔法を作り直してもらうためには、セレスへ行ってセシリアさんに会わなければいけない。

 後でちゃんと整理して計画を立てよう。


「夕食は皆さんと一緒にしたいわ。

 マルヤッタさん、王宮の食事を楽しみにしてて下さいね」


『わあ! ありがとうございます!』


 女王の言葉を聞いて、マルヤッタさんは両手の(こぶし)を握りしめ大喜びをしていた。

 急に来たのに、楽しみにさせられるほど料理が作れるの王宮の料理人は大したものだ。


「お部屋も準備させるけれど、部屋が足りないそうだから二人ずつ入ってね。それでは後ほど」


 フローラちゃんだけを残して女王とロシータちゃん、他のメイドたちは退出して行った。

 部屋割りを考えなければいけないな。


---


 部屋割りは、パティはカタリーナさんが元々使っている部屋へ。

 あとは私とエリカさん、ビビアナとジュリアさん、オフェリアとマイ、マルヤッタさんとアイミとなった。

 基本的に仲良し同士になったが、マルヤッタさんとアイミは余った者同士で組んでしまう。

 体育やいろんな授業の時に二人で組むときはそういうことがあったよなあ。

 私も友達が少なかったからその経験がある。

 だがアイミのほうが何故かマルヤッタさんに興味があるようで、アイミはニヤニヤとしながら彼女に付いていった。

 魔法が使える者同士で何か共通点があるのだろうか。


 私はエリカさんと同じ部屋で。

 どういうわけかいつもの女王の寝室に近い部屋は用意されなかった。

 カタリーナさんとパティの部屋は別の棟で、他のみんなとは隣同士だ。


「ふわー 疲れたあ」


「そうね……」


「俺、先にお風呂へ入って良いかな?」


「どうぞ」


 あのエリカさんがお風呂というセクシーワードに反応せず、素っ気ない。

 やはりホルモン分泌の異常で感情が抑えられているせいか。

 それならここで上着を脱いじゃおう。

 エリカさんはベッドに座り、私はエリカさんを背にして女神ジャケットとカーゴパンツを脱ぐ。


 脱ぎ脱ぎ…… バサッ バサッ


「ふー ゆうべはお風呂に入れなかったからちょっと(にお)うかな」


 下着のシャツとディアボリの店で買ってきた白いぱんつの姿になり、シャツの首をひっぱってくんくん嗅いでみた。

 人間の汗臭いとは違う、やっぱりいちごミルクの匂いがする。


「――」


 彼女は無言でじっと私を見ている。

 ということは興味はあるんだな。

 前のエリカさんならば、ここで飛びついてクンカクンカスーハースーハーしているに違いない。

 さて、シャツと下着も脱いじゃおう。


 脱ぎ脱ぎ…… ファサッ


 シャツを脱いで白ブラと白ぱんつだけになった。

 後ろにいるエリカさんをチラ見すると……


「――」


 こっちを見てるのに無反応か。

 いや、なんかプルプル震えているように見える。

 こいつはもしかすると、エリカさんのホルモン分泌異常が治るきっかけになるかも知れない。

 ブラも脱いじゃおう。

 後ろのホックを外すのも苦手なんだよなあ。

 明日アリアドナサルダへ寄ったらフロントホックのブラを手に入れようか。


 脱ぎ脱ぎ…… ポトッ

 みんなだらしなく床に脱ぎ捨てている。


「エリカさんどう? 俺のおっぱいもなかなかなもんでしょ?」


「あ、ああ……」


 私は両手で自分の胸をたぷたぷさせながらエリカさんに見せつける。

 おおっ ガン見してるぞ。

 エリカさんほど露骨に女の子が好きな女性はそういない。

 さて、最後の一枚を……


 脱ぎ脱ぎ…… スルスル…… ふわっ

 ぱんつを脱いで全裸になったが、さすがにエリカさんを正面にするのは恥ずかしかったので横向きで。

 で、エリカさんは…… あれ? 固まってる。

 私の裸を持ってしても無反応か。

 仕方ない。このままお風呂へ入るか……


 ブバッッ


「ええっ!? エリカさん鼻血がっ!!」


「マ、マヤ君…… ハァ…… ハァ…… ハァ……」


 エリカさんの鼻から鼻血が噴き出し、ボタボタと落ちてる。

 彼女はそれを拭こうともせず立ち上がり、今にも私に飛びかかろうという体勢だ。


「マ゛ヤ゛ぐうううーん!! い゛だだぎま゛ああーす!」


「おわぁぁぁ!!」


 エリカさんの様子が急変し、私に飛びかかり抱きつき押し倒される。

 私の胸に顔をスリスリするものだから、鼻血で私も血まみれになってしまった。


「クンカクンカスーハースーハー…… はあああマヤ君いいニオイいぃぃぃ!」


「およよよよよよよ!!」


「あああたまらない! 洗ってない芳醇な香りクンカクンカ!」


「ちょっと待ってってばああっ!」


「クンクンクン でもこの香り、前にどこかで嗅いだ気がする」


 エリカさんは鼻血をまき散らしながら私の匂いを嗅ぐものだから、エリカさんの顔と私の胸とお腹、脇の下まで血がたくさん付着し、まるで事件現場のようになってしまう。

 エリカさんの感情が元に戻ったというより、もっと酷くなったような……

 と思いつつ、私は床に寝転んだままエリカさんに好きなようにさせていた。



(モニカ視点)


 フローラからマヤ様とエリカ様が帰って来たと聞いて、給仕長に私がお世話をすると願い出たらOKが出た。

 エリカ様が生き返ったんだよ! すごい!

 マヤ様が女に変わっただなんて全く意味がわからないけれど、大好きなエリカ様と感動の再会が出来るからすごくドキドキしてる。

 ペンダントの中に入っているときにお話はしたけれど、やっぱり姿が見えたほうが良いに決まってる!

 エリカ様にいっぱい抱きしめてもらって、私絶対泣いちゃうよね。


 この部屋がマヤ様とエリカ様の部屋か……

 ああ…… すごく緊張するぅ!


 コンコン……

 返事が無い。でもエリカ様の声がする!

 よし、入っちゃえ。


「失礼しまあす……」


 私はゆっくりドアを開けて部屋へ入った。

 えっ? はっ?


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「あっ やあモニカちゃん。これはだねえ」


「クンカクンカスーハースーハー! ああああ最高!!」


 裸の女の人の胸が血まみれ!?

 エリカ様がその女の人に覆い被さって下腹部の匂いを嗅いでる!?

 ええっ この女の人、マヤ様に似てるけれどもしやもしや!?


「ちょっとエリカさんもういいでしょ。モニカちゃんが来ちゃったよ」


「あううううっ」


 女の人がエリカ様を力強く引き離し、立ち上がった。

 げっ エリカ様の顔が血だらけ!?

 これは鼻血か! 何があったのお!?



(マヤ視点)


 まさかこのタイミングでモニカちゃんが入ってくるとは。

 いや、この状況だとむしろモニカちゃんで良かったよ。

 他の給仕係だったら絶対に事件か変態扱いされて兵を呼ばれてしまうかも知れない。


「モニカちゃんわかる? マヤだよ。こんなになっちゃったけれど」


「あああううそのしゃべり方はやっぱりマヤ様なの?顔の面影があるし……」


「そうだよ。アスモディアでいろいろあって魔法で女になったけれど、元に戻らなくなってね。

 エリカさんに元に戻す魔法を新しく作ってもらうんだよ」


「ああもう訳がわからないけれど、マヤ様ってことでいいんですよね。で……」


「――モニカちゃん、ご無沙汰ね。あははは」


 正気に戻ったエリカさんが床に座ったままモニカちゃんに軽く手を振ってる。

 顔は鼻血まみれてみっともない。

 モニカちゃんは状況の飲み込みが早くて助かった。

 そういう所が優秀な王宮の給仕係故なのか。


「あーんもう! 感動の再会をしようと思っていたのに、台無しじゃないですかあ!」


「ごめんごめん。マヤ君の裸に興奮しちゃってっさあ。つい……」


「じゃあ俺はお風呂に入ってくるからね」


 私はスタスタとお風呂場へ向かう。

 鼻血まみれを洗い流さなければ。


「エリカ様も入ったらどうですか? 顔の鼻血を拭かなきゃ」


「そうね。だったら三人で入ろうよ。むひひひひ」


「わあ! そうしましょう!」


 エリカさんとモニカちゃんもババッと服を脱いで、三人でシャワーを浴びることになった。

 エリカさんは十八歳に若返り、肌の張りが格段に良くなってる!

 モニカちゃんは元々若いから艶々肌なのは当然!


「あれえ? エリカ様って若返ってませんか?」


「ふふふ…… これが魔族の力だよ。十八歳の身体があと何十年かもしかしたら何百年続くのかな」


「えええっ? いいなあ! わたしもそうなりたい!

 それでずっとエリカ様と一緒にいたい!」


「うーん、難しいけれど出来たら良いね」


 エリカさんは適当にはぐらかしたけれど、遺伝子だけ採取して将来魂を抜き取ることが出来れば実現するかも知れない。

 それはさておき、三人で抱き合っておっぱいぷるぷるスリスリプレイは最高に気持ちよかった……


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