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第二十九話 ビビアナがつまみ食いしたら/Wぱ◯ぱ◯

2023.12.20 軽微な修正を行いました。

 ローサさんと刀を買いに行ったその日の夕食は、ビビアナに渡した大猪の魔物の肉料理が出され、豚肉の角煮っぽいものだった。


「おお、猪の魔物の肉か。私も若いときに外国で食べたことがあってね。

 とてもうまかったよ」


「へぇー 侯爵閣下も召し上がったことがあったんですか」


「精力が付きすぎて困るくらいだったよ。はっはっは」


「しかしこの国では今まであまり出てこなかった魔物ですよね?」


「うむ、確かに初めてかも知れない。一応、王都と近隣の街には通達しておいたけれどね。」


 精力がついたって、やはりそういうものか。

 魔物の角煮を食べてみると、口の中でホロッと溶けるような食感でとても美味い!

 さすがビビアナの調理能力だ。他のみんなにも好評だった。

 しかし持ち帰った肉の量の割に使われている肉が少ないのは何故だろう。

 まだ残しているのか、(まかな)い料理で使ったのかな。


 夕食が終わってビビアナと話してみた。


「うんうん、あれはとても美味かったニャ? 会心の出来だったニャ。」


「まだ肉は残ってるのかい?」


「全部使ってしまったニャ。

 あ…… 実はあまりに美味くてニャー

 ()()()がつまみ食いしていたら調子に乗って食べてたらどんどん減ってしまったニャ」


「え? あれ全部食べちゃったの?」


「すまんニャー」


 ビビアナはてへペロをしている。まあいいけれど……

 でも明日になったらビビアナはきっと大変なことになるぞ。


「明日、もし変わったことがあったら俺に言うんだよ」


「ん? わかったニャ」


 食卓に上がった分は少量だから身体にはあまり影響が無いだろうけれど、ビビアナが食べた量はまずいだろう。

 心配になってきた。


---


 また夜も明けぬ時、私の部屋のドアからノックの音と声がするので目が覚めた。

ドアを開けるとビビアナがいた。苦しそうな顔で火照っている。


「はぁ はぁ はぁ マヤさん…… 

 暑いニャ…… はぁ はぁ はぁ」


「ビビアナ! どうしたんだ!?

 取りあえずベッドで横になろう」


 額に手を当ててみるが、熱は無いようだ。脈をみたら心拍数は高い。

 汗は吹き出るように出ている。

 うーん、たぶん魔物の肉のせいだと思うが、それにしてもこれは……

 そうだ、エリカさんに聞いてみるか。


 エリカさんの部屋に行ってみて、ノックしてみたら開いていたので勝手に入った。


「エーリーカーさーん! ちょっと起きてくださいよ」


 彼女を揺さぶってみる。

 身体と一緒におっぱいもゆさゆさ揺れる。


「う、う~ん…… なに? 夜這いに来たんなら遅すぎるよぉ」


「ビビアナが大変なことになってるんですよ。ちょっと見てもらえますか?」


「あー うーん…… わかったわ」


 私の部屋へ、エリカさんを手で繋いでひっぱって連れてきた。


「うーん……

 私も魔物の肉を食べた次の日は下腹部がムズムズしてきてね。

 それで晩は我慢できなくてマヤ君といいことをしちゃったんだけれど、これはまるで強力な媚薬か、魅了魔法の派生である【エクスタシー】の効果に似ているね。

 魔族のインキュバスやサキュバスが使う魔法なんだ」


「び、媚薬って。治す方法ってあるんですか?」


「魔法だったら解除はなんとかなりそうだけれど、原因が魔物の肉だからねえ……」


「肉もたくさん食べてしまったらしいんです」


「それもあるかもしれないけれど、こうなると耳族の体質もあるんだろう。

 猪の魔物の肉は、耳族にとってはある意味毒だったんだよ」


「それは悪いことしたなあ」


「このまま放っておくしかないんだろうけれど……

 ちょっとこの子ズボンがぐっしょりじゃない。風邪引くわ」


 エリカさんはビビアナのショートパンツを脱がせた。ピンクの可愛いぱんつが現れた。

 もちろんぱんつもぐっしょりだった。


「あぁ…… これは汗じゃなくて女の子のアレね。

 マヤ君、ぱんつも上着も全部脱がして拭いてあげなさい。

 前に裸見せてやるニャって言っていたから問題無いでしょ」


「ええっ? う、うーん……」


 女の子のアレって、エリカさん自身でもアレまみれになったことがあるのを暴露してるんだが。


「じゃあ私は部屋へ帰って寝るわね。なんだったらこのまま女にしてあげなよ。

 この子まだなんでしょ。一回じゃ終わりそうに無いね。

 あ、避妊の魔法をかけておくね。数日はもつから。うひひ」


 エリカさんはビビアナの下腹部に手を当てて魔法を掛け、部屋を出た。


 そう言われてもなあ……

 まず布で拭いておかないとね。


「はぁ はぁ マヤさん……」


「ちょっと待ってなよ」


 シャツを脱がせて…… ぱんつも……

 ビビアナは私のベッドの上で一糸まとわぬ姿になった。

 私はタオル代わりの布で丁寧に汗を拭き取った。


「マヤさん…… いいよ……

 あてし、もう我慢できないから……」


 私はそれを聞いた途端、ぷつんと欲望のたかが外れた。

 そっと口づけをしてそのまま下へ唇を這わせて……


---


 朝になった。あれからビビアナは八回も天へ昇り、そのまま私のベッドでスヤスヤと気持ちよく寝ている。

 朝チュンそのものだ。

 ああ、本当に小鳥が外でチュンチュン鳴いている。


 朝食準備中のマルシアさんへ、ビビアナはちょっと調子が悪いからお昼まで寝かせてやって欲しいと伝えておいた。

 私も眠いし疲れたので、スサナさんとエルミラさんは不思議な顔をしていたが、朝のトレーニングは休むことにする。


 朝食の時に、エリカさんが冷やかしに来た。


「おやおやあ? その顔は一体何回だったのかなぁ?」


「さあね。エリカさんの時と大して変わらなかったですよ」


 エリカさんは顔を真っ赤にしてぐぬぬと黙ってしまった。

 私は部屋に帰り、ビビアナの横でもう少し一眠りする。


 目が覚めると、ビビアナが裸で私の唇や顔の周りをペロペロしていた。

 本当にペットの猫のようだな。


「マヤさん、おはようニャ」


「ああ、おはよう。あの肉は耳族に合わなかったようだね。悪いことしたね」


「いいニャ。これでマヤさんと結ばれたから嬉しいニャ。

 気持ち良すぎてびっくりしたニャ」

 

 私はビビアナを抱きしめて、頭を撫でた。


「愛してるニャ…… いつも一緒にいて欲しいニャ……」


 猫が顔をスリスリするように、ビビアナも私の顔をスリスリする。

 エリカさんのスリスリと違っていやらしい感じではない。


「トイレと魔物がいるときは離れていてほしいな」


「わかってるニャ。時々部屋に来てもいいかニャ?」


「ああ、いいよ。

 出掛けてるとき以外は庭かエリカの部屋で勉強してると思うけれど」


 エリカさんとまったりするときは向こうの部屋だし勉強が終わった夕方が多いから鉢合わせになることはないだろうけれど、一日に二度ということがあり得るのか。


「あてし知ってるニャ。

 たまたま地下のほうへ行ったら、エリカのあの声がデカいから。

 マヤさんの気持ちもあるからそれは仕方ないと思ってるニャ。

 でもこれからは平等にあてしも愛して欲しいニャ」


 うぐっ 特別隠していたわけではないが、まさか知っていたとはなあ。

 たしかにエリカさんの声はデカい。


「わかった。問題無いよ」


 ビビアナは返事をキスでしてくれた。

 もっとゆっくりしていたいが、もう昼食の時間だ。

 ビビアナが着る物はとりあえず乾いているから自分の部屋で別の物に着替えるだろう。


---


 昼食を食べ終わり、午後はエリカさんといつもの魔法の勉強だ。

 天気が良くないので地下のエリカさんの部屋まで彼女と屋敷の中を歩いていて、腕を組んで胸を私の腕に押しつけていつものようにからかってくる。

 それをアマリアさんに見られてしまう。


「ちょっとエリカさん。いつもマヤ様にくっ付き過ぎじゃありませんこと?

 マヤ様はうちの娘と結婚するんです。離れなさい!」


「そんなこと決まってないじゃない。

 生徒を可愛がるくらいいいじゃないか。

 あ、もしかして娘をだしにてマヤ君と仲良くしたいんじゃないかなあ。ぷぷぷ」


「なんですってぇ!?」


 あーぁ、アマリアさんがブチ切れちゃった。これ図星なの?

 左腕がエリカさん、右腕がアマリアさんに捕まり、両腕におっぱいが押しつけられる。

 二人ともとても大きいからふにょふにょ気持ちいい。

 さらに睨み合いになって体勢が崩れ、私の顔は四つの柔らかいものに挟まれる。

 【W◯ふ◯ふ】の状態になった。


「「ぐぬぬぬぬぬぬぬっ!」」


「むっひょっはっほふふっ」


 あまりの気持ちよさと息苦しさに私は言葉にならない声が出る。

 二人の睨み合いはエスカレートし、何か顔がピリピリしてきた。


 ビリビリビリッ パアァァァン!!


 二人から無意識に電撃魔法が発動し、私は感電して倒れてしまった。

 そうだ、二人とも風魔法が使えるんだった。

 学生時代は二人で競り合っていたというが、当時が手に取るように想像できるよ。

 不思議なことに、電撃魔法をかけている本人は中和できるらしい。


「あぁぁぁ、ごめんなさい!

 マヤさまっ しっかりしてくださいまし! ぁぁぁ……」


「おおい! マヤ君! マヤ君! おおおおい!!」


 そんなこんなで時々騒ぎがあるが、平和で楽しい日常である。


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