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第二百七十二話 マイと一緒に◯◯

 オーガ女子二人とやっている朝のトレーニングに、遊びに来た三眼族マイが参戦。

 彼女はなんとカンフーとムエタイによく似た格闘術を使い、しかも常軌を逸脱した速い動きで私と相対している。

 彼女の動きにつられて、私の動きも速くなる。

 これは痛い思いをして受けた大帝の術による効果なのだろうか。


『ふふ…… マヤ、もっと本気を出していいんだよ。

 大技を出してごらん。受け止めてあげるから』


 バシッバシッバシッ ダダダダダダ


「余裕だね。それじゃあ遠慮無く……」


 私の言葉で双方とも一旦攻撃の手を止め、後ろへ飛んで距離を取った。

 マイの後ろには建物が無い。

 よしっ 気功波だ。

 マイと私自身の力がどれ程のものかも知りたい。


「ハァァァァァァァァァ!!」


『スヴェトラ、マヤさんヤバいよ。

 あんな力で放つ気功波を食らったら、私は受け止められない……』


『あ、ああ……』


 腰を落とし、両手拳を構えて右腕に力を集中させる。

 やはりいつもより力の入り方が早くてみなぎっている。

 フルパワーでやると力のコントロールが出来なくなりそうだし、マイに怪我をさせてはいけない。

 オフェリアに気功波を当てたときの一.二倍くらいでやってみようか。

 既にマイは両手の平を広げ、受け止める構えになっている。


「いくぞぉぉぉぉぉぉ!! ふぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


『来ぉぉぉぉぉぉいっ!!』


 ドムッ バゴォォォォォォォォォォォォ!!!!


 私の右手の平から出た白い気の塊が、マイに向かって直撃する。

 何かに驚いているようだが、避けないで本当にまともに受けるつもりか!?


『ナニあれ!? 女の子が見えるう!?』


「マイ! 避けろおおおおおお!!」


 そう叫んでもマイは動かなかった。

 あれを受ける自信があるのか?


『ぬううううくくくく……』


 ドカアアアアアアン!! シュウゥゥゥゥゥゥ……


「受け止めた!! いや、吸収してる!?」


『ふぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』


 マイは気功波のエネルギーを手の平で吸収してるのか?

 白い塊が小さくなっていく。

 それでもエネルギーがバチバチと手の平で(くすぶ)って、吸収しきれないようだ。


『んぐうぅぅぅぅぅ…… でやああああ!!』


 何!? マイは腕を上げ、(くすぶ)っているエネルギーを上へ押し上げた!

 エネルギーは花火のようにヒュルルルと空高く上がり、すぐに見えなくなった。


『あ…… あああ…… スヴェトラ!

 あの子、マヤさんのスーパー気功波が効かなかったよ!』


三眼族(さんがんぞく)って想像以上にとんでもないやつらだったんだな……』


 何てやつだ……

 その彼女でも流石(さすが)にヘトヘトになっているかと思ったら、案外ケロッとしている。

 両手を腰に当てるポーズで笑っていた。


『ハッハッハッ。いやあ、思った以上の威力だったよ。

 でもまだ本気じゃなかったよね?』


「こっちにも事情があってね。フルパワーは無理だった。

 それでマイ。君は私の気を吸収しているように見えたけれど、そうなの?」


『ご名答。マヤの気を吸収している時、とても澄んでて滑らかな感じだったよ。

 今は力が満ちて(あふ)れんばかり。すごいよ!

 それよりさあ。技を打ってる時、マヤの後ろに白い服を来た女の子が出てきたんだけれど、アレ何?』


 オフェリアたちとトレーニングで気功波を発した時もそうだったけれど、やっぱり気が具現化してサリ様の形になるんだ。

 アレ扱いされているが、サリ様だと言ったら驚くかな。


「話すと長いんだけれど、アスモディアの伝説にもあるサリ様だよ」


『ええ!? サリって、(じい)じから聞いたことがあるけれど何でマヤと関係あるの!?』


「私は別の世界で五十歳の人間の男として生きていて、事故で死んだんだよ。

 それで天界でサリ様に会って、魔物が発生している原因を探れと言われてこの世界に降りてきたんだ」


『何だかわけわかんないけれど、あんたがとんでもないやつだとわかったよ。

 アレがサリねえ。もっとババアかと思ってた』


 サリ様が聞いたら怒るだろうなあ。

 まさかこれを天界から覗いていないだろうね?

 このところご無沙汰なんだけれど。


『さてっ オーガのお姉さんたちともやってみたいな』


『あっ いやあ…… 私は……』


『いいじゃんオフェリア。やりなよ!』


 遠慮したいオフェリアの肩をスヴェトラさんがドンと押し、彼女は渋々とマイの前へ行く。

 全く相手にならないとは思えないが、健闘して欲しい。


『あ、あのお…… お手柔らかに……』


『うん! ガンガンいっちゃうよ!』


『ひぇぇぇぇ』


 オフェリア対マイの戦い。

 結果はマイが勝ったが、オフェリアは体格を活かした重い攻撃でキックがたまたまなのかヒットし、マイは吹っ飛んでしまった。

 だがそれからが早くて、マイの高速回し蹴りで一発KOされてしまった。


 スヴェトラさん対マイは、マイが辛勝(しんしょう)

 スヴェトラさんが初っぱなから小さな気功波の連弾攻撃してマイは打ちのめされたと思いきや、全くの無傷だった。

 服まで汚れていないなんてどれだけの防御能力なのだろうか。

 パンチとキックのやり合いがしばらく続くが、マイのあまりに速い攻撃が長引いて流石(さすが)のスヴェトラさんでも持たず、マイのノーマルパンチでスヴェトラさんが倒れて終了。


『いやー、流石(さすが)アモール様のところのオーガ族は精鋭だね。

 うちの部下のオーガはまだまだだよ』


『はぁ…… はぁ…… はぁ…… そりゃどうも』


 スヴェトラさんは立ち上がるが、息を切らしながら手を膝で支えて(かが)んでいる。

 あのスレンダーな身体でオーガ以上の体力なのは驚きだ。

 しかも大技は出していないから辛勝(しんしょう)とは言えないかも知れない。


『まだやる?』


『い…… いえ。結構です……』


 オフェリアはもう勘弁してくれという(つら)い顔をしていた。

 スヴェトラさんもやる気無さそう。


「じゃあ今日はトレーニング終了にしようか」


『私もこんなに動いたのは久しぶりだったからいっぱい汗掻いちゃった。

 シャワーを貸してくれるかな?』


「それはいいけれど、私が借りてる部屋のシャワーを使ってもらおうかな」


『へー、すごい! 個室にもシャワーがついてるなんて豪華!』


 そういうことでマイが急遽参加した激しいトレーニングが終わり、皆で館へ向かう。

 そこでマイが目に付いたものが……


『あれは何!? 見たことも無い大きな魚の形をしてる!』


「そうそう。あれが前に言った、空を飛ぶ飛行機って乗り物だよ」


『わあああ! これがそうなんだあ!』


 マイは一目散に飛行機が置いてある庭の隅へ走り出し、まるで子供のように飛行機の周りをバタバタと動きながら見ていた。

 あれが魚に見えるのか…… 確かに見えなくも無い。

 三百歳を越えているのに未知の物に対しては好奇心旺盛のようだ。


「おーい! 後でいくらでも見られるから、早くシャワーを浴びようよ!」


『あっ! ごめーん! 今行くから!』


 オフェリアとスヴェトラさんはもう館に帰ってしまい、マイは私がいる玄関前まで駆けてきた。

 玄関ホールに入ると、アモールが腕組みをして立っていた。

 なんか暇そうだな。


『いつもよりすごい波動を感じたから、中から見てたの。

 そう、あなたが三眼族(さんがんぞく)()ね』


「マイ、アモール様だよ」


『あっ は、初めまして!

 ディアボリ中央警察署の刑事部捜査第一課のマイ・ガオシャンと申します!』


 マイはアモールに向かってビシッと敬礼した。

 捜査第一課って日本の警察かよ、ガオシャンって中国語で漢字にすると高山だよなと、いろいろツッコミどころがある。

 私から聞いてなかったので、彼女の仕事先とフルネームがこれでわかった。


「これから私の部屋で、彼女もシャワーを浴びてくるので」


『ごゆっくり。終わったらお茶でもしましょう。お話ししたいわ』


『はい! とても光栄です!』


 尊敬しているのかな。

 本性を知ったらとてもがっかりするだろうから、その辺は黙っておこう。

 アモールとの会話はそれだけにして、私たちは部屋へ向かった。


---


『うわあ! すごい綺麗で豪華な部屋!

 三百年以上生きてこんなの初めてだよ!

 アモール様がこの部屋を貸してくれるあんたって、やっぱり特別なんだね!』


 マイは部屋へ入るなり、大きな声を出して感激していた。

 捜査する機会で豪華ホテルの部屋に入る機会なんて無いのかな?

 インキュバスに誘われたあのホテルの部屋は広いけれど品性があるとは思えなかったが。


「いやあ、元々平凡な人間だったから与えられた力で(ほこ)る気がしないよ」


『マヤは(おご)り高ぶらないそういうところが好きだよ。うふふっ』


「ああ…… ありがとう。

 お風呂場はあのドアの奥だから、先に入ってきなよ

 代わりの服と下着は用意しておくから」


 早速マイにシャワーを勧める。

 ブラは無いけれど、エリカさんのために持って来た未使用のTバックを履いてもらうか。ぐふふ

 アスモディアにはあまりセクシーなぱんつが無いから驚くだろうな。


『マヤも汗掻いてんだから、一緒に入ろうよ!』


「え!? この前も言ったけれど私、本当は男だしさあ…… 恥ずかしいよ」


『三百十五歳なんだから、今更見ても見られても恥ずかしくないってば。

 ああ、親しい人だけだから勘違いしないでよね』


 マイはそう言うと、シャツとショートパンツを一気に脱いで下着姿になった。

 脱いだシャツをクンカクンカ()いでみたい。しないけれど。

 ああ、下着は上下黒で形は前に私が買った物とよく似ているな。

 すぐにブラとぱんつもスルスルッと脱いであっという間に全裸になってしまった。

 肌の色といい、Cカップくらいのほどほどなおっぱいが日本人に近い。


『何あたしの裸に見惚(みほ)れてんだよ。マヤも早く脱げよ』


「う、うん……」


 マイは笑顔で私を()かす。

 セパレートユニフォームだから肌を晒しているとはいえ、マイは私をじっと見ているので恥ずかしい……

 胸を見つめているようだけれど、気になるのかな。

 私もサッと脱いで全裸になった。

 そういえば女の子同士で裸になるのは初めてだけれど、緊張するな……


『うわああ! おっぱい大きい!』


 マイはそう言った途端、両手で私の胸をぱふぱふと揉んだ。

 うう…… 自分で揉むのと他人に揉まれてるのと感じが違う。


「あいやいやあ! くすぐったい!」


『いひひ。それそれ!』


「うひいぃぃぃ!」


 キリが無いので私はマイの腕を取ってそのまま風呂場へ連れて行った。

 女友達同士のスキンシップってこうなの?


---


 シャワーが済み、風呂場から上がった。

 お互いでお湯を掛け合ったり頭を洗ったり、女の子同士の仲良しっていいもんだな。

 男同士の仲良しでもこんなことって無いよな。

 特にエロい展開は起こらず、綺麗さっぱりになった。

 もし私が男だったらどうするつもりだったんだろう。

 今更見られても恥ずかしくないって言っていたけれど、三百十五歳じゃさすがに未経験じゃないよな。

 そう言えば、マイが結婚してるとか彼氏がいることも知らない。


「ねえ、マイって結婚してるの?

 それとも付き合ってる男っているのかな?」


『うん? ここ百年くらいは男気が無いかなあ。

 結婚は二百五十年前にしていたことがあったけれど、旦那が重い病に掛かって死んじゃったから、一緒だったのはたった三年だなあ。

 ああ、子供はいないよ。

 それから時々男と付き合うことはあったけれど、長続きしなかったね。

 あたしって男運無いのかな』


「ああ、悪いこと聞いちゃったかな」


『遠い昔の話だよ。それよかさ、マヤってどんな顔の男なの?』


「この顔が男になった感じだね。

 こんなに目鼻がはっきりしてるわけじゃないけれど」


『えー、何それ。あっはっはっはっは!』


 そうか。結婚経験はあったのか。

 寿命二千年の内、結婚生活がたった三年だなんて人間の寿命に換算したら二ヶ月足らずじゃないか。

 長い人生の中でそれはとても悲しくて寂しいね。

 いや、魔族だから()()じゃなくて魔生(ませい)というのか?

 意味が違ってきそうだけれど。


『あのさあ、ちょっと寒くなってきたけれど着替えはあるの?』


「ああごめんごめん。今用意するから」


 私が用意したのは、黒いTバックでブラは合うサイズが無い。

 上着はエリカさんの古着である赤紫のシャツと、黒いデニムのミニスカ。

 それをデンとマイに差し出した。


『いいいい!? なんじゃこりゃああ!?

 こんなヒラヒラで、後ろがほとんど紐じゃん!』


 マイはTバックをびろーんと拡げ、目の前に掲げてジロジロと観察している。

 私もリアルでは地球にいた頃に見たことが無くて、エリカさんが履いているのを見て衝撃的だったなあ。

 美しいお尻を()せるには最高のランジェリーだ。


「人間の国の若い女の子はみんなこれ履いてるんだよ」


『そうなのか? 人間って先進的だな……』


 嘘だけどな。

 マイはそう言いつつ、恐る恐るTバックを履いてみた。

 おお、金髪ショートヘアギャルが履くと格好良いな。


『うう…… お尻がムズムズするよ。

 前も頼りない感じ…… 見えちゃいそう』


「そのうち慣れるよ。

 ブラはサイズが無いからごめんね。

 シャツとスカートはこれね」


 私はマイに上着を渡し、彼女が着ている間に私もぱんつとブラを着ける。

 薄いピンクから、次はクリーム色のぱんつとブラだ。

 勝負下着では使わないすごく普通の色だけれど、行きつくところこの色が一番エロいと思う。


『あたし普段スカートを履かないしさ、こんな短いの初めてだよ』


 マイが着替えを終えたが、恥ずかしそうにモジモジしていた。

 裸を見られても恥ずかしくないのに。

 私はエリカさんの白いブラウスを着て、同じく紫のミニスカを履いた。

 これでバッチリ。


「マイが着ていた物は洗濯を頼んでおくから、すぐ乾くと思うよ」


『あ…… ありがとう』


 いやあ、この古着コーデでマイのギャルっぽさが大人びてて良いな。

 私が履いてるエリカさんのミニスカ……

 ちょっと思いついたので姿見の前に行く。

 そしてしゃがんた自分の姿を見た。


「おお、まさしくパンチラだ」


『はぁ…… 何やってんだマヤは』


 ジト目のマイに呆れられてしまった。

 でも紫のスカートの中で浮き出ているクリーム色のぱんつの何という神々しさ。

 やはりぱんつは履かれてこそ命が吹き込まれるのだと改めて確信した。

 ああ、ずっと眺めていたい。

 自分のパンチラで興奮するなんて変態だよな。


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