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第二百四十四話 魔女と召喚契約/オーガのメイド

※今回はセンシティブな内容です。ご注意下さい。


2023.11.8 オーガ娘「オフェリア」の設定を、精悍な感じから童顔に変えました。


 夕食もアモール以下、皆でダイニングルームに集まって食事。

 ビビアナとジュリアさんがタコスの山盛りを振る舞う。

 本当にタコスしか無いのだから極端なんだよな……

 アモールはモソモソと黙って食べることに集中し、アイミは美味い美味い言いながらガツガツと食べ、ビビアナとパティはムシャムシャと口の周りを汚しながら笑顔で楽しそうに食べている。

 ジュリアさんは地味子らしく普通に食べているが、まだ魔族の国に慣れず緊張している様子だ。

 控えているメイドの二人は初めて見る顔だが、背丈が二メートルくらいあり頭に角が二本生えている。

 オーガだろうか。一人は美人で精悍な顔つき。

 もう一人は可愛らしい感じで、二人とも立派なおっぱいだ。

 昼間の三人は耳が尖っていたけれど何の種族かわからない。


 食事が終わるとすることが無いので部屋で籠もることにするが、書斎にあったアスモディアの歴史書を借りて知識を得よう。

 アスモディア語はイスパル語に少しだけ似ているが、ずっと古い言葉だ。

 スペイン語やイタリア語に対してラテン語という関係に似ている。

 おかしいな…… 文字はほぼ同じ形体だけれども読んでみるとまるで思い出すように意味がわかってしまう。

 これもサリ様の力なのだろうか?

 それなら喋る言葉も魔法を使わずに理解が出来ると思うのだが……

 ああ…… 疲れているからあまり考えるのはよそう。


 与えられた部屋は古びているが広く清潔で豪華。

 この部屋も含めて館内は魔力灯がいくつも設置してあり明るい。

 しかもバストイレ完備でしっかりお湯も出る。

 王宮で借りていた部屋以上で、魔力が満ちておりさすが魔族の設備だ。

 それにしても、魔女の館でも何故私の部屋だけみんなの部屋と離れているんだ?

 嫌な予感しかしない……

 ベッドに入って本を読んでいると、ウトウトと眠くなりいつしか眠ってしまった……


---


 何か股間がモニョモニョとする感覚とお腹のあたりに柔らかな圧迫感、それからとても強い魔力を感じて目が覚める。


「◎♂※△>♀@$∞℃≠☆*!?」


『あら…… やっと起きたようね……』


「ぁ ぁぁぁぁぁぁ……」


 私の顔の目前に、下着も何も着けていない白いお尻……

 そして見たこともないくらい綺麗な♀と*が視界にあり、目玉が飛び出しそうなほど釘付けになる。

 お腹にはスライム餅が二つ。

 お尻から地下室へ行ったときのいちごミルクバニラの香りが漂っていた。

 これじゃあペロペロしたくなってしまう。

 そう、私の上に全裸のアモールが乗っていた。

 私の顔にお尻を向け、アモールの顔は私の分身君に……

 私もいつの間にか全裸にされている……


「あの…… アモール様。これは……」


『前にも言ったでしょう? 召喚契約が出来るかも知れないって……

 それの準備をしているのよ……』


「なっ……」


 確かにアモールが初めてマカレーナへ来たときに召喚契約のことを言っていた!

 それでエリカさんに、サキュバス的な意味で取って食われるから絶対にダメって言われてたんだ!(第五十五話参照)


『この部屋に強い魔力結界を張っておいたから、どんなに大きな声を出しても、魔法を使っても外には漏れないわ……

 邪魔なエリカもいなくなった……

 今のあなたであれば、私を十分召喚できる…… ふふふ』


 などと言いながら、アモールは自分の口で分身君を一生懸命可愛がっていた。

 くっ 分身君が爆発しそうでしないギリギリのところで攻めている。

 とんでもないテクニックなのは、七百歳オーバーという年齢なりなのだろうか?

 さっさとエリカさんを復活させようとしたのも私から離すため?


「うぐっ……」


『マヤ…… あなたは書斎や地下室へ着くまでずっと私のお尻を見ていたわね……

 さあ…… 今なら存分に楽しめるわ…… ふっふっふっふっふ……』


「あぎゃあ!」


 気づいていたのか…… 後に目がついているのか?

 それとも私のむっつりオーラを察したのか?

 エリカさんはサキュバス的なと言っていた…… まさか!?


「あ…… アモール様…… あなたの正体は…… サキュバスなんですか? うっ……」


 アモールはそれを聞くと、分身君を人差し指でピンとはねる。


『うっふっふっふ…… 違うわ…… 私は言われているとおり魔女。

 でも遠い昔にサキュバスの血が混じっている……

 よくわかったわね…… あっはっはっはっはっ』


「あ…… ああああ……」


 やっぱりそういうことだったのか!

 アモールの淫靡(いんび)な雰囲気はそこから出ていたのか……

 何もかもお見通しならば、いっそのこと私も楽しませてもらう。


 私が仰向けに寝転んでアモールのお尻が目の前にある体勢のまま、両手で揉んで撫で回し、拡げてくにょくにょしたり、吸い付いて舐め回し、クンカクンカスーハースーハーと匂いを嗅ぐ。

 ぬぅぅ…… 七百歳オーバーでどうしてむちむちぷりんぷりんで良い香りなのだ?

 アモールはそのまま快楽に溺れ、女の喜びを感じていた……


『ふぅ…… いいわ…… そろそろ本番と行きましょう……

 これが済めば私との召喚契約が完了する……

 人間の男を相手にするのは何百年ぶりかしら…… うっふっふっふ』


 アモールは体勢を変え、下半身で分身君をゆっくり包み込んだ。

 そして唾液を飲み込ませてくるねっとりとしたキス……

 ああ…… そうか…… 召喚契約は体液交換が必要だからな……

 私はアモールのぷるんぷるんな胸を激しく揉んで、アモールのほうは下半身の動きが激しくなる。

 も、もう……


『さあ…… 絶頂になる手前で私の額に手を当てて、私の名前の後に召喚契約の詠唱をするのよ……

 我が血を汝に、汝の血を我に。我が友垣、呼ばば定めて来なむと……』


 セルギウスと召喚契約をした時に言った詠唱文を思い出した!

 血じゃないぞ!? おいっ いいのか!?

 アモールは息が上がり、動きはさらに激しくなる。

 ああ…… もうダメだ……

 私はアモールの額に手を当てた。


「アモール…… 我が血を汝に、汝の血を我に。我が友垣、呼ばば定めて来なむ……」


 詠唱したすぐ後、私たちは大きな声をあげて果てた。

 同時に、飛行機で魔力をたくさん使ってしまっていた、その残った魔力の多くがごっそりと召喚契約の儀で持って行かれてしまう。

 だがこの脱力感も含めて今まで最高に気持ちが良かった。

 うう…… こんな時にパティの顔が目に浮かぶ。

 アモールとは身体だけなんだよ……

 いつかパティとは心も身体も最高の時を迎えたい。


『はふ…… 素敵…… ふふふ…… こんなに燃えたのは久しぶりね……

 想像以上に上手くいった……

 これで…… 召喚契約は完了ね……』


「いつ…… 召喚したらいいんですか……?」


『決まっている。エリサレスはまた襲ってくるだろう……

 困ったときには…… 私の名を呼んで召喚するがいい……

 いや…… イスパルへ帰っても私とこうして愛し合いたければ呼びなさい……

 ――必ず呼びなさい。あっはっはっはっは』


「はい……」


 間を置いて言い直しているあたり、後者が本音なのに一瞬遠慮していたのは何故なんだろうか。

 アモールをマカレーナの屋敷にへ召喚してまたあんなことをするのは気が引けるが、ご機嫌取りのためにも呼ばなければいけないだろうか。

 女王の相手もしなければいけないし、性欲が強いオバサンを相手にするのは大変だ……


『あなたとは以前どこかで……

 いいわ。またしましょ…… ふふふ』


 アモールは謎めいたことを言って私に軽くキスをすると、フッと意識が遠くなり朝まで目が覚めることが無かった。

 どうせなら全裸じゃなくて、エッチなぱんつを履いた姿も見たかったな……

 ああ…… お土産のぱんつをまだ渡してない……


---


 翌朝になり、目が覚める。

 ゆうべアモールが最後にキスをした時に、私はベッドの上で全裸になって大の字で寝転んでいたはず。

 なのに今は、ちゃんと布団を被って青いパジャマまで着ていた。

 まさかアモールが着せてくれた?

 思っていた以上に律儀なんだろうか。

 魔力はまだ全回復していない…… 半分くらい?

 本当にすっからかんになるほどではなかったが、あれ以上減っていたら命にかかわりそうだ。


 ああ…… ゆうべはアモールにあれほど絞られたのに、分身君は今朝も元気に起立している。

 こいつを収めるためにも、トイレに行こう。

 部屋にトイレがあると、ホテルみたいで気楽だ。

 トイレのドアを開ける。


「えっ?」


『きゃあああああああああ!!!!』


 バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!


 ドアを開けたらメイド服姿の大きな女の子が便座に座っており、避ける間もなくその子から顔面パンチを食らってしまう。

 私の身体は吹き飛び、壁に叩き付けられて床に落ちた。

 目から星が出た経験はそんなに無いけれど、正にそう見えた。


 数秒だけ床にのびてしまったが、何とか気絶しないで済んだ。

 起き上がると……

 あ…… 鼻血がぽたぽた……

 痛い…… もしかしたら鼻の骨が折れてないか?


『申し訳ございませーーーーん!!』


 大きな女の子はトイレから飛び出し、ジャンピング土下座をしてきた。

 ああ…… もしかして昨日ダイニングルームで見かけたオーガのメイドかな。

 土下座している頭には二本の角が生えている。


『アモール様のお客様に大変なことをしてしまいましたぁぁぁぁ!!

 平に! 平にご容赦ををぉぉぉぉぉぉぉ!!』


 オーガの子は角頭を床に擦りつけている。

 ここまでやられるとあんまりご容赦したくないのだが、話は聞いてやるか。

 その前に…… ミディアムリカバリーで鼻の怪我を治しておく。

 魔法を掛けるとすぐに血は止まったが、顔や床は血で汚れている。

 鏡を見たらさぞ無様な顔になっているだろう。


「ああ、とりあえず頭を上げてくれないか?

 どうしてこの部屋のトイレにいたんだい?」


 オーガの子は顔をゆっくり上げる。

 昨日の食事中はまじまじを顔を見ていなかったのではっきり覚えていなかったが、童顔で可愛らしく身体が大きなスサナさんという印象。

 だが今は半泣きの情けない顔である。


『はい…… 朝のお世話をしようとお邪魔したのですが、急にもよおしてしまって……

 マヤ様はまだおやすみでしたので、済ませてからすぐ後に掃除をしようと……

 申し訳ございませえぇぇぇん!!』


 また土下座して頭を擦りつけている。

 切りが無いな……


「もういいよ。鼻血を拭きたいから濡れた布を用意してくれないか?」


『はい、かしこまりました……』


 オーガの子はトボトボと備え付けのタンスから白い布を取り出し、洗面台で濡らす。

 しかしすごいパワーのパンチだったなあ。

 普通の人間だったら顔面陥没で即死しているかも知れない。

 さすがオーガといったところか。


『そ…… それでは失礼します……』


 オーガの子に濡れ布巾で拭き拭きしてもらう。

 この子の名前は何というのだろう?

 この子っていうには私より随分大柄なのだが。


「君の名は?」


『オフェリアといいます……』


「すごいパンチだったねえ。あんなの大猿の魔物から食らって以来だよ」


『あわわわわわ…… ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!

 でも傷が無い…… どうして……??

 人間はそんなに頑丈だったんですか?』


「ああ、すぐ回復魔法で治したから大丈夫だよ。

 昨日はもう一人、君と同じ子がいたけれど?」


『彼女はスヴェトラといって、私と同じオーガ族の仲間です。

 それにしても、さすがアモール様のお客様です……

 確かに人間でも、大きな魔力をズンズンと感じますね……』


「そうか。しばらくお世話になることになったから、これからよろしく。

 で、オフェリアさん。アモール様には黙っておくから、いきなり殴るんだったらちゃんと鍵を閉めて使ってね。

 私が滞在している時はこのトイレを使っても良いから」


『あああありがとうございます……

 私、男性が少し苦手なものでつい反射的に……

 アモール様に知られたら、たぶん玄関前に裸で吊り下げられて晒されます……』


「あははは…… そうか……」


 すごい罰だな。きっとエリカさんはやられているのかも。

 それからオフェリアさんはトイレを軽く掃除した。

 掃除しなくても良いよと言ったら変態を見る目で見られそうなので、彼女がしたいようにさせておく。


「ところでこのパジャマは君が着せてくれたのかな?」


『え? なんのことでございましょう?

 私はこのお部屋へお邪魔してからすぐにトイレへ入りましたので……

 それに私、男性のお着替えは恥ずかしくて…… ううう……』


 オフェリアは顔を真っ赤にしている。

 今までいろんなメイドさんに服を引っ剥がされたけれど、これが普通の反応だよな。

 もしやこの子が着替えさせてくれたのかと思ったけれど、やっぱりアモールが着せてくれたのだろうか。

 グラヴィティか何かを使えば簡単なことだからな。


「ああいや、いいんだ。こっちのことだよ。着替えは自分で出来るから」


「すみません…… マヤ様はお優しいですね……」


 照れ顔は可愛いな。

 でもそれなら、何をしにこの部屋へ来たんだろう?

 朝食を持ってきてくれた様子ではないし、お風呂で洗ってくれるなんて彼女ならあり得ない。

 うーむ……


---


 ☆アモールの館 オーガ族のメイド

 ◆オフェリア…気弱で男性が苦手。身長二メートル超だが童顔。ショートヘア。

 ◆スヴェトラ…オフェリアの仲間。美人で精悍な感じ。ボブヘア。


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