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第二百二十三話 二人だけのランジェリー

 休みの日、午前は東の街の市場で食材の買い出しとビビアナの実家で昼食をご馳走になった後、高級商店街の広場でパティとカタリーナさんを待っていた。

 クレープを食べながらやってきた二人と合流し、商店街へ向かった。

 ここで集合するのだから察しはしていたけれど、パティは相変わらずショッピングが好きだねえ。


「今日はどこのお店に行くんだい? さっきも行ってきたようだけれど」


「お昼ご飯にバルセリナ地方の料理を食べられるお店に行ってからこの待ち合わせ場所へ向かうときに、たまたまクレープの新しいお店を見つけてしまったのでつい……

 あっ 今日はカタリーナ様がマヤ様にお願いがあるそうですよ」


「ほほぅ。何だろう?」


 バルセリナ地方とは、王都マドリガルタからさらに五百キロ以上東にある大きな街があり、ここの料理はこの国全体の日常的な料理に大きく影響されている。

 海鮮中心の料理がとても美味しいと聞いているがまだ行ったことないので、飛行機が完成したら是非みんなと行ってみたい土地だ。


「あ…… あの…… お恥ずかしいのですが……」


 カタリーナさんは顔を赤くしてもじもじしながら私に何か言おうとしている。

 エレオノールさんがもじもじしならがお願いを言っていたときは空を飛んでみたいからだったけれど、カタリーナさんも空を飛びたいのかな。


「最近大評判のロベルタ・ロサリオのことは存じておりますが、以前パトリシア様からマヤ様がデザインをなさっていると伺いまして、それで今日は(わたくし)に似合う物をマヤ様に見繕って頂きたいと……」


「そういうことでしたか。ならば私にドンとお任せ下さい!

 きっとお似合いの品があると思います!」


「まあ! それではよろしくお願いします!」


「良かったですわね! マヤ様ならきっとカタリーナ様にお似合いの品を探して下さいますわ!」


 恥ずかしがっている女の子に対してこちらがこちらがオドオドしてもいけないから、堂々と応えた。

 しかしカタリーナさんほど美しく妙齢の淑女をサポートするのは緊張してしまう。

 パティはまだ幼さがあるし、ヴェロニカは体育会系だからなあ。


 しかしまたランジェリーネタとは、そろそろ読者は飽きてこないだろうか。

 おっと。私は何を思ってるんだろう。


---


 アリアドナサルダのマカレーナ店。

 店内に入ると早速店長のミランダさんが現れ、ご挨拶。

 こちらへ来るのがあまりにも早かったので、魔力感知でもされているのかと思った。


「あらあらマヤ様、いらっしゃいませ!

 まあ! パトリシア様とカタリーナ様! いつもごひいきにありがとうございますぅ!」


 ミランダさんは手もみしながらニコニコしている。

 二人ともマカレーナでは大貴族の家だから名前を覚えられているのは当然として、それだけこのお店によく通ってるんだなあ。

 パティの部屋にある洋箪笥(ようだんす)の一つが丸ごと、恐らくぱんつコレクションボックス化している。

 なぜそれがわかるのかというと、彼女はお茶会の合間にもこっそり箪笥の引き出しを覗いてニコニコしているのを、私はお茶を飲んでいるテーブルのほうから遠目で見ている。

 入っているのは明らかにぱんつで、私がロベルタ・ロサリオブランドを売り出したときからそうするようになってきていた。

 しかも日ごとに違う引き出しを覗いているのだから、その箪笥全部にぱんつが入っているぱんつ専用箪笥だと思う。

 それだけぱんつが好きなのだろうが、未だに私はパティのパンチラとぱんつ姿を一度たりとも見ていない。

 せいぜいスーツパンツから浮き出ているハーフバックのパンティーラインを見ただけだ。


「今日はどのようなものをお探しでございますか?」


「ああ、ミランダさん。今日はカタリーナ様のためにお似合いの品を私が直接選んで差し上げることになったんです」


「まあまあ! それは大変素敵なことでございますね!

 それではごゆっくりどうぞ。うふふ……」


 何となくミランダさんの含んだような笑いが気になるが、私たちはロベルタ・ロサリオブランドの下着売り場へ向かった。


「展示品の様子がまた変わりましたわね……」


「どんどん新作を出してますからね。

 マドリガルタで作っていますけれど、出来たらすぐ出荷して荷馬車で運んで早くて十日後には店頭に並ぶようになってます」


 マドリガルタにある工場から、下着を運ぶ専用の荷馬車が月に何便かある。

 セレスにもお店があるのでそこを経由したり、直行することもある。

 もじ事故でもあって荷馬車が転がってしまうと、ぱんつが道に散らばって目も当てられないことになってしまうだろう。

 飛行機が完成したら、少量であるがついでに運べそうだ。


「それにしても、どれも(きら)びやかで素晴らしいものばかりですから迷いますね……」


「私だったら出た新作を全部買っちゃいそうです。うふふ」


 パティなら本当にそんな勢いで爆買いしそうだな。

 そろそろ二つ目の下着専用洋箪笥が必要になってくるんじゃなかろうか。


「私の中でカタリーナ様は、純粋でお優しくまっすぐ、そして気高い女性だと思っています。

 ですから白で繊細な模様のレース生地の品が一番お似合いでしょう」


「まあ! マヤ様からは(わたくし)がそのような映っているのですね!

 とても光栄に存じます…… ポッ」


 カタリーナさんは顔を赤くする。

 ちょっとくさい言い方だったけれど、ストレートに言ってあげた方が良かろう。


「マヤ様! 私は私は!?」


「パティは…… 可愛いし、明るくて元気だから白やピンクもいいけれど、黄色もいいかな。

 動物プリントもいいな。クマさんネコさんとか」


「むぅぅぅ!! クマさんはもう去年で履くのをやめました!」


「あっ…… 冗談のつもりだったが、本当に最近まで履いてたんだ……」


「パトリシア様、そうだったんですの!?

 とてもキュートでお似合いでしたのに…… 残念です……」


「もう! マヤ様とカタリーナ様は私をまだ子供と思ってますのね!」


 パティはぷんぷん顔。

 本気で怒っていないから、可愛い怒り顔だ。


「いやあごめんごめん。クマさんはともかく明るくて薄い色が清潔感あって大人の仲間入りをするパティにはすごく似合うと思うよ」


「そっ そうですわっ 間もなく十五歳で成人のパトリシア様には……

 ここここんな感じの下着がお似合いだと思いますぅ!」


 カタリーナさんは什器に掛かっている一点物のショーツを取り出した。

 それはサテンのシルク製で、淡いピンク色の紐パンだった。

 自分で言うのも何だが、まるでピンク色の真珠のような美しい輝きをしている。


「あの…… これ私には大人っぽ過ぎて……

 むしろカタリーナ様のほうがお似合いではありませんか?」


 パティの顔は照れ照れで、恥ずかしくて真珠紐パンを直視出来ないようだ。

 十四歳にはちょっと早いが、カタリーナさんであればピッタリだ。


「カタリーナ様はもうご自分でお選びになってますよ。

 レースじゃありませんが、大人っぽく高貴なデザインの品です」


「こっ これは私には派手ではないでしょうか?」


「とんでもない。カタリーナ様が身に着けるべきのものです。

 大人っぽく且つ若々しく、恐らくこれは一点しか入荷していない品です。

 カタリーナ様に選ばれるためにはるばる王都からやって来たのです!」


「それなら…… ふふ…… これにしましょう」


「お買い上げありがとうございます!

 他にもたくさんお似合いのがありますよ。

 これとか…… これ…… これも…… うん、これもいいな」


 自分でデザインした下着だから、カタリーナさんのイメージに合った品を次々と選び什器から取り出す。

 さっきの真珠紐パン用のブラも手に取り、上下セットのものばかりだ。

 レース生地の白薔薇模様、サテンシルクのノーマルフルバックなど……

 透け透けやTバックはちょっとエロいのでカタリーナさんには似合わない。


「さすがですわマヤ様! こんなに素敵な品ばかり……

 え? どうして私のブラのサイズがD75ということをご存じなのですか?」


「ああっ いや…… 何となくそんなサイズかなと…… あはは……」


 私のよくわからない能力で、女性のバストサイズを服の上からでも当ててしまうのだ。

 近頃は何人もの女性の生おっぱいを拝見することが多いので、精度が高くなっている。

 ちなみに、ヴェロニカが体育系体型だからE80、アマリアさんは意外に細身なのでG70だ。すごいよな。


「マヤ様! 私にも何か選んで頂けますか?」


「よし! それじゃあ……」


 ナイト用の下着として、レーストリムがついているシルクで作られたウエストショーツを取り出した。

 簡単に説明すると、ゆったりとしたショートパンツ型のものだ。

 キャミソールとセットで、二十歳以上で似合うかも知れないがパティも背伸びしたいお年頃なので着てみたいと思うだろう。


「素敵…… 大人っぽいですが、マヤ様はこのような物を私に着てもらいたいのですか?」


「貴族のご令嬢としてはお休みの時もこのくらいの品の一つや二つあってもいいでしょう。

 カタリーナ様もいかがですか?」


「そうですね……

 今度パトリシア様とお揃いになってお泊まりなんてよろしいですわね」


「それは名案ですわ!」


「では(わたくし)もそれをお願いします」


「またまたお買い上げありがとうございまあす!」


 プレゼントしてあげたいけれど、カタリーナ様は自身で不動産の収入があるそうなので、私よりお金持ちのはずなんだよね。

 パティはまだお小遣い制なんだけれど、服やアクセサリーを極端に買いまくっているわけではないし、外でスイーツを食べるよりビビアナやジュリアさんが美味しいお菓子を作ってくれるので普段はさほどお金を使っていないと思う。

 ただぱんつコレクションがエスカレートしないか心配である。


「カタリーナ様、パティ、一つ提案があるんです」


「はい、どんなことでしょう?」


「私は明日から一ヶ月以上、シルビアさんの出産のためにマドリガルタへ滞在します。

 ですがいつも付きっきりというわけではありません。

 そこでその間に世界に二人だけしかないお揃いのデザインを考えて、下着をプレゼントしようと思っています」


「「まぁぁぁぁ!?」」


 二人の目はキラキラし、両手を組んで喜んでいた。

 本当の目的は、パティの焼き餅対策である。

 いくらパティが尊敬しているシルビアさんでも、急に結婚することを決めて見かけ上は他人の子とはいえ出産のために私は出掛けるのだから何か思うことはあるはず。

 平たく言えばオーダーメイドだが、(わだかま)りをそらすためにも特別感を与えるのだ。

 大親友と二人だけのお揃いというのもポイント高いだろう。


 お店に少し長居をしてしまったが、お会計を済ませた。

 あのピンク真珠の紐パンだけでも銀貨一枚と銅貨二枚もする高級ランジェリーで、総額で金貨一枚と銀貨を何枚か払っていた。

 いやあ、これが私の収入の元になるのだからとてもありがたい。


「マヤ様、今日はありがとございました。これで女を磨いていきますわ!」


「見えないところにお金をかけるともいうし、きっと内面からグッといい女になっていきますよ」


「マヤ様ったら……」


 レジ前でカタリーナ様は両手を頬に当ててクネクネしている。

 忘れていたけれど今日のカタリーナさんはミニスカなので、クネクネしているだけで何かエロい。


 お店の前にはバルラモン家の馬車が迎えに来ていた。

 時間も場所も最初からそのつもりだったということか……

 ここでカタリーナさんと分かれ、パティと二人でデートになる。


「マヤ様、お願いがあるんです……」


「なんだい?」


「さっきのクレープのお店、もう一度行ってみたいんです。美味しすぎて……」


「ああ…… まあいいけれど、太らないように明日からしばらくおやつは休みね」


「もう! わかりました!!」


 パティは怒ってるのか喜んでいるのかわからない表情だったが、腕を組んでべったりしながら通りを歩いた。

 クレープ店では、パティはまたいちごクレープ。

 ブルーベリークレープがあったので私はそれにした。

 お店の前はオープンカフェになっていたので、二人で座ってお互いのクレープを食べ合いっこなどしてしまった。

 日本で食べたクレープに劣らず美味しい…… リア充っていいなあ……


---


 パティーと夜のお茶会。


 コンコン「パティ、俺だよ」


「はい…… どうぞ」


 パティの部屋に入ると…… うお!?

 さっきアリアドナサルダで買ってきたキャミソールとウエストショーツを着ている。

 その下に履いてるように見えるから、たぶん試着だけなんだろうが……


「あの…… マヤ様には下着のこんな姿を初めてご覧に入れましたが、いかがでしょう?」


「すごく似合うよ。とても大人っぽくなった」


「ありがとうございます。お茶を入れますね……」


 パティはそのままの姿でお茶を入れる準備をしている。

 これが十四歳だと!? もうガン見をするしかなかった。

 パティの下着姿をじっくり干渉し、それ以上のエッチい展開は無く夜は更けてお茶会を終える。

 そして次は……


---


 アマリアさんの寝室にて。


「マヤさん、待ちくたびれたわ。あの子とのお茶会はお楽しみだったようね」


「ええ まあ、すみません」


 私がしばらく不在になるので、アマリアさんにマッサージをすることになっていた。

 自分の娘に対して何だか焼き餅を焼いているように思うが、やはり家系なのか。

 既にアマリアさんはベッドでうつ伏せになりすっぽんぽんで待っている。

 催促しているので、何もかも丸見えだが理性を保って早速施術を始めた。


「今更なんですが、私に裸を晒してていいんですか?」


「今晩あの人はローサさんとお楽しみよ。子供たちは婆やと一緒に寝てるわ」


「そ、そうなんですか……」


「いいのよ。あなたも我慢できなくなったら…… うふふ」


「そういうわけには……」


 と言っておきながら、マッサージが終わったらお尻にぱ◯◯ふだけさせてもらった。

 今日一番の幸福だった。


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