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第二百二十一話 ガルシア家の甘い夜

 毎日マカレーナとマドリガルタを往復しているせいか余計にいろんなことがあって少々疲れたが、試験飛行期間である半月の後半は大きな出来事もなく日々が過ぎていった。


 マドリガルタでは毎日の短い滞在時間の中で、二日に一度はシルビアさんの顔を見にエスカランテ家へ行ったり、仕事としてアリアドナサルダでロレナさんと打ち合わせをすることが主な目的だった。

 レイナちゃんたちの学校が休みの日にインファンテ家へレティシアちゃんやエステラちゃんも一緒に昼食へお呼ばれになったり、リーナのご機嫌取りのためにガルベス家へ出向いたりで、女の子たちを放ったらかしにはしないようにしなきゃね。

 ただエレオノールさんには仕事が忙しくて会うことが叶わず、リーナにそれとなく聞いたらそんなに大きなおっぱいが良いのかと揶揄(からか)われたが、元気にやっており二人で私の話をしてくれているようなので安心した。

 女王と顔を会わせる機会は少なく、シルビアさんのことについて承知してくれているものの、夜のお務めが無いのでやや不満顔。

 シルビアさん出産前後はしばらくマドリガルタへ滞在しなければならないので、どうせ相手を何度かさせられるだろう。

 モニカちゃんともたまに王宮で昼食を取る時ぐらいしか会うことが無く、個室で食事中にベタベタしてきたがエリカさんがペンダントから見ていることもあり、エッチなことは遠慮させてもらった。

 エリカさんの声が出せるのは変わらず不安定だが、毎日最低一回は声が出せるようになってきた。

 私もだんだん慣れてきてしまい、ペンダントを着けたまま忘れてトイレへ行くこともあるがエリカさんは全く気にしていないのが腑に落ちない。

「今日はお腹の調子があまり良くないね」と言われてしまう始末である。


 マカレーナではヴェロニカたちと早朝訓練して朝食後に飛行機で発ち、夕方帰ったらラウテンバッハへ飛行機を置いてガルシア家で過ごすの繰り返し。

 あれからヴェロニカは私を部屋へ誘うことが無いが、訓練中でも私を見ると顔を赤くしてしおらしくなってしまい、身が入っていない。

 私がこれからしばらくマドリガルタへ滞在している間、ローサさんには厳しく当たってもらうように頼んでおこう。


 久しぶりにアイミのことについて触れてみよう。

 彼女は国を騒がせた件の償いも兼ねて、ガルシア侯爵の指示を受けてマカレーナ近郊の道路建設や街道の整備に神通力を使い、あれから一人でずっとやり続けている。

 ありとあらゆる道が石畳の舗装をされ、おかげで馬車が走りやすくなり人々に喜ばれていたが子供の姿で人知れず作業をしていることが多いので、謎の道路拡充として街では話題になっている。

 作業はやることをやって生活は勝手気ままにやっており、ガルシア家の部屋で寝泊まりしてるものの朝食や夕食も時々現れるだけで、夜はこっそり大人のアーテルシアの姿に戻って飲みに出掛けていることが多いらしい。

 酔っ払って悪さをしてるという話は聞かないので、楽しみが見つかったのは良いことだ。

 夜の相手をすることは少ないが最初の時から私のお尻が大好きで、やはりアーテルシアの姿になって私はうつ伏せや四つん這いにさせられお尻を吸われたり舐められたりしている。

 こそばゆいがちょっと癖になってしまった。


 ちなみに夜の相手は一番性欲が強いジュリアさんが一番多く、私自身も若返って有り余る性欲の解消には打って付けである。

 エリカさんのペンダントは脱いだシャツで隠して見えなくしてるが声は聞こえてしまうので、誰が相手でも後で揶揄(からか)われたり私もやりたいとか言ってうるさい。


---


 半月にわたる長距離テスト飛行期間が終了し、最終日にマカレーナへ帰還後のラウテンバッハにて。

 飛行機をオイゲンさんたちに引き渡し、しばらくの間は大がかりな整備と点検で飛行機が使えない。

 整備費用も馬鹿にならないので追加費用について女王や王子にも一言言ってあるが、女王に夜のお務めはしっかりするようにと言われてしまった。

 女王の性欲も大概であるが、女王の寝室で私は男妾(だんしょう)でしかないので言うとおりにしている。

 女王がスタイル良しの童顔オバサンで良かったよ。


 さて、飛行機をグラヴィティで工場内へ押し込んでから、オイゲンさんとそこで話をする。


「じゃあオイゲンさん、よろしくお願いします」


「おう。外観は特に問題は無いようだが、前にも言ったとおり解体整備して座席を完全に取り付けるから最短でも一ヶ月はかかる。

 問題があればいつのなるのかわからないが、これが終われば晴れて完成だ。

 楽しみだよな!」


「ラウテンバッハの皆さんにもマドリガルタへご招待しなければいけませんね。

 ああ! いつかブロイゼンまで飛ぶことがあると思うので、案内なんてして頂くことは出来ますか?」


「おお、そういうことならお安いご用だ。

 ただ俺たちはブロイゼンを離れて長いから、あっちもずいぶん変わってるだろうなあ。

 技術革新がすごい国なんだぜ。

 でもさすがに飛行機は作れないから、ブロイゼン人に見せたらびっくりするだろうよ。わっはっはっはっ」


「理屈では、空気を取り込んで油を燃やして噴射するジェットエンジンが必要なんですが、このエンジンが一番難しくて私の頭の中にも設計図が無いんですよね。

 でもイスパルにやってくる船のスクリューと同じ理屈で、プロペラという羽をレシプロエンジンで高速回転させればもしかしたら魔法を使わずに飛ぶことが実現するかも知れません」


「何だって!? それじゃあエンジンを着けたら俺たちだけでも飛べるってことか?」


「それにはもっと小さな飛行機でエンジンも小型で軽い且つ船より高速回転する物を開発しなければいけません。

 この飛行機の大きさだとターボプロップエンジンじゃないと無理なんじゃないですかねえ。

 素人知識しかないのでこれ以上何とも言えませんが」


「たーぷろっぺエンジン?? 何だいそりゃあ?

 俺らに理解出来そうなモノじゃなさそうだし、作るには前途多難だな。

 まあそれはいい。

 この飛行機は完璧に仕上げてみせるから期待して待っててくれ」


「ありがとうございます。

 オイゲンさんやラウテンバッハの皆さんに出会えてとてもラッキーでしたよ」


「はーっはっはっは! 俺らも面白い仕事をさせてもらえて楽しいぜ!」


 そういうことでオイゲンさんとの話は終わり、ラウテンバッハを後にした。

 完成は早くて一ヶ月後か……

 それぐらいはマドリガルタへ滞在するつもりなので、帰ってきたら出来上がっているといいな。

 飛行機慣れしてしまったので、今度は私単独でマドリガルタへ飛ばないといけないからすごく(だる)そうだ。


---


 明日は一日休みをもらってから明後日マドリガルタへ出掛ける。


 今晩の相手はビビアナが相手をしてくれることになり、翌日はそのままビビアナが休みなので私の部屋へお泊まりしてから午前中は彼女の家へ遊びに行く予定だ。

 午後からは焼き餅焼きのパティにしては珍しく、カタリーナさんとで三人デートというからワクワクしてきてしょうがない。

 だがあまりカタリーナさんを見てるとパティが小突いてくるので気をつけよう。


 ほぼ毎晩のようにやっているパティとのお茶会。

 二人っきりのこれがあるからパティは機嫌良く、三人でデートも可能なのだろう。

 彼女にもエリカさんのことは伏せており、やはりお茶会の様子もエリカさんに見聞きされている。

 話の内容は極力他愛ない方向へ持って行ったが、お茶会が終わる最後のキスはパティが積極的になってしまい、いつもより長くなってしまった。

 きっとまた後でエリカさんに揶揄(からか)われるだろうか、どうも慣れというのは怖いものでだんだんどうでもよくなってくる。


「マヤ様、出来るだけ早くお帰りになって下さいませ。

 お相手が亡くなって、シルビア様の今度お生まれになる赤ちゃんのためにご結婚なさることは素晴らしいことと思いますが、私も早く結婚してマヤ様と愛を育んで赤ちゃんが欲しいんですの」


「結婚はともかく、赤ちゃんは慌てなくてもいいんじゃないかな。

 君にもまだやりたいことはあるだろうし、ほら、赤ちゃんを産むならもっと身体が成熟した方が安全というじゃない。

 カタリーナさんやヴェロニカぐらいの歳になれば安心かな」


「それはそうですけれど……

 そう(おっしゃ)るからには、マヤ様はやっぱりカタリーナ様とも結婚なさりたいんですか?」


「ああいや、カタリーナさんはとても素敵だけれど、私にはもう婚約者がいっぱいだから誰か良い相手が見つかればいいね…… ははは」


「私、カタリーナ様が大好きでずっと一緒にいたいんですの。

 マヤ様が結婚して下さるか、マヤ様に身近な男性がいらっしゃればご紹介下さらないかしら?」


「う…… 残念ながら若い男性の友達はこの辺にいなくて……」


「そうなんですか…… マヤ様は女性と仲良くし過ぎだからです!」


「返す言葉が無いよ……」


 私にはこの世界に来てから本当に同年代の男友達がいない。

 セレスのセシリアさんは男だけれど女性以上に女の子らしいし、男友達っぽいのはエルミラさんを始めスサナさんやヴェロニカがサバサバした性格だから、私はそれに甘んじて男友達を探そうとしていない。

 ああ、今のヴェロニカはちょっと女の子化しているけれど、そのうち戻るだろう。

 他に誰かいたかなぁ…… うーん……

 誰かいたような気がするけれど、思い出せない。


---


 パティの甘くて熱烈なキスを受けてからお茶会は終了し、部屋に帰った。


「おお、マヤさん。遅かったニャ?」


「うぉっ!?」


 部屋の灯りを付けると、ベッドにはビビアナが潜り込んでいた。

 薄いピンクのタンクトップに、白いショートパンツ。

 おほっ!? あれはノーブラだ!


「早く始めるニャ! ムズムズしてるニャ!」


「よ、よし」


 耳族は、猫ほどはっきりした発情期は無くてほぼ人間並なのだが、個人差があって緩い波のようなものはあるらしい。

 今日のビビアナはその波が高い日なのだろう。

 ビビアナはベットの前に立ち上がり、勢いよくタンクトップとショートパンツを脱ぎ捨てた。

 そしてぱんつに手を掛けようとした時……


「ちょっと待て!」


「なんだニャ?」


「脱がす楽しみというものがある。だから俺に脱がせてほしい」


「そうか? じゃあマヤさんが脱がせてみるニャ。

 マヤさんからもらったぱんつだからかにゃ? ふひひひ」


「それもある! その前に……」


 私はビビアナを抱いて甘くねっとりとしたキスを始めた。

 ビビアナは猫のように一生懸命ペロペロと私の口周りを舐めてくる。

 これも気持ちいい……

 猫ほどではないが舌は人間よりちょっとザラッとしている。


「うニャぁ……」


 発情の波が高いせいか、あっという間にビビアナの顔はトロンとしてしまった。

 もうぱんつ降ろしちゃおうか。

 私は腰を下ろし、目の前にビビアナのぱんつがある。

 ロベルタ・ロサリオブランドで私がプレゼントした、薄紫でちょっとヒラヒラになっている少し大人のぱんつだ。

 しかも耳族仕様で後に尻尾を通す穴が開いている。

 これまでずっと綿パンばかりだったので、たまには良い品をと選んだ。

 大人過ぎず子供過ぎずビビアナにはよく似合っている。


「じゃあ…… 脱がすね」


「ふニャ……」


 私は両手でぱんつをつまんでゆっくり降ろし、ビビアナの下部が現れた。

 この瞬間が楽しみで仕方がない。

 髪の毛も尻尾も白いのでお察しの通り。

 私も服を脱いで、ペンダントはシャツで丸めて包んでテーブルに置く。

 匂いも嗅げるらしいからクンカクンカするかもしれないが、見られるよりましである。

 ビビアナをベッドへ運び、にゃんにゃんフェスティバルを開催した。


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