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第二百二十話 スキンシップ

 とうとうヴェロニカと本気の本気で結ばれると思い部屋に行ったら、なんとエルミラさんまでいたから驚いた。

 何でも、ヴェロニカの初めてのお手伝いをするつもりらしい。

 三人での共同行為とは違うことになりそうだが、一体どんなことになるのだろうか。


「マヤ君、ヴェロニカ様にマッサージをしてあげてくれないか?

 そのほうがリラックスして頂けるかと思ってね」


「エルミラにはスポーツマッサージをよくしてもらっている。

 おまえからもやって欲しい」


「よし、わかった」


 なるほど。前回のヴェロニカは緊張しすぎたこともあってうまく出来なかったが、心も体もリラックス出来れば本番はスムースに行けるかも知れない。

 赤い印でシーツが汚れるのを防ぐため、予めタオルを敷いておく。

 エルミラさんの時は庭先だったうえにとてもスムースだったので気にしてなかった。

 初めてでも女性に気分を盛り上げてもらうことはとても大事だ。


 エルミラさんがヴェロニカの手を握って膝枕。

 私からはスポーツマッサージでなく、アマリアさんにやっているような美容マッサージをしてみる。

 まず、足裏マッサージを……


「いたたたたた!! おまえは何をやっているんだ!!」


「足裏をマッサージしているんだよ。

 血行促進のためと、痛いのはどこか身体に悪いところがあるからだね。

 こんなところが痛いということは、小腸…… いや、膀胱か?

 おしっこを我慢しすぎじゃないのか?」


「なななな何てことを言うんだ!!

 だが私の立場上なかなかトイレに行けないことが多くてな。

 そんなことまでわかるのか」


 ヴェロニカは顔を真っ赤にし、エルミラさんは笑っちゃいけないと思いながらもクスッと微笑んでいるような表情だった。

 少々デリカシーに欠けたが身体のことについては、はっきり言ってやったほうが良い。

 結婚しようと言っている相手ならばなおさらだ。


「ガルシア家にいるときはトイレの心配をしなくてもいいのに、なぜ?」


「王族は他人にトイレへ行くところを極力見せないようにしているからだ」


「そ…… そうか」


 そう言っているわりに、マドリガルタからの馬車旅の街道ではエルミラさんを連れて木陰や草むらに隠れて用を足していたぞ。


「いたたたたた!! 今度は何だ!!」


「目だね。眼精疲労か、暗いところで本を読んでいないか?

 今度からちゃんと明るくして読むんだね」


「わかった……」


 運動が好きだから健康優良児かと思っていたけれど、意外に悪いところがあるもんだ。

 あれ? エッチなことをしているはずなのに、私は何をやってるんだ?

 次はふくらはぎから太股のマッサージ。

 老廃物を排出するつもりで丹念にもみほぐす。


「おうっふ…… ふぉわぁぁぁぁ……」


 声がおっさんみたいだな。

 もっとも元からしなりしなりとした王女様じゃないし、男性中心の兵士の中にずっといればそうなってくるんだろうか。

 それにしても本当に程よいむちむちの太股だ。

 今日は顔を挟まれてみようかな。むひひ

 だが鼠径部のような局部に近いところのマッサージは刺激が強いかもしれないので避けておいた。


「ふぅぅ…… エルミラのマッサージが良くないというわけではないが……

 おふ…… 男の手でマッサージをされるのは力強くていいな」


「そうでしょう。私もマヤ君のマッサージが気持ちよくて時々お願いしてるんですよ」


「うふぅ…… ずるいぞエルミラ…… もっと早く教えて欲しかったぞ。おぅふ……」


「それは申し訳ございません。うふふ」


 とても女同士の会話には思えないな。

 さて次は寝そべってもらってお尻や背中のマッサージ。

 エルミラさんが正座して、枕代わりにヴェロニカがエルミラさんの太股の間に顔を(うず)めている。

 あまりにも自然にやっているので、普段からそんなにスキンシップをしている仲になっているんだね。

 二人とも性には淡泊な方だからマッサージやストレッチ体操で身体を密着させているだけのつもりなんだろうが、股間に顔を突っ込むのは男同士では考えられないこと。

 本人たちには気づいていなくても、女同士でのスキンシップは何らかの性的欲求があるとか、母性本能があるからと聞いたことがある。

 この二人は将来的にも離してはいけない。

 人生でのかけがえのないパートナーになるだろう。


「うっふあああ…… ふうぅぅぅ……」


 両太股を広げてその間に私が入って背中をマッサージしているが、相変わらずおっさんの喘ぎ声で色気も何も無い。

 私の施術で気持ちよくなってくれているのは嬉しいけれどね。


 お尻をこねくり回す。

 フルバックのぱんつ越しであるが、丸く程よい肉付き且つ締まっている最高のお尻だ。

 このままぱんつをペロンと降ろしてむしゃぶりつきたいが今は我慢する。

 ヴェロニカはこの時ばかり黙りこくっていて、声を殺して我慢しているように見えた。

 それから太股とふくらはぎの裏を揉む。


「ヴェロニカ。このマッサージでリラックス出来たかな?」


「あふ…… とても気持ちよくて寝てしまいそうだった…… うっふ……」


「それは良かった。じゃあ…… 始めようか。

 エルミラさん、ヴェロニカの身体を仰向けにするからそのままの体勢でいてくれないかな」


「わかった。さあ、ヴェロニカ様。仰向けになって私の顔を見て下さい」


「も、もう始めるのか?」


 ヴェロニカは不安そうな仰向けになり、正座したエルミラさんの太股の間に頭を置いた。

 エルミラさんはシャツとショートパンツ姿のままである。

 胸を含めた上半身のマッサージもやめておいた。

 おっぱいは性的にデリケートなのでマッサージをしてもリラックス出来ないからだ。


「大丈夫。私がヴェロニカ様の手をずっと握っていますから……」


「……」


 エルミラさんはヴェロニカの両手を握り、不安顔のヴェロニカを見つめた。

 何だかエルミラさんが夫で、ヴェロニカが出産するような場面である。

 そうしているうちにヴェロニカのぱんつをゆっくり脱がし、私も脱いだ。

 ヴェロニカは目を強く閉じてしまい、私の元気な分身君は見えていない。


「頑張って…… ヴェロニカ様……」


「ううう……」


---


 あまり痛がる様子が無く赤い印のために敷いたタオルも無用なほど僅かで、無事に貫通式を終えることが出来た。

 これでとうとう王族の娘について既成事実が出来上がってしまったわけだが、今ならば後悔はしない。

 ヴェロニカと結婚しても、女王や王子は私にこの国の政治へ関わるような強要はしてこないし、せいぜい飛行機の操縦くらいだ。

 問題は王族の対抗勢力であるガルベス家についてだ。

 私に政治的野心が無いこと、商売敵にならないことをはっきり証明する必要があるが、それはまた後で考えよう。


 最中(さいちゅう)にヴェロニカの声はおっさんから完全に女の子に変わり、彼女に優しく愛撫し気分を高めてもらいながら私もドキドキしながら行った。

 エルミラさんがヴェロニカの手を繋ぎながら時々頭を撫でていたわっている姿は、どれだけ彼女のことを思いやり愛しているのだろうと心を打たれてしまった。

 そしてヴェロニカは初めてを終えて安心してしまったのか、スヤスヤと眠っている。

 ヴェロニカを真ん中にエルミラさんと川の字になって、彼女の顔を眺めてみた。


「ふふ…… ヴェロニカ様は可愛い寝顔だね」


「まるで私たちの子供みたいだよ」


「本当にそれだ。いつか私も本当に子供を産むときが来るのかな。

 どんな子になるんだろう」


「エルミラさんに似ていたらいいな。格好いい息子か娘だと将来モテて困るかもね」


「マヤ君に似てるほうがいいよ。きっとすごく強い子になるから」


「じゃあ両方に似てるといいね」


 などと他愛ない会話をしてみたが、シルビアさんの出産だけでも心配になってしょうがないのに、この先他の女の子たちに産んでもらう時はどうなってしまうのだろう。

 一夫多妻制というものは女性を(はべ)らすばかりでなく、人数分の気苦労も出てくるのだから大変だ。

 これで子供たちが何人も増えることを考えると、父ちゃんは責任持って頑張らないといけないね。


「ところでエルミラさん。次も三人ですることになるのかな?

 あまりエルミラさんに依存してしまうのもどうかと思うけれど、ベッドの上に限ってのことだから……」


「私はいいけれど、ヴェロニカ様には二人だけにも慣れてもらわないとね」


 今回は三人いても実質二人だけで3ナントカではなかったから、いつか本当に三人で出来たらいいねえ。むふふ

 でもエルミラさんは、女の子の日でもないのによく我慢出来たものだ。

 だが……


「ねえ、マヤ君。次は私の番…… ね」


「え? そ、そうだね」


 まさか時間差で行うことになるとは思わなかった。

 親友であるヴェロニカが女の子になっている姿をあれだけ見せつけられていると、さすがに平静ではいられなかったか。

 確かにヴェロニカを膝枕しながら私とヴェロニカの合体部分をジーッと見ていた。

 一度エルミラさんはベッドから出て一気に裸になり、布団の中で私に覆い被さってヴェロニカを起こさないよう静かに愛し合った。

 二人の若い金髪美女を時間差があるとはいえ一つのベッドの中で相手をしてしまった。

 前世の私では考えられない夢のような出来事が次々と起こっているが、サリ様は力が凄かったという前々世以前の私のことをあまり教えてくれない。

 本来の私は一体何者なのか時々考えると少し怖くなってくる。


---


 翌朝、エルミラさんと私は先に目覚めて服を着ている時にヴェロニカも目が覚める。


「おはようございます、ヴェロニカ様。今朝の訓練は如何なさいますか?」


「後で行く……」


「わかりました。それではお先に……」


 ヴェロニカは裸のまま布団の中にいるので、明るくなった部屋ではまだ恥ずかしいのだろう。

 私たち二人は服を着終えたら早めに部屋を退出した。


 ガチャ 廊下に出たら……


「あら」


「あ……」


「おおお奥様、おはようございます……」


 濃紺のワンピースパジャマを着たアマリアさんとヴェロニカの部屋の前で偶然鉢合わせてしまった。

 この前はルナちゃんと鉢合わせたし、どうしてこう偶然が重なるんだよ。


「おはようございます。今朝は早いですね…… ははは」


「おはようマヤ様、エルミラさん。

 あなたたち…… そう…… そういうことね。

 とうとう王女殿下と…… おめでとう、マヤ様。うふふふ」


 アマリアさんはもういろいろと察しが付いているようだ。

 少なくとも朝食と夕食の時はヴェロニカも一緒のことが多いし、彼女の不自然な様子からわかってしまったのだろう。


「いやあ…… 何というか…… その……」


「娘が初めての時も、私が付いてお手伝いをしてあげたほうが良いのかしら…… オホホホ」


 エルミラさんはそれを聞いて唖然としている。

 冗談に決まっているだろうが、何気に爆弾発言だ。

 母娘でもしそんなことになったら私の分身君は最後まで耐えられるのだろうか。

 パティとアマリアさんのナントカ丼…… むほぉぉ

 昔、エ◯マンガを読み過ぎて頭が変になってきているかも知れない。


「こうなるとご成婚の日はそう遠くない日になるんでしょうけれど、いくら王女殿下相手でもパティの後にして下さいね」


「はい、承知してます」


「ならいいわ。ではまた後ほど……」


 アマリアさんは静々と自分の部屋の方へ戻っていった。

 トイレだったのかな。

 ガルシア家には大変な恩と義理がある。

 シルビアさんのこともあるし、パティとの結婚はグズグズしていないで早めに日取りを決めよう。


「マヤ君、大変だね。お嬢様と奥様も一緒に相手をしなければいけないなんて……」


「いやいやいや、あれはアマリア様の冗談だってばっ」


「え? なあんだ、びっくりしたよ。そうだよねえ~ ハハハハ」


 エルミラさんは天然なところもあるのは知っているが、あれを本気で信じてるとは思わなかった。

 さすがヴェロニカとの初ベッドインに付いてくるだけのことはある。


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