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第百五十九話 モニカちゃんと思い出を/レイナちゃんのお部屋で

「おはようございます、マヤ様。朝ですよ。」


「うーん…」


 目の前にシルビアさんの顔…

 目線を下にやると、私の手のひらにギリギリ収まるお椀型のおっぱいが二つ。


「早くお部屋に戻らないと、モニカさんが来てしまいますよ。」


「おお! そうだった!

 あぁ、おはようございます…」


 私はシルビアさんの言葉で目を覚まし、ガバッと起き上がった。

 ゆうべは熱い夜を過ごし、朝もベッドの中で二人とも裸のままだ。


「ああ…、シルビアさん。身体は冷やさないようにね…。」


「うふふ、ありがとうございます。

 大丈夫ですよ。マヤ様の身体はとても温かいですから。」


 妊婦であるシルビアさんを気遣いつつ、私は彼女の頬に軽くキスをしてから慌てて服を着て部屋を出た。


---


 自室へ戻った。

 パジャマでないと怪しまれるから着替え直さなければ。


 コンコン「おはようございまあす!」


 うわっ もう来た!

 ダメだ。このままの格好で布団を被ろう。

 ドアを開けた音がして、モニカちゃんが入ってきたようだ。


「マヤさまぁ! おはようございまあす!」


「ああ… おはよう。」


「あら。もう起きていらしたんですね。

 今日は美味しい美味しい生ハムパンを作ってきましたよ。

 早く着替えて食べましょう!」


 私は眠そうなフリをして、モソモソとベッドから這い出て立ち上がる。


「あれれえ? マヤ様ブラウスのまま寝ちゃったんですか?

 あっ 靴下まで履いているし、ゆうべは遅くまで何をなさってたんですかね。」


「珍しくアウグスト王子にお目にかかれたので、話がはずんじゃってねえ。ハハハ」


「ふーん、そうですか。

 いつもお忙しい殿下とそんなにたくさんお話が出来たのですか。」


 ジト目で見つめられるが、あの顔は完全に疑っているな。

 王子と話をしたのは事実だからそれで通して話を逸らそう。


「アウグスト王子も私を高く評価してくれてね。

 将来的にこの国での立場が良くなりそうだよ。

 お屋敷をプレゼントしてくれるとかどうとか…決まってはいないけれど。」


「え!? そうなんですか!?

 じゃあいつか私も…みんなそこで働けるんですか?」


「もしお屋敷を建ててもらえれば、そのつもりだよ。

 たぶんエリカさんも一緒に住むんじゃないかな。」


「やったあ!!」


 モニカちゃんは私に抱きついて喜んでくれた。

 そういえば彼女は昨日のお風呂上がりから今朝も化粧をほとんどしていない。

 私に言われたからだろうけれど、今までずっと化粧をしていたのに素直に受け止めちゃって可愛いな。


「ねえマヤさまぁ、今日のご予定は?」


「お昼過ぎてからインファンテ家のお茶会にお呼ばれしててね。

 それ以外は特に用事が無いから、午前は本でも読んで過ごそうかと。」


 モニカちゃんは甘える猫のように上目遣いで尋ねてくるが、何か企んでいる気がする。

 まるで「パパ新しいお洋服が欲しいから買って」と言いそうな表情だ。


「じゃあお昼まで私もこの部屋にいていいですかぁ?

 フローラが帰ってくるまでは私がマヤ様の専属給仕係ですから、ずっと側にいていいんですよぉ。」


「ルナちゃんやフローラちゃんは私が暇でもどこかへ行っていたようだけれど。」


「あの子たちは真面目すぎるから、他の係の手伝いをしたり適当に掃除をしているだけですよ。

 専属になった時は無理してしなくてもいいんですぅ。」


「ああ…、まあいいけれどね…。」


「うふふ。ありがとうございます!

 じゃあ早速お風呂に入りましょう! 一緒にね。」


「ええええ??」


「もう明日はお帰りになるんでしょう?

 だったらお昼までマヤ様の時間を私に下さい。」


 それから私とモニカちゃんは、まるでラブホテルの部屋でダラダラと過ごしているカップルのように閉じこもって、いちゃラブを楽しんだ。

お風呂へ入る前に見せてもらったランジェリーは上下黒のエッチな紐パンだった。

 ベッドの上で運動しては休憩しの繰り返しで、若さの回復力ってすごいなと思ったよ。

 私が日本で若い頃はそんなベタベタするような女性と付き合ったことがなかったから、エリカさんの時とは違う意味でとても新鮮だった。

 お風呂から上がっても彼女はずっと裸族だったが、間違いなくエリカさんに感化されたのだろう。

 ということはエリカさんともずっとこんなことをしていたのか。

 三ヶ月前の滞在は、エリカさんのほうからあまり接触してこなかった訳だよ。

 全裸状態がお昼前まで続き、お昼ご飯を食べないといけないので二人とも服を着た。

 そして再び抱き合う。


「楽しかった…。こんなに燃え上がったのって初めて。うふふ

 思い出にしますね。でもまたいつかしましょうね。」


「出来たら良いね…。」


 明確な返答はしなかった。

 一人で王宮へ来た時と、たまたまモニカちゃんが担当になった場合だけ。

 そしていつか屋敷が建ってみんなと一緒に住んだとしても、パティたちが目を光らせているだろうから困難である。


「マヤ様、好きです。本当に好きです。

 だから私のことを忘れないで下さいね。」


「忘れることはないよ。

 陛下とシルビアさんの要望で月に一度くらいはマドリガルタへ来ることになったから。」


「本当! よかったあ!」


 モニカちゃんは笑顔で私をガシッと抱きしめた。

 そんな時に…。


 コンコン「マヤ様、ただいま帰りました。」


 ドアが開くと、実家から帰ってきたフローラちゃんの姿があった。


「あっ フローラ! おかえり!」


「はわわわわっ モニカちゃん! 何してるの!?」


 モニカちゃんは私に抱きついたまま離そうとしない。

 うーん…、どうするつもりだろう。


「明日マヤ様がお帰りになるから、お別れの挨拶をしているの。」


「だからって抱きつくのは失礼ですよ。」


「あたし、マヤ様のことが大好きになったの。」


「ええええ… ルナちゃんもマヤ様のことが大好きなの知ってるでしょ?」


「じゃあルナと一緒にマヤ様を大好きになればいいよ。

 フローラも一緒にどう?」


「ええ!? そ、それは…」


 フローラちゃんは顔を赤くしてモジモジしている。

 ただ照れているだけだろうが、私に気があると思うのはさすがに自意識過剰だろう。

 とりあえずゆっくりモニカちゃんの身体をゆっくり離したので、話題を変えよう。


「フローラちゃん、お母さんはどうだったの?」


「あっ 大丈夫です。

 ちょっと疲れが出たみたいで寝込んでいましたが、昨日にはもうピンピンしてて大事を取ってもう一晩お休みを頂きました。

 ご心配をおかけして申し訳ございません。」


 フローラちゃんが深々とお辞儀をする。

 彼女が不在の間、モニカちゃんといちゃラブしていたことに、心臓に針が刺さったような気分になる。


「いや、お母さんが無事なら良かったよ。

 モニカちゃんも頑張ってくれていたから不自由は無かったしね。」


「そうそう。あたしマヤ様の為に頑張っちゃったよ。」


「ありがとうございます、マヤ様、モニカちゃん。」


 フローラちゃんはニコッと微笑んだ。

 ああもう、この子も可愛いなあ。

 この場はそれで収まったと思ったが部屋の掃除を怠っていたと思われて、モニカちゃんがフローラちゃんに怒られていた。

 朝からずっといちゃラブしていたので掃除をしていないのは当然であるが、もっと早く終わらせれば良かったな。

 二人は掃除に取りかかり、私はシルビアさんと昼食を取りに移動する。

 明日には帰るので、しっかりと二人の食事を楽しんだ。


 フローラちゃんたちは遅い昼食を取りに行っているようで、部屋は私一人。

 新しいブラウスに着替えてジャケットを着用し、準備完了。

 ちょっと早いけれどインファンテ家へ向かった。


---


 応接室へ通されしばし待つと、レイナちゃんがやって来た。


「お早いお着きでしたね。どうかなされたんですか?」


「いやあ、一刻も早くレイナちゃんに会いたくてね。」


「まあ、マヤ様ったら。嬉しいですわ。

 まだエステラとレティシアは来てませんから…、その…私の部屋へ来て下さいますか?」


「うん、お邪魔します…。」


 レイナちゃんの部屋で二人きり!?

 これは何かありそうだと期待して良いのか?

 いやいや、不純な考えは良くない。

 どうも女王やモニカちゃんとの行為で私も頭がおかしくなっているようだ。


---


 レイナちゃんの部屋はパジャマパーティーの日以来。

 相変わらず広く豪華で、ぬいぐるみがいくつも置いてある。

 そういえばセシリアさんの部屋に少し似ている。

 彼女は週に一回手紙を送ってくれるけれど、今はどうしてるかな。


「マヤ様…、あの…先日は失礼しました。

 恥ずかしかったんですけれど、母に言われて…。

 でもマヤ様だからお見せしたんですよ。

 他の殿方だったら絶対無理です。」


 今日になってもその話を持ち出すなんて、相当気にしていたんだな。

 ここは和ませて自信を付けてもらわないとね。


「大丈夫だよ、レイナちゃん。

 とても似合っていたし、今後のアイディアを考える参考になったよ。

 ありがとう。

 実際に女の子が履いている姿を見るなんてなかなか無いからね。ははは」


 若い女の子の下着姿はモニカちゃんのを見たばかりなのだが、嘘も方便である。

 他に十代の子の下着姿を見たのって、ビビアナとエステラちゃんだけだろう。

 ルナちゃんのかぼちゃパンツと、男の娘のセシリアさんはノーカウントにしよう。


「マヤ様がそうおっしゃって下さるのならば良かったです。

 実はまたご覧になって頂きたくて…」


「ええ?」


 レイナちゃんは顔を赤くして照れながら両手でスカートの裾を持ち上げた。

 履いていたのは薄いピンクのボクサーパンツなのだが、薄手の生地で太股の裾が短くローライズの、とてもセクシーなものだった。

 うわっ 股の間の形がくっきりで刺激的すぎる。

 これもたぶん私のデザインだ。相変わらず試作品が出来るのが早すぎる!


「マヤ様、いかがでしょう…?」


「う、うん。若い女の子にはとても似合うよ。

 でも刺激的すぎて、生地はもう少し厚い方が良いかな…」


 あまりに刺激的なのでスカートを降ろしてもらった。

 これは元々エルミラさんやヴェロニカのようなスポーツ女子に着けてもらいたいとイメージして描いたデザインだ。

 色は何でも良いが、地味なグレーの方が良い。

 落書きみたいなデザイン画だったし、ロレナさんはちょっと勘違いをしていたんだろう。

 まあ間違って出来た物もそれはそれで商品化をしても良いかも知れない。

 それらこともレイナちゃんに伝えておいた。


「マヤ様はすごいんですね。

 男性なのに、女性のことをよく考えて下さって。」


「女性の生活をもっと快適にしてあげたいという気持ちがあってね。

 この国は何でも綺麗に見せようという傾向が強くて、快適性が失われているんじゃないかと気づいたんだよ。

 だったら綺麗に見せられて、且つ快適な下着もあったらいいんじゃないかと考えたんだ。

 ふんどしショーツがよく売れているようだし、レイナちゃんが履いている下着も売れると思うよ。

 これをお母さん…ロレナさんに伝えて欲しい。」


「承知しました!

 私、ますますマヤ様のことを尊敬しました!」


 そんなに偉いもんじゃないよ。

 だいたい日本にあったものをパクってるだけなんだから。

 ただ良い物を私が持っている知識の範囲でこの世界にも広げてみたいだけだ。

 今オイゲンさんたちに作ってもらっている飛行機だってそうだ。

 将来的には使用魔力量の燃費を良くして、魔道具として量産化出来ないかとも考えている。

 それには魔法の研究が必要で、エリカさんの協力やアスモディアへ行く必要がある。


「ところで…、今日はどうして下着を私に見せようと思ったの?

 急に早く来たものだから準備をしていたというわけでも無さそうだし。」


「いえ…、今朝母がお店へ出かける前にこのサンプルを渡されてましたので、それでマヤ様がいらっしゃったと聞いてから履き替えたん…で…す…」


 またレイナちゃんの顔が真っ赤になった。

 この子は行動と頭の中が逆になっているぞ。

 恥ずかしいのがわかっていて見せてしまう…あ…そうか、Mの字の子ですか。


「そうでした…、忘れていました。後ろも見て頂けますか?」


 レイナちゃんは後ろを向いてお尻を突き出し、スカートをたくし上げた。

 ぐはぁっ ローライズ過ぎてお尻が半分見えている!

 これは修正してもらわなければいけないぞ。


 コンコン「レイナぁ、来たわよ。」


 急にドアが開いて、その声の主は耳年増な女の子だった。


「あっ エステラちゃん!?」


「うわっ レイナったらマヤ様と何をしてるの?

 お邪魔だったかしら… うふふふふふふ」


「違うのエステラちゃん! マヤ様に見て頂いてたの!」


 レイナちゃん、『下着のサンプルを』が抜けてるぞ。

 そう言ったところで意味は大して変わらないが。


「はっはあん、やっぱりマヤ様と良いことをしていたのね。」


「違うってばあああ はううぅぅぅぅ…」


 今日はフローラちゃんといい、ドアを開けたら誤解されてしまう日だな。

 王宮へ帰ったら気を付けよう。


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