表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/374

第百五十五話 インファンテ家の事情

 夕方になり薄暗くなった街の上を飛んで、インファンテ家の屋敷へ着いた。

 まだ到着が早かったが、案内のメイドさんに応接室へ通され、数分後にレイナちゃんとお母さんのロレナさんがニコニコ顔で出迎えてくれた。

 前にロレナさんと一緒にいたお付きの若いメイドも二人いる。

 この二人もロレナさんに感化されたのか、ちょっと変わった子たちだ。

 レイナちゃんは、パティもよく着ている膝丈スカートのドレスのような服。

 ロレナさんは軽装のドレスを着ている。


「マヤ様! お久しぶりです!

 お会いできるのがもっと先だと思いましたのに、こんなに早くて嬉しいです!

 お元気でしたか?」


「ああ、この通り元気さ。

 レイナちゃんもはつらつとして可愛いよ。」


「まあ、マヤ様ったら。うふふ」


 社交辞令として褒めておかなければいけないが、レイナちゃんはお世辞抜きで可愛い。

 パティよりは親しみやすい感じがする美少女である。


「マヤ様、デザイン料の計算が出来ましたのでここでお支払いしますね。

 前回白金貨を三枚前払いしましたので、三ヶ月分の売り上げから白金貨四枚と金貨七枚をお受け取り下さいませ。」


 ロレナさんがそう言ってから、メイドの一人からお金が入った袋を頂いた。

 前金合わせたら三ヶ月でとんでもない売り上げを稼いでしまったな。

 これで自分の食い扶持(ぶち)とルナちゃんを一年以上は雇っていける資金が出来た。


「ありがとうございます。

 デザイン料だけでこんなにも、ロベルタ・ロサリタのブランドってそんなに売れていたんですね。」


「そうなんですのよぉ。

 特に先月から全国的に売り出してから絶好調なんです。

 お客様も大喜びで追加購入される方も多いんですよ。

 そうそう、この前頂いたデザイン画の試作品を早速作ってみましたの。

 どうぞご覧になって頂けるかしら。

 さあ、レイナ。あなたたちも。」


「はい、お母様…」


「「はい奥様。」」


 試作品って、まだ四日しか経っていないのにもう出来たのか!

 相変わらずロレナさんは下着にかける情熱がすごい。


 レイナちゃんは顔を赤くしてモジモジしている。

 試作品を見せるって、どこにも持っていないし、メイドたちも用意していない。

 んん? ロレナさんがガバッとスカートをたくし上げた。


 はぁぁぁぁぁ!?

 ロレナさんの下着は白いレディーストランクス、お腹には白い腹巻き!

 トランクスというより短いペチパンツ風に可愛くデザインしてみたんだけれど、腹巻きがあるとおっさんぽく見えて少々げんなりした。

 だが太股は白く綺麗で美味しそうである。


 レイナちゃんも恐る恐るスカートを上げた。

 徐々に、母親よりぴちぴちとした太股が現れて下着が見え始める。

 なんて興奮するシチュエーションなんだ!

 そして彼女が履いていたのは、ピンク色で(ふち)が白いレディースブリーフだった。

 これも私がデザインしたもので、年相応で似合っており可愛らしい。


 ロレナさんの横に控えている二人のメイドも、給仕服のスカートをたくし上げた。

 二人とも白いガーターストッキング。

 一人の子は(ふち)だけ白くて生地は極薄メッシュのおぱんつ。

 だから肝心なところが透けており、とてもエッチだ。

 もう一人の子は紐パンとふんどしショーツを組み合わせて、レースの短い前掛けが可愛らしい。

 この二つは三ヶ月前に渡したデザイン画に入っていたもので、ようやく試作したのか。


 それにしても…

 この親子とメイドはおかしい。

 この親子とメイドはおかしい。

 この親子とメイドはおかしい。


「マヤ様、いかがかしら。」


「はい。試作品だから白い生地なのかも知れませんが、やはり腹巻きとレディーストランクスは白よりも黒や色づきもあったほうが良いように思いました。

 それからトランクスはサテン生地だとより高級感が増しますね。

 レディースブリーフは若い女の子向きに描きましたので、レイナちゃんにはとても良く似合ってますよ。

 色違いもたくさん出せそうですね。

 そちらのお二人は…コホン

 メッシュの下着は高い通気性且つセクシーで、ふんどしショーツは履き心地の良さと可愛らしさを演出しましたから、どちらも私のイメージ通りに仕上がっていて素晴らしい出来上がりですよ。

 ただ、ふんどしショーツがガーターストッキングと合わないので、ストッキングを履かないときに着用するのが望ましいと思います。」


 レイナちゃん親子はともかく、メイド二人の様相があまりにも刺激的で分身君が今か今かと起き上がろうとしていた。

 彼女らの目の前に行って、正座して観賞してみたい。

 だが残念ながら、私が感想を述べた後に皆がスカートを降ろしてしまった。

 ロレナさんとメイドたちは堂々としていたが、スカートを降ろした後もレイナちゃんは顔を赤くして私と目を合わさないようにしている。

 十五歳の女の子にこれはハードルが高いよな。


「まあまあ! 的確なアドバイスをありがとうございます!

 早めに商品化させて、ロベルタ・ロサリタブランドの更なる拡大を目指したいものです。

 また良いデザインが出来上がりましたらよろしくお願いしますね。」


「はい、生活も掛かっていますので頑張ります。」


「まあ、うふふふ。大丈夫ですわ。

 売り上げに対してお支払いしますから、ロングセラー商品があれば安泰ですよ。

 このトランクスと腹巻きとブリーフ、長く売れそうですわね。」


「そうあってほしいですね。ふふふ」


 本当にそうなれば定期的な収入が見込めてとても有難い。

 これからパティやマルセリナ様たちと結婚して、給仕係をルナちゃんの他にフローラちゃんたち三人を受け入れると、年収白金貨何十枚も稼がないといけないからね。


「レイナ、これから私はマヤ様と大事なお話をします。

 夕食までまだ時間がありますから、あなたは先に戻っていなさい。」


「はい、お母様…。

 それではマヤ様、また後で…」


 レイナちゃんはまだ顔を赤くしたまま、一礼して退室した。

 大事な話ってなんだ?

 あれ? いつの間にか私の席の両側にメイドたちが立っている。


「さあマヤ様、今度は男性の下着を試着して頂きますわよ。

 あなたたち! 始めなさい!」


「「はい! 奥様!」」


「えっ ここで!? ええっ!?」


 メイドたちが両側から腕を(つか)み、二人で器用にベルトを外して座ったままズボンをずらされてしまった。

 そしてロレナさんがニヤニヤとしながら、どこからか持って来た下着を両手で広げて近づいてくる。

 あれはメンズ向けふんどし型のぱんつ!

 色が白いが私がデザインしたものだ。

 でも何でここで履かなければいけないの?


「あら、うふふ。

 マヤ様が履いてらっしゃるビキニパンツはアリアドナサルダのブランドですね。

 これは私がデザインしたんです。嬉しいわ。」


「ああいやあ、これはマカレーナの店長さんからプレゼントされたんです…。」


「まあそうなの?

 若い男の子が履くと素敵…。セクシーだわあ。

 あなたたちもそう思うでしょ?」


「はい奥様。このもっこり具合は、中でどんなことになっているのか想像してしまうほど、目を釘付けにしてしまいます。はぁはぁ」


「もっこり言うなあ!

 あとそれビキニパンツのデザインと全然関係ないよね?」


「奥様! 薄手の生地は、脱いでいなくても形がわかりやすく、ふにゃふにゃした触り心地を堪能できます! はぁはぁ」


「そう言いながら握らないでくれ!」


 この人たちヤバい!

 脱いだのは三ヶ月前もあったけれど、ロレナさんが土下座して頼むもんだから渋々受け入れたんだったな。

 この歳で今更女性に股間を見られてもどうも思わないし、ロレナさんからの大事な収入源になるから抵抗しない方が利口である。

 それよりも三人の目の色が変わりすぎて怖い…。

 あとメイドたちが両腕におっぱい押しつけすぎ!

 柔らかくていいけどな。


「ふっふっふ あなたたち。

 そろそろマヤ様のぱんつを脱がして差し上げなさい。はぁはぁはぁ」


「差し上げなさいって、頼んでないですよ?」


 メイドたちが私のぱんつに手を掛けた時、ドアがバタン!と開いた。


「なんだ!? 騒がしいぞ!!

 ああっ!! おまえたちマヤ殿になんてことを!!」


 入ってきたのはインファンテ伯爵だった。

 やれやれ、助かったのか?


「あなた!? 今マヤ様に試着をして頂くところですの。」


「だからってこんな場所で無理矢理するやつがいるか!!

 おまえたちもやめなさい!!」


「「あわわわわっ はいっ 旦那様!」」


 私はインファンテ伯爵が怒っている間にズボンをそそくさと履き直した。

 伯爵にみっともない姿を見られてしまったな。


「いやあすまなかった、マヤ殿。

 妻は下着のことに夢中になると周りが見えなくなるんだ。

 私も前に同じ事をやられてしまったよ。まったく…」


「そ、そうなんですか…あははは…」


 伯爵もやられていたのか。

 それで私がエッチなことをしようとしてると疑われなかったんだな。


「もう夕食が始まるので行こう。

 ロレナもおまえたちもこれでお仕舞いだ。

 早く準備をしなさい。」


「はぁい…」


 ロレナさんはしょんぼりしてふんどしパンツを懐にしまって、メイドたちとトボトボと応接室を退出して行った。


「まあ彼女は時々ああいう感じになるんだが、あれが無ければ良い妻、良い母親、良い経営者なんだがな。

 この通りだ、許してやってくれ。」


 インファンテ伯爵は深々と頭を下げた。


「ああっ 伯爵、頭をお上げ下さい!

 私も仕事のうちだと思って止めませんでしたから…」


「マヤ君も仕事熱心なんだねえ。

 私もマヤ君がデザインをした、袋付きの下着を履かせてもらってるよ。

 通気性が良くて収まり具合も良い。ハッハッハッ!」


「それは良かったです。ははは…」


 伯爵はメッシュで作られてる玉袋と棒が分離しているタイプのボクサーパンツを履いているのか。

 私も日本で履いていたから、なかなか良かった。


---


 夕食は何事も無かったように始まり、豪華なメニューをたくさん用意して下さった。

 可愛らしい妹のアイナちゃんと、ロレナさんの隣で幼児席に座っているのは間もなく三歳になる弟君だ。

 名はレオナルド君というらしい。

 いずれインファンテ家の当主となるだろう。

 もうちょっと大きくなったら仲良くしておいたほうがいいな。


 食事中は家族の皆と話がはずみ、まるで私も家族の一員のように馴染むことが出来た。

 伯爵の大らかさ、ロレナさんの気さくさ、レイナちゃんの穏やかさ、アイナちゃんの明るさで私の心は和み、とても良い時間を過ごせたと思う。

 ガルシア家の食卓と良く似ているかもね。


 そしてご馳走になった後、お(いとま)しようとしていた時。


「マヤ様、今日は楽しかったです。

 お父様がよくお話になっていたので私はあまりたくさんお話が出来ませんでしたが、今度のお茶会を楽しみにしていますね。」


 レイナちゃんは少し照れながらそう言った。

 まだブリーフを見せていたことが気になってるのかな。


「うん。レイナちゃんの美味しいお茶とお菓子が楽しみだ。」


「まあマヤ様ったら、うふふ

 お菓子はたくさん作っておきますからね。

 それであれから母は何かしませんでしたか?

 ああなると母は止まりませんから…」


「あ、ああ…大したことはなかったよ、大したことは…。」


 レイナちゃんはまた顔を赤くしたが、それ以上聞かれることはなかった。

 たぶん察しが付いているから恥ずかしくて聞けないのだろう。


 食事の後はすぐ帰ることにしたので、玄関先では伯爵を始めロレナさんはレオナルド君を抱いて、玄関先で皆が手を振って見送ってくれた。

 良い家庭だなあ。

 私は飛んで、闇夜の中へ…


---


 王宮までそのまま飛んで帰り、部屋の窓から入って帰宅した。

 するとすぐにシルビアさんが部屋へ入ってくる。

 ああそうか。シルビアさんも魔法が使えるから魔力感知が出来るのかな。


「あの… 今晩は陛下がお待ちです。」


「ああ…、わかりました。その前に…」


 私はシルビアさんに濃厚なキスをたっぷりした。


「終わったら一緒に寝ましょう。」


「はい…ポッ」


 シルビアさんは顔を赤くして微笑み、私は女王の寝室へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ