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惨劇の後

 今回もバカバカしいお話しです。


 ご意見、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m

「な、なんなの! この惨劇を引き起こした張本人がとっとと逃げちゃった……有り得ない……」


 女子生徒の一人が呟く。


 た、確かに……だが……


「いや、これで良かったのかも知れない。この場に七海が居座ったら……更に被害が大きくなってしまう……」


 誠の返答に言葉に詰まってしまう女子生徒、だが感情は抑えられないようで、女子のリーダー格である宝塚光里たからづかひかりは、マリリンが飛び去った空に向かって叫ぶ!


「本城さん! 逃げずに戻ってらっしゃい! この始末、なんとかしなさい!!」


 その声は七海に届くはずも無く、虚しく学園の空に響き渡る。


 だが、その声に反応する者達がいた!


 倒れていた男子生徒四人がムクリと起き上がったのだ!

 鼻血を垂れ流し、這う這うの体ではあるが、しっかり意識は保っている。


「き、君達! 大丈夫なのか?」


 誠が駆け寄り肩を貸す。


「ああ、何とかね……しかし、凄かったな!」


「うん! 素晴らしかった! まさかまさかだったよ!」


「本当に……俺、これが極楽浄土なのかと……」


「プルンプルンで……ヒラヒラで……」


 こ、コイツら……


 実はこの四人、あの以前お尻フェチがどうのこうの騒いでいた四人組であった。


 ため息を吐く誠、だが無事な生徒が存在しホッとする。

 もしまた同じ様な事が起こった場合、彼等に協力して貰えるかも知れない!

 けど、倒れはしていたが、彼等は何故他の男子生徒達とは違い、意識を保っていられるのだろう?


 不思議に思い訪ねてみる。


 彼等は「女子の前ではちょっと……」など言い、声の届かない場所まで離れた。


 怪訝な表情をする女子生徒達を尻目に、彼等は自慢気に語る。


「俺達はね、本城さんのファンなんだ」


「そう、ファンだ! いや、信者と言っていいかも! だからこそ、絶えず本城さんの一挙一動を見守ってきたのだ!」


 ん?


「本城さんの一部一部はこの頭の中に、確かな映像として残っている!」


 んん?


「そう! あの細い肩も、豊かに盛り上がった胸も、なのに折れそうな程ホッソリとしたウエストも、そして見事に張りのあるヒップ! しかも、そこから伸びるあのムッチリとした太もも! あっ……また鼻血が……」


 変態だ……ただただ変態だ……


「因みにだけど、制服の上からの想像だからね! 我々は常日頃から本城さんの肢体を観察、想像し鼻血を流していたのだ! そう、それは毎日の様に!」


「あっ、けど心配はいらないよ! 我々はその為に毎日食事には気を付けている」


「そうそう、レバーや牡蠣、アサリは毎日取るようにしているしね!」


 そ、それ痛風になるんじゃあ……


「そして見よ! 我々は常に増血剤も持ち歩いているのだあ!!」


 誠に増血剤を見せつけてくる四人……


 思わず腰が砕けそうになる……


「だが我々はそれをスマホで撮ったりはしない!」


 ん? 思いっきりしていそうだが?


「うんうん! それはマナー違反だからな!」


「脳内に焼き付ける! それが通というもの!」


「中には本城さんを隠し撮りする輩もいてね、我々はそれを阻止する役目も担っているんだ!」


 …………


「そして今回も倒れる寸前に写メを撮ろうとする輩がいたんだ。まあ倒れた後、そのスマホをブン取ったんだが、中身を確認すると……不思議と本城さんの姿だけ、マトモに写って無いんだ。見てみる?」


 七海だけ写って無い?


 不思議に思い、スマホを確認すると……


 本当だ! 七海にだけ、何故か全身モザイクがかかっている!

 あのユビゲイル男爵? や、風景はハッキリ写っているのに七海だけ何故?


 七海の存在自体が18禁……いや! 誰が規制を掛ける!!


 一人でノリツッコミをキメる誠……色々混乱しているようだ……


「多分だけど、あの本城さんが纏っていた虹色の光、あれが関係しているのかも?」


「だろうね、記録に残せないなんて、なんと神秘的なんだ!」


「ああ! 流石は我らか本城さん!」


「ふふふ……あの見事なヒップをまじまじと拝める男子は我々だけのようだ! 映像に残せず、チラリ見た男子生徒は皆倒れて行ったからね!」


 混乱している誠とは違い、冷静な分析力を見せる四人組、恐ろしいまでの変態パワーによるものだが……


「いやあ、しかしあの最後の【マリリン☆フラッシュ】だったっけ? あれ凄かったなあ! あれのおかげで失われた記憶が呼び起こされたよ!」


 三人掛りでボコボコにされ、記憶を奪われた彼、他の三人は気まづそうに頬をかく。


「ん?  ああ、大丈夫! 気にしてないよ。君達の気持ちも分かるからね! けどどうだった? 凄かっただろ? 何故僕がフェチになってしまったか、理解出来たかい」


「あ、ああ……あれは凄かった……」


「あんな……白くプルルンと……」


「本当に……我々も新たな境地に踏み込んでしまったようだ……」


 口々に感想を述べる三人、そして三人揃って頭を下げた。


「「「すまなかった!!」」」


 そんな三人に微笑み見下ろす男子生徒。


「やめてよ! もう気にしてないよ! あの素晴らしい光景を分かちあった仲間じゃないか! さあ頭を上げて」


「「「うおーーーー、同士よ!!!」」」


 誠の目の前で繰り広げられる安っぽい友情劇……だが……だが……


 変態ではある、間違いなく変態達なのだが……


 大物になるかも知れん……


 抱きしめ合う四人を見つめる誠。


 そしてようやく誠の父、進が手配した救急車のサイレンの音が辺りに鳴り響くのであった。


 


 

 変態四人組……(  ̄▽ ̄)スゲェェェ

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