必殺マリリン☆フラッシュ!!
さ、昨日書くだけ書いて、投稿するの忘れてました……
ノリノリで書いたおバカな回、書いただけで満足してしまったようですw
バカバカしいお話しですが、ご感想、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m
眼下の惨劇を気にも止めず、上空でユビゲイル男爵と対峙する七海、いや! マジカル☆マリリン。
ユビゲイル男爵はチラリ視線を地上に移し、溜息を一つ吐く。
「今、眼下に広がる惨劇……自分のせいだと気づいていますか?」
眼下の惨劇?
視線を地上に向けるマリリン。そこは……
血の海と化していた!!
次々と倒れて行く男子学生、それを女子達が介抱し、数人で担ぎ上げている。
そこには幼なじみである誠の姿もあった。
目を見開くマリリン、キッとユビゲイル男爵を睨みつける。
「これは……貴方の仕業ね!!」
思わぬ発言に耳を疑うユビゲイル男爵。
こ、この娘は……バカなのですか?
「許せない! このマジカル☆マリリンが成敗致します! 覚悟なさい!」
うっ……何やらポーズまで決めています……
話しは通じないようですね……まあいいでしょう。
先程の様子だと、恐らく【大魔法使いの涙】、手にして間がないと思われます。
使いこなすには時間が必要でしょう! ある意味、不幸中の幸いでしたね。
使いこなせない今なら、奪い返すのも容易!!
ユビゲイル男爵の両手に魔力が集まり出す。
「女性に手をあげるのは不本意ではありますが、秘宝を手に入れる為です! 少し痛い思いをするかもしれませんが……まあ一瞬の痛みです」
ユビゲイル男爵の両手から魔法が放たれた! 光り輝く魔法の玉がマリリンに襲い掛かる!!
自分に向けられた魔法弾に、一瞬ピクリ身体が固まるマリリン。
ダメよマリリン! 思いだすのよ、アニメのマリリンを!!
右手に持つマジカル☆ステッキを天高く掲げ、円を描く様にステッキを回す。
「マジカルう〜、シールド!!」
マリリンの目の前に円型のシールドが展開された!
スパーン! スパーン!
ユビゲイル男爵の放った二発の魔法弾がシールドに弾かれ消滅する。
目を丸くするユビゲイル男爵。
ど、どういう事だ!? 何故使いこなせる!!
動揺しているユビゲイル男爵にマリリンは言い放つ。
「今度は此方の番ね! 行くわよ! マジカルう〜、シャワー!!」
マジカル☆ステッキから無数のレーザとも言うべきか! 魔力の線となってユビゲイル男爵に襲い掛かった!
「くっ!」
レーザの様な魔法、ユビゲイル男爵は空を駆け、なんとか躱そうとするが、追尾機能を備えているかの様に追いかけて来る!
そして……
「ぐはっ!!!」
次々にユビゲイル男爵に突き刺さる魔法。
「ええい! 舐めるなあ!!」
叫ぶユビゲイル男爵、自身の魔力を高め球体型の魔力結界を張る。
結界に弾かれて行くマリリンの放ったレーザ型の魔法。だが何発かその身に受けたユビゲイル男爵は、結界の中でハアハアと息を荒くし、上空に浮かぶ力も失ったかのかゆっくり地上に落ちて行った。
「なんという……まさかここまで使いこなせるとは……些か侮っていた様ですね……」
地上に落とされたユビゲイル男爵は、まだ上空に浮かぶマリリンに視線を向ける。
「な、なんだ……と!」
ユビゲイル男爵の視線の先にある物……
ひらひらプリーツスカートを靡かせ、腕を組みドヤ顔の少女……たが、たが!!
「ま、丸見えです!! バカなのですか!?」
思わず叫ぶユビゲイル男爵。
ユビゲイル男爵の叫びにマリリンは首を傾げる。
丸見え? 何が? さては私を混乱させるつもりね! そうはさせないわよ!
「私はそんな誘いには騙されない! 正々堂々勝負しなさい!」
あ、アホだ……正真正銘アホの痴女だ……
確信するユビゲイル男爵。
マリリン、七海にしてみれば、今の自分は自身の愛してやまないマジカル☆マリリンになっているのだ。
どんな派手な動きをしようが、アニメ補正で見えちゃいけない物は見えないし、例え目の前で変身しようが正体はバレない!
今の七海の頭の中はファンタジーで溢れかえってたのだ!
普通に考えて、人が宙に浮いたり、魔法を放てたりはしない。だが、今自分はマリリンになり、宙に浮き、魔法を放てている。
なら! 全てはアニメのままの筈である!
現実とファンタジーの狭間にいる七海に、ユビゲイル男爵の言葉は届かない……
だが残念ながらこれは現実……モロに見えて、正体もバレバレなのだ!
そんなマリリンを唖然と見上げるユビゲイル男爵。その彼に異変が起こる!
鼻の下に何やら生暖かいものが……
そっと指を擦り取る。その指に付いているものは……血!? 鼻血であった!
さっきのダメージによるもの? いや違う! 今突然流れ出したのだ。
しかも……あ、あの見え隠れする白い物から目が離せない! ど、どういう事だ!
確かに美少女ではある。だが、少女の下着を見て鼻血が出る程興奮するなど……思春期の少年でもあるまいし……
いや、何かがおかしい、周りの惨劇もそう。たかが下着が見えただけで、如何に思春期の少年達とはいえこの様な……
ハッ! ま、まさか! これがアノ魔法国の王族、しかも女性にだけ受け継がれるという……そうなのか!?
しかし、我々にはソレに対する抗体を既に手にしている。だからこそ、我々は魔法国を手にする事が出来たのだ!
ならコレは一体……
鼻血を垂らし、呆然と考え込むユビゲイル男爵。
マリリンはそんなユビゲイル男爵見下ろし、マジカル☆ステッキを握る手に力を込める。
「その鼻から流れる赤い血、先程の攻撃がかなり効いた様ね! 大人しく立ち去りなさい。そうすればこれ以上攻撃は加えません!」
い、いや……確かに攻撃は効いたがこれは……だが、貴方の下着を見たからなどとても言えない……
言い訳も出来ぬユビゲイル男爵……あたふたしてしまい、逃げ出す事も出来ずにいた。
それをマリリンは勘違いしてしまう……
「そう……あくまで抵抗するつもりなのね……仕方ないわ! 世界の平和の為、私の必殺技で倒します!」
ちょ、ちょっと待ちなさい!
後ずさるユビゲイル男爵、マリリンはマジカル☆ステッキを天高く掲げる!
「私の中に流れるマジカル☆パワー! 今こそ、今こそ本来の輝きを! マジカルう〜」
やめなさい! おねがいだからやめて! そ、そんな……
マリリンが取るポーズから目が離せず、声も出せなくなる。
眼前のマリリンの魔力の高まり、それに伴い虹色の粒子がマリリンを包み込む!
掲げていたマジカル☆ステッキをユビゲイル男爵に向け、代わりに左腕を天に掲げる。
大きく腰を捻り、右足を前に左足は後ろでクロス!
「いくわよ! 必☆殺! マリリン☆フラーーーーッシュ!!」
瞬間! マリリンを包む虹色の光がいっそう輝き弾け、全方位からユビゲイル男爵を虹色の粒子が襲い掛かった!
防御体制を取り、結界を強めようとするユビゲイル男爵。
だがその時! マリリンに向かい一陣の風が舞う。その風はまたもやマリリンのプリーツスカートをまくり上げ、今度は此方に向いている白い臀部が顕になったのだ!
戦闘の為か少し食込み気味の下着から、下着に負けぬほど白く張りのあるお尻がはみ出している!!!
ダメージを受け続けるユビゲイル男爵だが、マリリンのお尻から目が離せすにいた!
何故だ! 何故目が離せない! たが……だが……ああ、マリリン……マリリン! もう……たまりません!!
ユビゲイル男爵の中で何かが弾けた。
すると!
ブッシャーーーーーーーーーー!!!
ユビゲイル男爵の鼻から大量の血が噴出!! そのジェット噴射の様な鼻血の勢いで空に身体ごと投げ出される! 勢いは収まらずどんどん加速して行き、更には空間に亀裂が生じ、ユビゲイル男爵はその亀裂の中に吸い込まれてしまった!
ふーっ、大きく息を吐くマリリン。
「終わったようね、じゃあ決めゼリフいくわよ!」
マジカル☆ステッキを持つ右腕を、その大きな胸元に当て、左手は腰に、長い両足を大きく広げる。
「成☆敗!」
決まった! 思いっきり決まってしまった……さて、この後どうしよう……
周りを見渡すと、目を丸くし固まっている誠と目が合った。
ここは誠に任せた方が良いかも? アニメのマリリンも、悪漢を倒した後はその場にとどまらず、立ち去っていたものね!
「悪漢は倒れました! 私はマリリン、マジカル☆マリリン! とうっ!!」
虹色の光を纏い飛び立つマリリン。
まるで自分の引き起してしまった惨劇から、逃げ出した様にしか見えない。
七海にはその自覚は全くないのだが……
その光景を呆気に取られ、見送る事しか出来ない誠と女子生徒達……
あんぐり口を開けマリリンが飛び去った空を見上げるのであった。
因みに本日のマリリンは白にリボンが付いたヤツです。