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常夏の思い出

 プロローグ含め三話目の投稿です。

 真に下らないお話しとなっております。


 書き溜めたのが減っていく恐怖……いつまで経っても慣れませぬ……頑張って書かねば!


 と、いう訳で(なにが?)ご意見、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m

 本城七海が住むこの街は、大小様々なビルが立ち並び、人口も一千万を超えるこの国有数の一大都市である。

 昼間の喧騒もそうだが、日が落ち夜になってもネオンの火が落ちる事は少ない。


 政令指定都市 姫神ひめがみ


 十六年前に突然市民の反対を押し切り合併。

 当時は揉めに揉め、市長の更迭、政府まで傾き掛ける程の混乱を招いたが、両市も政府も何故か頑なに合併を推し進め現在に至る。

 何故そこまでして合併を推し進めたのか、現在では合併推進派の議員達は一線を退き、頑なに口を閉ざしてしまっている為、十六年経った今も謎のままである。


 そんな姫神市のほぼ中心部に、七海が通う私立成城学園があった。


 この街の複数の有力者達によって運営されている学園、私立ではあるが国からも支援があるという噂もある。


 当然の事ながら入るのは超難関であり、入学後も厳しい試練が待っている。

 勉学も然ることながら、学園内の出来事は何故か親兄弟にも話す事は出来ず、周りからは内密に軍事教育でもしているのでは? 等と噂される程だ。


 その学園を超高層ビルの屋上から見下ろす者がいる。

 シルクハットを目深に被り、黒のタキシード姿、ステッキを持つ手は白い手袋を履いている。


「なるほど……あんな所に隠していたんですね! 見事な結界、どうりで見つからない筈です。ですが……」


 ニヤリと口元を歪め


「この大魔法使い、ユビゲイル男爵が来たからには……奪わせて頂きますよ! 魔法国の秘宝【大魔法使いの涙 】を!!」


 言い終わるやいなや音も無く姿が掻き消えてしまった。

 彼が消えた後は眩い光の粒子が輝き舞い上がる。

 その光もやがて消えてしまい、彼がいた痕跡は何処にも残ってはいなかった。




 学園のベンチに座り静かに文庫本に目を落とす七海。

 実は彼女、文庫本を読んでいるわけではない! 昨晩夢中になって見ていたアニメ、マジカル☆マリリンを思い返し内心でニタニタしていたのだ!!


 そんな事とは露知らず、学園の男子はベンチで読書をする七海の姿に見とれてしまっている。


「本城さん……今日も可愛いよなあ、本城さんが着ると、我が学園の地味なブレザーでさえ輝いて見える!」


「ああ、確かに! それに清楚な見た目に立ち振る舞い……流石大女優の娘さん!」


「あの細い肩に折れてしまいそうな腰周り……けど……けど!!」


「分かる! 分かるぞ! お前が言わんとする事は!!」


「「「埋もれてみたい!!!」」」


 バカ達である……


「ふふふ、貴様達。本城さんの素晴らしさはそれだけではない!」


 そ、それだけではないだ……と!! 本城さんの何を知っているんだ!?


「……たまたま、本当に偶然だったんだが、昨年の夏休み、俺が家族とかの南の楽園ファワイに行ったのは知っているだろ?」


 確かそんな事言っていたな……


 この学園の生徒なら休みに海外旅行なんて珍しくもなく、ましてやド定番の常夏の島ファワイなどド定番過ぎて敬遠される程なのだ。

 最近ではマイナーな国に行く事が流行で、ファワイに行く生徒はほとんどいない。

 

 なのに夏休み明けのコイツは終始ニヤついていて、暫く何を話し掛けても上の空であった。

 もう皆ファワイなど幼い頃より行き慣れていて、何がそんなに楽しかったんだ? と疑問に思っいたのだが……

 先程のコイツの言動に、夏休み明けのあのニヤつき……ま、まさか!!


「ふふふ、気付いたようだな! 本城一家も昨年の夏休み、ファワイに来ていたのさっ!! そして偶然にも俺はビーチではしゃぐ本城さんを見つけてしまったのだあ!!!」


「「「な、なにい!!!!!!」」」


 び、ビーチでだ……と!! という事はその時の本城さんは……


「当然水着だった!!」


 ぬおおおお!!!


 頭を抱えもんどり打つ男子生徒達!


「上半身は水着の上からTシャツを来ていたからちゃんとは確認出来なかったが、それはそれは豊かな盛り上がりで……本城さんが走る度にたっぷんたっぷんと……」


 当時の記憶が蘇って来たのであろう、だらしなく顔を歪ませている……

 

 その様子に思わず殺意を覚える男子生徒達。


 だが、コイツの話しはまだ終わってはいない。殺すのなら全て聞き出してからだ!


 唇を噛み締め話しの続きを促す。


「おっとスマンスマン。それでだ、ここからが本題なのだ! 少し大きめのTシャツの裾から彼女の真っ白でムッチリした太ももが覗き、小さな膝小僧から下は驚く程長く細い! それだけでもご飯三杯いけそうなんだが、その後俺の……俺の価値観を百八十度変えてしまう程の事件が起こる! いや……起こってしまったのだ!!」


 太もも云々だけでもボコボコにしたい衝動に駆られるが、まだ話しは終わってはいない……唇から赤い血が流れ出している……


「俺は……見てしまった! あの可憐なヒップを!! 動いていた為か少し食い込むピンクの水着からはみ出るシミひとつ無い真っ白な……い、イカン! 思い出したら鼻血が……」


 なんだと!!! こ、コイツは我らが憧れ本城七海さんの白い臀部を見たって事か!!!


 鼻血を垂らしながら恍惚の表情を浮かべている……


「それからだ! 彼女のお尻の映像が瞼に焼き付いて……ふっ、俺は ”お尻フェチ” になってしまったのさっ!」


 バコっ!!


 後ろから思いっきり殴られる!


 バコっ!! ボコっ!! ズドっ!!


 倒れたところに三人掛りで蹴りを入れる!


「記憶を消去させる! そんな記憶……我々が消滅させてくれよう!!」


 この後、この男子学生達は一部記憶を失う事となるのだが、お尻フェチだけは治らなかった……とさ……



 


 

 

 き、記憶の消去……カタ:( ;´꒳`;):カタ

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