プロローグ
新連載開始しました。
恐らく二十話前後の短めのお話しの予定です。
(予定は未定……もっと短くなったり、長くなったりするかも……)
とりあえず、本日はこのプロローグ含め、二話投稿致します。
ご意見、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m
私立成城学園。
国内でも有数の進学校であり、また裕福な家庭で育つ子供達が集められた中高一貫の学園でもある。
言わるエリート校だ。
その成城学園構内にある中庭を、一人の少女が文庫本を読みながら静かに歩いていた。
身長は百六十センチ程であろうか、あまり背は高くないのだが、美しい姿勢、細身の身体のせいか実際より高くみえる。
腰まである光沢のあるストレートの黒髪が、中庭を吹き抜けるそよ風により僅かに揺れる。そよ風を受け、そっと本を閉じ気持ち良さげに空を見上げた。
綺麗に弧を描く眉に、少しキツく見えるがくっきりと描かれた二重の大きな瞳、美しく通った鼻筋に、本人は気にしているがふっくらとした唇が僅かに綻ぶ。
本城七海16歳。
今年二年生になった七海だが、いわゆる学園のアイドル、いや、今は使われなくなった言葉だが ”マドンナ” と言った方が良いであろう。
今時のアイドルといえば、どちらかというと親しみやすさの様なものも必要かも知れない。
だが彼女には人を寄せ付けない雰囲気を感じさせる。
それもそのはずで、父親は誰もが知る大会社の社長兼会長、母親は元国民的大女優なのだ!!
裕福な子息が通うこの学園においても頭一つ二つ飛び抜けた存在。彼女の父と取引をしている会社の子息もいるし、引退した彼女の母だが、未だに彼らの父兄には大ファンが多数存在している。
幾ら彼女が美しく、話し掛けたくともそうそう近づけるものでもない。
そういう意味でも七海は学園のマドンナ、此方からは声を掛けづらい相手なのである。
だが、当の本人は薄々は自分が周りから浮いているとは気がついているのだが、それはそれで良いと思っていたりする。
別に七海が人嫌いであったり、周りを下に見ているわけでもない。
ただただ彼女の ”趣味” のせいなのだ!
「良い風ね! さあ早く帰って” アレ” を見なきゃ! 今日からまた新シーズンが始まるもの!!」
周りき聞こえない様に呟き少し早歩きで校門に向かう七海。
この時彼女はまだ知らない。
自分がマジカル☆マリリンになる事など……
なっちゃうの?