幼馴染が学園の王子様とカップルになったと思ったら、俺もその輪に入れられた件
男装王子様系ヒロイン…古くはベルサイユの薔薇などで描かれたその存在は私たちの心を鷲掴みにし、三流やる夫スレ作者の私の胸をも打ち抜きました。
男・装・王・子・様・系・ヒロインあぁ、なんて素敵なんだ!
あふれんばかりの男装王子様系ヒロインへの情が抑えられなくなった私は
遂にその存在を小説として書き出すことを決意、33回目の春を迎えてのことだった(年齢詐称)
脱サラして一人田舎へと移住し、フランス産のフレーバーを試す等、日々理想の男装王子様系ヒロインとは何かを研究し試行錯誤しながら徐々にモノとして作り上げ(経歴詐称)
生まれたのがこの作品です。
青い空 輝く太陽 なんて素敵なんだ! み~んな 皆僕の友達!
今日は死ぬには持ってこいデー!ウキウキだねっ
俺は浮ついた足で自室の押し入れにしまっておいたロープを取り出し
輪を作って部屋に垂らすと
「いや、朝から何してんのよ!」
と隣に住む幼馴染に後ろから脳天をチョップされた
「痛ってぇな~ 死なせろや!」
「怒るとこそこか!」
これが噂に聞く女子の逆切れ…
「大体アンタ何しようとしてたのよ!」
「いや、これはさ…えっと…その…仙人に成るためのだな…」
「嘘おっしゃい!」
「(´・ω・`)」
一喝されてしまった… ぴえん
彼女は椎名ヤブーラカ舞衣 日本人の父とロシア人のド〇えもんとの間に生まれたハーフの女子
見る者を引き付けるエキセントリックな瞳と白く美しい髪、長い睫毛、右目の下のセクシーな涙ボクロ
面立ちは少しギャルっぽいがすさまじく整っていて
スタイルもロシア人譲りのダイナマイトバディッ!
彼女が街を歩けば男女関わらずほとんどの人間がその美しさに振り向いてしまう。かくいう俺もいつも振り向いている。今日もさっそく振り向いた、脳天チョップで
そんな舞衣と俺は幼馴染で小学生の頃からの付き合いだ
小さい時はよく将来はアンタのお嫁さんになるぅ~と言っていたのに今やこいつは…
「おい、朝のこの時間に俺のとこなんかにいていいのかよ?」
「え?何で?」
「いや、王子様はいいのか?」
「あっ!もうそんな時間!」
彼女は時計を見るやいなやそそくさと部屋を出て行った…
よし、これでもう邪魔はいない、俺は再びロープを手に取ると…
「あっ!言っとくけど、そのロープ千切れやすいように細工してあるから」
出て行ったハズの舞衣が伝え忘れた言伝でもあるかのように俺に一声かけ再び出て行った
そうアイツの心は今や学園の王子様のものだ
沖田光月、全校の女子人気を欲しいままにするあの男
成績優秀、容姿端麗
非の打ちどころがないアイツは出自までもが俺ら凡人とは違う
奴の実家は旧華族のお家柄であり、彼自身もその肩書に恥じないような男だ
何せテストは毎回学年1位 絵画はコンクール金賞 助っ人として入った剣道部では団体でインターハイまで行く原動力となった男だ
そしておまけにあの甘いマスク、女子にドン引きされないような程よく引き締まった体型、長い手足
俺がアイツに勝っているところなんて背が少し高いぐらいのものだ
とほほ、あたしゃもういやになんね…
そんなヤツの登校時には女子生徒たちによる出待ちの列が生まれる
登校の出待ちって何だよ
そしてその王子様の横に立つ姫君が舞衣って訳だ
かなしいなぁ
俺は舞衣が作ってくれていた朝食を平らげモーニングコーヒーを飲み干し
帰りにホームショップで新しいロープを買うことを決心して学校へ向かった
いや、実を言うと向かいたくないんだけどね…
何せ俺はその王子様とある厄介ゴトを共有するハメになったのだから…
続きはあなたの胸の中に…(気が向いたら書きます)