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七話

レオンハルト領の領境。


「一尉、偵察UAVからの信号途絶!何者かに撃墜された模様です!」


「なに!信号途絶直前のデータを解析しろ。何があったか調べるんだ。私は司令部に報告する。」


⭐︎⭐︎⭐︎


ドン、ドン、ドン


乱暴なノックと共に、クラインが入ってきた。


「失礼します。アベルト様、急ぎの報告があります。」


「少し落ち着け。何があった?」


「東方、オラクルベリー近郊にて中規模の宙賊を発見。これとオラクルベリー派遣隊が交戦中、救援要請も入っています。」


中規模というくらいだからそこそこの戦力があるようだな。現状、軍部が手薄になってることを狙ってきたのか。イヤらしい奴らだ。


「賊の戦力に関する資料を提出させろ。それと先日購入した戦艦、巡洋艦、補給艦等をクラインの判断で派遣しろ。」


そう言って立ち上がる。


「アベルト様はどちらへ?」


「第七兵器開発局だ。お前も艦隊の派遣が済んだら合流しろ。」


「承知いたしました。」


第七に行くと言ったのが不思議なのだろう。一瞬ポカンとしたクラインを横目で見つつ、俺はエレンを探しにいった。


⭐︎⭐︎⭐︎


「本機、ワープアウトします。」


飛行機みたいに機内アナウンスがあった。向かいに座っているエレンは、端末で敵戦力の確認をしている。


「オラクルベリー隊の戦況はどうだ?」


「遅帯戦闘を行なっています。しかし長くはもたないと思います。中破も出始めています。」


「あと1日くらいもたせてくれと伝えてくれ。」


今、俺たちは、第七兵器開発局に向かっている。救援のための戦力を整えるためだ。


「着陸態勢に入ります。揺れにご注意ください。」


垂直離着陸ならあんまり揺れなさそうだから、今度は替えてもらおっかな。


⭐︎⭐︎⭐︎


第七兵器開発局に着くと、フィオが入口で迎えてくれた。


「ようこそいらっしゃいました!本当ならもっと盛大にお出迎えしたいところですが。」


「あぁ。緊急事態だから、またの機会にな。それはそうと次元潜航艦の準備はどうだ?」


「テスト航海したばかりなので、安定性については保証し兼ねますが、潜航は可能です。急ピッチで武器の装備を行なっています。あと1時間以内には終了する予定です。」


この間のフィアとの商談で開発を進めていた船が次元潜航艦だ。だいぶ端折って説明すれば、宇宙の潜水艦だ。だが潜るのは海ではなく、亜空間だ。


「分かった。作業を急がせてくれ。エレン、艦橋に行ってオラクルベリーまでの航路を策定してきくれ。作業終了次第、出港する。」


「かしこまりました。ご主人様も乗艦されるのですか?」


「もちろんだ。そのためにここまで来たんだからな。」


「え、えぇーー!アベルト様も乗られるんですか!まだ処女航海の段階ですよ!」


フィオのやつ驚きすぎだろ。こんなファンタジーしてる船にならないやつなんか居ないだろ。


「まぁ、それはあるがなんとかなるだろ。それに次元潜航型は初の試みなんだろ?亜空間にいればさほど危険じゃないさ。」


「まぁ、確かにそれはそうですけど。分かりました。私も乗ります!乗らせてください!」


「はぁ?なんでだ。それにこれから行くところは戦場だぞ。遊びじゃないんだ。」


「まだ処女航海も終わってないのに、ポイって渡せるわけないじゃないですか!それにトラブルとか起きても技術屋さんがいた方が役立つと思いませんか!」


「たしかに、それはあるな。しょうがない。エレンと一緒に出港準備は頼んだ。」


あとはクラインが到着すれば、救援に向かえるな。なんとか持ち堪えてくれてると良いが。





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