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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私と魔導書と獣人

作者: ねこぼし

名前考えるのが面倒だったので名前はないです。


前世ではいじめられっ子だった。

理由は天然パーマの髪が気持ち悪いからだってさ。


大人になっても会社でいじめられてた。私の人生はずっとこのままだと思ったら笑えてきたので、笑って空を飛んだのを覚えている。


そして私は前世の記憶を持ったまま産まれた。

それにしても前世の嫌な記憶を持ったままなんて最悪だ。しかも両親は前世の時より糞だった。私を物置に閉じ込め殺さないように虐待してきた。殺したら楽しみが減るんだってさ。

生まれ変わってもこんな人生じゃ笑えるよね。


そんなある日、父親に投げ飛ばされ物置の物が私に崩れ落ちた。

その中から名前のない魔導書を見つけた。この魔導書も私と同じで汚くボロボロだった。

でも見たことない字だったのに読めたので、暇つぶしに読むとこの世界には魔法というものがあるのを知った。

魔導書には色んな魔法が書いてあって、毎日毎日飽きずに読んでいた。



「ぎゃああああ!!助けてくれえぇぇぇ!!」



父の叫び声がしたが私はいつもの様に魔導書を読んでいた。色んな魔法が書いてあり、見てるだけでもワクワクしてくる。

そのうち母の叫び声もしたが無視した。しばらくして物置のドアが開くと柄の悪そうな男が入ってきた。



「子供がいたか」



私が男を見ると剣を向けてきた。



「お前の両親は罰を受けて死んだ、悪いがお前も死んでもらう。あとあと復讐されても困るからな、恨むなら親を恨め」



復讐と言われて思わず笑ってしまった。あの両親だった人のために復讐なんてする訳ないのに。

それを見て男は眉を寄せて私に問掛ける。



「何を笑っている。恐怖で頭でもおかしくなったか?」



前世ではいじめられて死んで、生まれ変わったら虐待されて親のせいで死ぬ。


異世界だから正義の味方とかいるのかと思った。だからいつか誰か助けに来てくれると思った、それとも私のところには来ないのかしら。



「じゃあな嬢ちゃん」



男が腕を振り上げた瞬間、魔導書が光ると私は無意識に手を横へ振った。

そうすれば目を見開いた男の上半身が地面に落ちた。結構気持ち悪い。

それにしても今私は魔法を使ったのだろうか?不思議そうに魔導書を見ると微かに光った。



「ふふ、ありがとう」



なんだか酷く心は澄み切っている。

もっと殺したことに罪悪感があると思ったけどないのね。

魔導書を撫でると微かに光った。思わず笑みが零れる。



「あなたもそうなの?」



さてと、これからどうしょうか。


私は血塗れのまま空を見上げた。





*ーーーーーーーーーーーーーーーーー*





次の日隣町に来ていた。魔導書って便利ね一瞬で町の中に移動できたわ。

にしても移動した場所は薄暗い路地裏って感じね。

初めて物置から出たから色々とよく分からないから少し不安だけど。

あたりを見渡すと誰かがいる、この人にこの町のこととか聞いてみよう。




「あら、死んでる」



人の型をしていたが顔は犬で、手足も犬にそっくりだ。尻尾が生えている。ただし血濡れでその目は閉じて壁を背に座っていた。



「残念、色々聞きたかったけど……そういえば前世で犬飼ってたわ」



とても人懐っこく私もそうだが家族から愛されていたし元気でやってるだろうな。可愛かったな、帰ったら迎えてくれて泣いてた私を唯一慰めてくれた。



「………」



ふと魔導書が目の前に現れた。空中に浮いて、まるで私を見ているみたいだ。



「あら、私の心でも読んだのかしら?」



微かに光った魔導書に私は小さく笑った。魔導書を手に取ると勝手にページがめくれて、あるページで止まった。



「へぇ、蘇生魔法なんてあるの?」



私は魔導書に書かれた文字をなぞると死んでいる獣人に光が降り注ぐ。



「起きたら、殺されたりしないかしら」



しばらく待っていると獣人は目を覚ました。ゆっくりと体を起こして地面に座り込んでいる。自分の手を見つめたり握ったり胸に手を当てたり。



「ふふ」



なんだか面白くて笑うと獣人は勢いよく私を見た。どうやら全く気づいていなかったらしい。驚いたように目を見開きつつも、子供である私に警戒している。

その姿も面白くて笑ってしまった。



「生き返った気分はどうかしら?」




「生き返った?じゃあやっぱり俺は死んだんだよな」



「えぇそうよ」



「…お前が俺を生き返したのか、でもそんなことが出来るのか?」



「ふふ、頭のいい子ね」



頭を撫でると獣人は慌てて私から離れた。



「何が目的だ」



「目的?この町のことを教えて欲しいの、どんな町なのかなって」



そう言うと獣人は戸惑ったように私を見た。



「もしかして知らないのね、じゃあこの世界にはお金とかあるのかしら?」




「あるが…、お前はどこかの貴族か?」



「貴族?そんな人もいるのね」



もしかしてお城とか王様とかいるのかしら、面白そう。



「お前何者だ?お金のことをこの町のことも知らない、貴族でもない…いったい…」



「悪いけど何者って言われてもただの女の子よ、ちなみにいつも糞ガキって呼ばれてたけど、それって名前になるのかしら」



もしそうだったら嫌だわ。



「いやすまん、嫌なこと思い出させたな」



獣人の耳がしょんぼりと伏せられるのを見て私は思わずまた頭を撫でた。今度は逃げられなかったわ。ちょっと血とかでボサボサね、洗ってあげたいわ。



「お前狼族のこと怖くないのか?」



「狼族って貴方のこと?貴方は怖くないわね」



「そうか」



私は魔導書を片手に持つと勝手に開いたページの文字をなぞった。この魔法で私の服も綺麗になったし大丈夫よね。

すると獣人の体に水色の光が包み込むと、綺麗な体になった。銀色の毛並みに金色の瞳はとてもかっこよかった。

お腹らへんも銀色の毛が生えているということは犬が二足歩行してるって感じなのかしら。



「今のは魔法か?」




「えぇそうよ」



ズボンを穿いているが、上は何も着ていない。だからお腹を触るとふわふわよ。凄い魔法だわ、さすが魔導書。

しかもなんかいい匂いね、獣臭くないわ。うーんいつまでも触っていたい。



「な、なぁ」



「何、今忙しいから手短にしてちょうだい」



「あまり触られると恥ずかしいんだが」



私はその言葉に撫でる手を止めて獣人を見た。



「あらごめんなさい、素敵な毛並みだったのでつい」



渋々離れると獣人は立ち上がって私を見下ろした。



「お前、1人なんだろ?」



「えぇそうよ」



「良かったら俺と一緒に行かないか?」



言葉の意味が分からず首を傾げると獣人は苦笑いした。犬の顔でも苦笑いって出来るのね。



「お前まだ子供だろ、この町はあまり治安がが良くない。まぁ俺を生き返したのが本当なら大丈夫かもしれないが、隣の町へ俺が連れて行ってやる。その途中でお金とか色々この世界のこと教えてやるぞ」



「あら助かるわ」



魔導書を使えば一瞬で移動できるが、それよりこの獣人の毛並みをまだ撫でるチャンスがある方が大事だ。



「じゃあこれからよろしく」



「えぇ、よろしくね」



握手をすると肉球らしきものに触れた。ちょっと硬いけど気持ちいい。



「な、なぁ手を離してくれないか?」



「私子供なの、だからはぐれないように手を繋いがないとダメでしょ」



「まぁそうだが、手を揉むのやめてくれ」



「いいじゃない、減るもんじゃないし」



私は魔導書を消すと両手で獣人の手を握った。



「さ!行くわよ」



「あ、あぁ」



獣人と私は路地裏から歩き出した。




*ーーーーーーーーーーーーーーーーー*



私(女の子)

前世の記憶と今回の虐待で少し頭がおかしくなった女の子。魔導書と出会い魔法が使えるようになった。何となく魔導書が言ってることがわかるような気がしている。

あの後道中獣人から色々なことを教えてもらう、お金の使い方、食べられるものなど。お礼にいっぱい獣人を撫で回し肉球を触っている。



獣人(雄)

人間に騙され殺された獣人。私のおかけで生き返った。人間は恨んでいるが助けてくれた子供を手にかけるのは気が引けたのでやめた。

そのかわり助けてくれたお礼にと一緒に隣町に行くことにした。何も知らない私に1人で生きていけるよう色々と教えてあげるが、その度に撫で回してきて困ってしまう。



私を虐めて楽しんでいた。色んな人を騙して脅していた。男に殺される。



私を虐めて楽しんでいた。しかし父から私を死なせるなと言われ世話をしていたが、それが苦痛だったので父と私を殺そうと男を雇ったが、その男に殺される。


柄の悪そうな男

母から依頼されて殺しに来た男。実は父に騙され家族を失っていた。父の家族を皆殺しにしようとしたが、私に殺され上半身と下半身が離れてしまった。


名前のない魔導書

最初は汚かったが私に綺麗されて嬉しくなって私を気に入った。

実は意思がある珍しい魔導書。


初投稿です。読んで頂いてありがとうございました。

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