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7人

なんなんだこの人狼ゲームは。死ぬとか書いてあったし、意味分かんねぇよ。

コンコン

ここでドアのノックの音がした。思わず身構えるが、ルールだと深夜のはずだし礼儀正しくノックするわけがない。

「はい?」

「あのぉ・・・・・・ですか?」

声が小さくて聞き取れない。

「すいません。聞こえないです」

「・・・・・・です?」

聞こえん・・・。仕方無いからドアまで出ていく。

「どうしました?」

ドンッ、アウッ!

なにかにぶつけた音がした。

「あ!大丈夫ですか?」

「・・・大丈夫デス、あの・・・隣の春川メイ(はるかわめい)です」

そこにいたのは金髪の背の小さなまるでお人形のような女の子だった。

「え、あっと仲木拓磨です。よろしくお願いします」

なんでこんなとこにこんな子がいるんだ?

「まだなにがなんだか分からなくて・・・。それで他の人が近くにいたらなって思って・・・」

この子も動揺してるんだ。こんなよく分からないところなら当然か。

「あの・・・迷惑ですか?」

「いやいや、大丈夫大丈夫。むしろこっちからお願いしたいくらいだよ」

パアッと表情が明るくなる。

「やった!じゃあ一緒に行こ!お兄ちゃん」

と言って手を繋ぐ。俺はロリコンではないが少しぐらついてしまったのは仕方の無いことだ。



この建物は2階建ての構造になっていた。2階が俺たちが寝泊まりする部屋がある。1階には、広いくつろげそうなリビングと食堂のようなとこ。そして真っ黒なドアノブが無いドア。テレビは見当たらない。家具は大きな古時計とモニターと冷蔵庫とレンジだけ。モニターにはリモコンが置いていない。外の情報は入れたくないように感じる。

「あの!」

リビングにいた男が声をあげる。

「ひとまず自己紹介とかしませんかね?」

「ふざけんじゃないわよ!こんな状況で自己紹介なんかやってられないわよ!」

第一印象マダムな人が甲高い声で反論する。

「こんな状況だからこそです。みんなで情報を共有して現状を理解しましょう」

「・・・まあそーね、じゃああなたから言いなさいよ」

「わかりました」

ここで先ほどの第一印象リーダーが話し始める。

「僕の名前は夏森龍太(なつもりりゅうた)です高校3年です。では隣のあなたからお願いします」

右の第一印象ザ・チャラ男が話し出す。

「りょうかいっす、俺は赤石楽(あかいしらく)って言います。えーと中卒っす」

次は第一印象博士。

緑川秀二(みどりかわしゅうじ)です。医者をやっていました。どうぞよろしく」

次は第一印象クールなセクシー女性。

「冬元さつきです。普通のOLやっています」

隣のメイだ。

「春川メイです。中学校1年生です、よろしくお願いします」

そして俺。

「仲木拓磨です。高1です、よろしくお願いします」

次は先ほどのマダム。

秋野麗子(あきのれいこ)ですわ。よろしく」

次は第一印象ご隠居のご老人。

「佐々木竜之介じゃ、よろしくの」

次は・・・

ゴーンゴーンゴーン

近くの古時計がなる。アナウンスで、さっきの女の声がする。

『午後9時になりました。今夜の投票を30秒以内に行ってください。行わない場合失格となります』秒針がうるさく動き出した。



一瞬で周りの空気がざわめいた。これから投票で決めなければいけない、吊るしあげる人を。

「え、ヤダ。ちょっと待ってよ!」

そんな声を聞いても無慈悲に秒針は動く。

「わかった!まずは俺に指してくれ!俺が試してやる!」

夏森龍太が声をあげる。

「いいのか?」

聞いてみるが、もう時間が無い。

全員が夏森龍太を指さす。夏森自身も。

『投票が完了いたしました。今夜は夏森龍太さんに決定しました』

途端真っ黒なドアから2人の黒服の男が出てきた。そして夏森龍太を捕まえ、連れていく。

「なにすんだよ!離せ!」

大の大人2人がかりだ。すぐに夏森は連れていかれた。そしてモニターがついた。そこには真っ黒な服で手足を縛られた夏森がいた。

『では死刑を執行します』

穴から大量のスズメバチが入ってきた。自分がどんな状況に置かれているか理解した夏森は必死に逃げようとするが、動くことはかえってマイナスだ。標的を見つけたスズメバチが夏森に群がる。

「やめろ!やめろ!」

悲鳴といっしょに声が聞こえていたが、その悲鳴すらも数分すれば聞こえなくなっていた。


隣のメイが座り込んで、泣き出してしまった。こんなの見せられたのだから当然だ。

「こんなのやってらんねえ!」

みんなが唖然と立ち尽くしているなか自己紹介をしていない、1人の男が逃げだした。窓ガラスを割って逃げようとする。

『この建物からの逃走は失格です』

アナウンスから警告のような声が聞こえるが、そのまま男は外に出た。

ダダダダダッ

銃声のようなものが何十発も聞こえた。きっとあの男は生きていないだろう。

『今夜の投票は終了しました。各自自分の部屋に戻ってください』

泣きじゃくるメイを部屋に連れて行き、俺は自分の部屋に戻った。これからどうなっていくんだろうか。とても不安だったが、今日はとても疲れていて布団に入った途端すぐに眠ってしまった。



朝、マダム改め秋野麗子の悲鳴で起きた。急いでその場所に向かってみるとモニターには心臓を一突きされた、自己紹介されていないもう1人の男が映っていた。

次話は2週間後!

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