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silver sword~光と影~  作者: 神無 輪音
4/12

そして光と影は別れる

更新が滞る前にこいつをいれなきゃ…ガクッ

暗く奈落の底へと続くかのような長い螺旋階段を沙毅の靴音だけが響く中降りていく。


「長いな…」


そうぼやきつつ更に降りていくこと15分、階段がついに終わり厳かな雰囲気を放つ扉が現れた。


「扉…にしては押しても開かねぇな、かといって引くための取っ手もない」


扉を一通り調べたがどうやら開けられないようだ。

その後もさらに調べ続けてもなにもでない。


「扉じゃないのか?」


今度は扉ではなく回りを調べてみる。



すると扉から3歩離れた場所の床に穴があるのを見つけた。


「穴と言ったら何かささなきゃあかんでしょ」


そういいつつこの世界に来てから共に過ごしてきた相棒「ゴボウ」を穴にさしてみた。


「頼むゴボウ、お前しか頼れないんだ……」


すると…ガゴンッと扉から音がした

扉を開けた本人はというと「特売品のゴボウはあなどれねぇな」と冷や汗を流していた。

扉が開いていくとそこには広いスペースがありまるで祭壇だった。


「まるでどっかの覚者が頑張る宿屋の地下だな」


沙毅がそういうと床を覆うような魔方陣が現れた。

やがて魔方陣は輝きを放つと光は一際輝くと段々と収まって生き後には一人の女性だけが残されていた。

沙毅は警戒しつつ女性を観察する。


「人…なのか?」


そう疑問に思うのも無理はない。なぜなら彼女の背には黒く染まった羽があったのだ。

やがて女性は目を開けると沙毅の方を向いた。


「なんで、なんで貴方は来てしまったの?」


そういうと女性は優しさを感じさせるエメラルドグリーンの瞳に涙を溜めながら沙毅に喋りかけた。


「貴方はここには来てはいけなかったの…私の事を覚えてッ」


不意に女性は口をとざすと


「そう…だったわね。私が貴方の記憶を封印から貴方は私の事を覚えてないよね」


そういうと女性は沙毅の方に近づいて行く。

沙毅は沙毅で焦っていた。


(なんでだ、俺はこいつを知らないし何よりゴボウがいい証拠だ。あれは俺が冷蔵庫から出した時の…待てよ冷蔵庫から出した時は袋付きの5本入りだった、だが目が覚めた時持っていたのは1本だけ。近くに袋は落ちていなかったしそれらしきものもなかった。なら何処へ消えた?いやいつ《・・》消えた?)


女性はついに堪えられなくなったのか涙を流しながら沙毅に近づいてきた。


(それにさっきこいつは俺の記憶を封印したと言った。つまり他のゴボウが消えるまでの時間こいつといたと言うことか)

そして女性の手が沙毅に触れた時、沙毅は懐かしく感じた。


「君は…俺のなんだ?」


それに女性は笑ってこう言った


「私はフィー。私は貴方の仲間。貴方は私の大切な人。またあえて良かった」


そういうと沙毅は頭の中で繋がらなかった事柄が全て繋がった

「フィー!!!」


そう叫ぶと沙毅はフィーを抱き締めた。まるで存在を確かめるかの様に、命の恩人がここにいると確かめるように。

沙毅が異世界で目を覚ました最初の時沙毅はサイクロプスと遭遇してしまった

まさにサイクロプスに殺されてしまうその時、沙毅は天使を見た

天使はサイクロプスに対し何かをいいつつ手をかざすと天使の手から稲妻がほとばしりサイクロプスを瞬殺した。

沙毅は天使がサイクロプスを倒した後天使がこちらに向かってくるのを見ながら意識を手放した。

その天使がフィーだった。

その後沙毅はフィーと共に旅をし持ってきていたゴボウを1本だけ残し売り払い旅をするとフィーはしばらく帰省ことにしたのだ。


「でもフィーあの後どうs」


その言葉は最後まで続かなかった。


「え」


フィーの胸からは剣が出ていた

あまりの事態に反応が遅れた沙毅

そしてフィーを手にかけた奴は剣を抜くと次は沙毅に対し突きを放つ

沙毅はフィーから剣が抜かれると力なく倒れるフィーを抱いたまま飛び退く

しばらく追撃を警戒していたが追撃の様子はない、フィーの傷を警戒しながら見たが分からない事に前には傷が…ない

追撃のない今沙毅は相手の顔を見たがそこには…

自分の・・・・が居た

沙毅は自分がなぜ目の前の奴が自分の影か分からなかった、だが自分の足下を見るとあるはずの影がない。

沙毅が自分の足下を確認したのを見ると何処かへと消えていった。


「とりあえずフィーを安全な場所に移さないと」


幸いフィーは気を失っていたが今だ予断を許さない状況だ。

奥に扉があったがここよりはいいだろうとのことで扉の方へ踏み出したら…視界が突然変わった。

視界が変わり、次に見たのは幻想的な景色としか言い様がない場所だった。

月と星で空は埋まり、沙毅とフィーの側には小川は流れている。

そして何よりまるで雪のように光が降っている。


「ここは…いったい」


「ここは…エリュシオン」


「フィー目が覚めたのか?」


「うん、もう平気」


そういうとフィーは沙毅に微笑みかけた


「でエリュシオンって?」


「誰が発見したか分からない…けどこの世界の誰もが知ってる場所。まだ見つかってないからお伽噺になってるんだ」


「ここがそのエリュシオン…」


この景色存分に堪能し終わった沙毅にフィーは辛そうな顔をしながら


「沙毅に1つだけお願いしたい事があるの」


そういうと沙毅から離れてフィーはこう言った


「私はさっきのあいつに魂の方に呪をいれられた。

だから…私は自分を封印する…」


すでに涙を流しながら彼女はさらにこう続けた


「私を忘れないで。私を思い出して会話はできないけどたまには会いに来て。それと」


彼女は泣き顔で微笑みながら


「助けて、何年かかってもいい。貴方はあいつに時間を取られた。だから老いることはないから、私を…助けて!!」


すると沙毅は真剣な顔をして


「必ず…助ける。何年かかろうとも必ず助ける。だからしばらく待っててくれ…フィー」


そういうと沙毅はフィーに近づくとフィーを抱き締めながら「愛してる」と伝えた


「私も愛してるよ」


月が見るなか小川のせせらぎをききながら二人の唇は重なる。


「じゃあ私はいくね。たまには会いに来てね」


「ああ、もちろんだ」


フィーは沙毅が十分離れたのを確認してから詠唱を完成させる。

フィーはガラスで出来た銀剣草の花の部分に穏やかな顔で眠るようにいた。


「…ッ」


沙毅は声をあげることなく静かに泣いた。

ただ月だけが二人を優しく包み込んでいた

詰め込みすぎて長くなってしまいました(´・ω・`)

読んでいただきありがとうございます

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