私にはあなたしか・・・
好きだった。
あなたの事も、あなたの行動も。
大好きだった。
あなたという存在の全てが。
全てを失った私。
無駄になった愛しき経験。
苦しくって、
もう思い出したくもない過去。
あなたの温もりは私を苦しめるだけ。
私の隣にはあなたはもういないんだ。
受け止めたくはない。
あなたがいなくなってしまった今を。
温もりだって、苦しくたって、
無いよりはマシなのかもしれない。
あなたが褒めてくれた長い髪も、
今はもう短くなっているんだよ。
あなたがくれた香水だって、
私はどこに売っているかわかんないから、
今はもう香りを思い出せなくなってしまって。
離さないって言ってくれたのに。
何も私には話してくれなくって。
困ったことがあったのなら、
私に躊躇わずに言って欲しかった。
愛は偽りだったの?
恋をしていたのは、私だけだったの?
私は全てあなたに話していたのに。
突き放さなくたっていいじゃない。
苦しくって、寂しくって、
あなたの言葉を忘れられない私は、
あなたの感覚を思い出そうと過去を振り返る。
矛盾しているのはわかっているの。
あなたを思い出したくはない。
だけど、あなたがいなければ、私は・・・。
矛盾しているのはわかっているの。
でも、離さないと誓い合った二人の覚悟は、
一体どこに消えてしまったというの?
矛盾しているのはわかっているの。
でも、あなたがいなかった頃には、
もう二度と戻ることはできないのよ。
あなたの優しさを私は知ってしまったから。
あなたの存在を私は感じてしまったから。
終わりのない恋がないってことは知っていた。
恋は必ず終わるというもの。 そんなのはわかっていた。
苦しくたって、支え合って生きていければ。
あなたの声を思い出せば、前に踏み出せるって。
信じてたけれど、私の心はもうボロボロで。
信じることはもう無理だよ。 私には。
何もかもを失った私に、
何もかもを信じろだなんて・・・。
絶対に無理なんだよ。
私にはあなたしかいない。
私にはあなたしかいないんだから。