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強者の波動  作者: 映色斗
1/1

レインという者

『・・・なんだ?』

一人の青年が歩いていた。

とても背が高くて眼が蒼く茶髪といういわゆる優男だ。名はレイン。

いつもこの道を通って村に帰るのだがいつもと様子が違う・・・・。

何かが違う・・・・静かすぎるのだ。

何かこう台風がくる時の静けさだ。

その時だ 体が吹っ飛ばされた。何か耳をつんざくような音とともに・・・・・『くっ・・!』

青年は急に襲ってきた

「何か」に戸惑い身の危険を感じた。

とっさに背中に 背負っている刀を身構えた。

向こうに何かいる・・・何か危険な何かが・・・そう思った次の一時 重い物がのしかかったような気がした・・・。

そしてそのまま青年はそのまま気を失った・・・・・。

なぜか辺りが騒がしい。 ああ・・・夢だったのかと思い体を起こそうとした。しかし背中が痛い。思うようにはうごかせなかった。

『うぐ・・・!。』

なんとも情けない声がでるもんだ。

やっぱりあれは夢ではなかったのかと青年は思った。

『こら!動かない!』

ああ動きたくても動けないよ。こっちは。震えさえ止まんないよ。情けなくて。

と思った。

『でもよかった・・・・。無事で・・』

すまん。全然無事ではないのだが。かなりひどい傷を負ってるのだが。

それから泣かれてもすごい困るんだが。と思っていると

『キイね あなたが倒れてる所見つけてここまで連れてきたのよ』

と母が言った。この泣きじゃくってる奴はキイという。幼なじみという奴だ。 大体容姿は中の上だろう。

ってあれ? 一人で運んだのか? と思ってると キイが

『私そんな力もちじゃないよ! レインのお母さんと一緒に運んだんでしょ!』といった。

『ふふ。心配してる癖に~』

と何か言いたげに言ってるしシイも頬が赤くなってる気がするがほっとこう。

と思った。

レインは考えていた。 あれはなんなのだろう。 確か赤い眼で光ってた気がする。 それでいてぞっとした。

『ねえ! きいてんの!』

キイが叫んだ。

『ああ。聞いてるさ。』

と一応答えといた。

『うんもう!この馬鹿!』

と言われたが

こっちは時折くる痛みと震えでそれ所ではなかった。

一応紹介はしておくがキイは両親がいない。それから俺の父親もいない。 前に怪物に襲われていなくなってしまった。

そのときからずっと一緒にいる。そんな感じだ。まあ別に変な感情は生まれないがそんな感じだ。

それから俺はその関係上その怪物の手掛かりを探しながら親の農作業を手伝いしている。

親には言えないが。まあ襲われたやつとは違うとは思う・・・・。 生きてるから。まさか生かされたとかでは・・・と思って天井を見つめていた。

コンコンという音がした。 はーいと母がでる。村長が俺が大怪我をしたのを知って駆け付けたらしい。

『大丈夫か?』

と声をかけられた。まあ大丈夫ではないけど心配はかけたくはないから

『大丈夫ですよ。』

と作り笑いで答えといた。

『おお。それならよかった。』

と嘘を見透かされた感じで言われたが気にしないようにした。

『さて怪我は大丈夫そうとして何が起こったか詳しく教えてはくれんかのう?』

と言われた。

そんなには覚えてはいないがとりあえず話しとくことにした。 赤い光やぞっとしたことを。キイと母は少し怖じけついたらしい。村長は少し眼を開いて驚いたようだがすぐもとの様子にもどりこう話した。『何か傷のような物はなかったか?』

と言われたがわからなかったので『分かりません』と答えておいた。

そして村長は

『そうか。』

といって帰っていった。

まだ母もキイも少し怖じけついていたが

『変な気は起こしちゃ駄目よ!』

と母はいっていた。多分母は戦うなという意味でいったと思うが声がちいさくなっていた。

村長は昔凄腕の王族直属兵士だったらしい・・・今はその断片すら見られないが。

たまに見せるオーラのような物がそれをにおわせるが実際にはみたことはない。と、いうより全然そういう不吉な事が起こらないのだ・・・不思議なくらいに

あの父親とキイの両親を襲った悲劇以外・・・・

少し考えてみたが傷が痛むのでもう寝る事にした。

あまり考えていると父親の事を思いだしてしまうからだ。

とりあえずは寝て落ち着こうと思った。ひそひそ声とともに起きてしまった。

なにかだれかが話している気がする。

『グランお父さん・・・・まさかレインが襲われた物って例の怪物?』

グラン?グランとは村長の名前の事だ・・・・。それからこの声は母だ・・・・。グランと呼ばれた者はこう答えた。

『そうだとは思うのう。右眼の近くに傷があればそうだと言えるのじゃが・・・・。まだ断定はできないとおもうのう・・・・。

しかしまだあいつがいたとは・・・・でも前の様に犠牲がでなくてよかった。』

うーん・・・・。これは夢なのか?と思った。あれがあの怪物?父さん達を襲った?しかもなぜ村長のことがお父さん?母らしき声が

『はい。本当によかったです。本当に・・・・。』

と少し泣いていた様子だった。『でも私の夫みたいな事をしないか心配で心配で・・・・。』

『ああそうだのう・・・・・。キイの両親が襲われた時 真っ先に向かったのがあやつだった・・・・。あの時止めておればなんとかなったかのう・・・・・。』

と村長らしき人は言った。

『いえ。夫は無駄な死はしていません。なぜならあの時から今まで全くその気配がなくなるまで弱らせたのですから・・・・・。』

『しかしのう。これは死なせてしまったわしに責任がある。すまなかった。』

うう・・・。

なんだ・・・。

これは変な夢をみてるのか・・・。

母らしき声は

『いえ。謝らないでください。真っ先に見つけて例の怪物にとどめをさしたのは父さんです。』

といった。

『そうかのう・・・。でもあの時は間に合わなかったのが心残りだのう・・・。それからまたあやつが現れた。もうわしのめんもくまるつぶれだのう・・・。』

とうなだれていた様子だった。

『いえ・・・。そんな今まで村を守ってたのは父さんです。だからまた村を守ってください。今日はありがとうございました。また何か話しがあったらお願いしますね。』

といった。

『おお・・・・。ありがとうな。わしこそありがとうな。』

とその声の主は家をでていった。心なしか母らしき人は泣いている。

多分耐え切れなくなったのだろう。

だから村長らしき人を出てかせた。

まあ俺は何も聞かない事にして、夢と思いまた寝ることにした。大体一週間たった後あの怪物は目立った事もせず村は平穏そのままだった・・・。

傷も思ったより浅く日に日に良くなっていき村長の所に行こうと思った・・・。

あの怪物の事が知りたい。後は村長が何者なのかも・・・。

コンコンと村長の家を尋ねてみた。・・・・・反応がない。

少しがっかりした感じで帰ろうとすると

『村長は村の外れにむかったよ。』

と知り合いのおじさんが言った。

『ありがとう。』

といい村の外れに行く事にした。

・・・・村の外れには俺の父さんとキイの両親が眠っている。・・・・なぜだろうと思っているとおじさんが言ってた通りそこに村長がいた。

『こんにちは村長。』

少しびっくりしたようで後ろを振り返り『おお・・。すまんすまん。レインだったか。』

と言った。

俺は聞きたい事を聞いた。村長のことあの怪物のこと。

村長は

『やはり聞いておったか・・・。そうじゃわしはお前の・・・レインのおじいちゃんという事になる。なぜ秘密にしてたかはのう・・。わしがある重罪をしてここに逃げないと行けなかったからじゃ。それを秘密にしておくためにほぼ誰にも教えないようにしたのじゃ。わしはどうでもいいが村のみんなが危険を及ぼすのは嫌だったからのう・・・・。』

『その重罪とは?』

『ある帝国の改造動物を逃がしたのじゃ』

『・・・もしかしてその改造動物とはあの怪物ですか?』

『そうじゃだから追放された。しかもこの村の近くにいる。お前の父親にもキイの両親にも悪い事をしたと思っておる・・・。』

少し村長・・・おじいちゃんが悔しそうにしている。

『・・・・・その怪物の特徴はわかりますか?』

少し間を置いて言った。

おじいちゃんは反応がない・・・。

『犠牲がまたでるのではと不安なのは分かります。ですがこのままだとまた犠牲がでるかもしれないのです。僕はそれでもいいとは思わないしおじいちゃんもそうでしょう?』

と少し威圧的に言った。・・・・自分も不安だが・・・・。少し考えていたようだが村長はこう言った。

『・・・分かった。それではあの怪物の名前を言おう・・・。実験番号は「04」』

・・・04?まだあんな奴がいるのか・・・。

『名前はそうじゃのう・・・。アシラといっておこうかのう・・・。正式な名前ではないがのう・・。わしが飼育してたときに名付けたのじゃ・・・。あやつは今では手の付けられない凶暴さじゃが昔は大人しかったのじゃ・・・。お前には信じられないがのう。あるとき暴走して逃げたしおった。

改造動物じゃからはっきりいって手が付けられん・・・。多分あやつは龍の血も受け継いでおるから力が暴走して暴れてしまうのだろうのう・・・。

多分あやつの暴走をおさえてしまえばなんとかなるじゃろうが・・・・。

姿は眼が赤く光り右眼の近くに傷があり前身真っ黒で背中に翼が生えておる。

そのような感じじゃ・・・・。』

『その傷は村長・・・いえ おじいちゃんが付けたのですね?』

『ああ・・・。そうじゃ・・・結局とどめはさせなんだが・・・。昔の情が入ってしまったのかのう・・・。』

『いえ。おじいちゃんがとてもいい村長だと分かりました。ありがとうございます。』

と俺は言った。

村長は少し戸惑っていたがこう言った。『こちらこそありがとうのう。明日とりあえずわしの家にきてくれんかのう。』といった。

『はい。分かりました。明日おじいちゃんの家に行きます。』

といった。

村長はそれではのう。

と自分の家に帰って行った。

俺も自分の家に帰ろうと思い自分の家に向かった・・・。

なぜ村長もといじいちゃんはここにきていたんだろうか?

習慣なのか自分への咎めなのか?・・・それからなぜ自分の家へ誘おうと思ったのか・・・。

まあ今日は色々話を聞きすぎて体と頭を休めようと思った。アシラ・・・赤い眼とぞっとする雰囲気・・・。昔は大人しかったのか・・。

あいつもそんな体じゃなかったら・・と思ったが少しむしゃくしゃしかけたのでそういうことは今日は考えないでおこうと思った。

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