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5話 ロストブルー

「…どうして君はダブル召喚を使えるんだい?」

「…すみません逆に聞いてもいいですか?なぜ使えないのですか?」


 俺はこう答えるしかなかった、だって素材の指定がなければ同じ消費マナのユニットを揃えて召喚するだけだもの。


「ダブル召喚は現在この国ではロストブルーと呼ばれている。この200年数多の研究者が研究してもあの青いカードの召喚法がわからなかった、いや、正確には分かっているが呼べないんだ」

「判明してはいるのですね」

「ああ、同じマナのユニットを揃えて召喚を行う、だろう?ここは君もやっていたから正しかったのだと思っているが」

「ええ、その通りです」

「だが呼べないんだ、君が先に召喚したように光玉となり回転するまでは到達するのだ、だが暫くすると光球が元のユニットに戻り失敗する」


 んん?なんかその症状聞き覚えがあるぞ?ていうかジャッジやってた時に何度も遭遇したぞ?

 

これは…賭けてみるか。


「…恐らくですが、その症状の対処はできますし、それについての情報を教える事もできます」

「なんだって!?」


 おおっと、彼が身を乗り出してきた。

 さて、本番はここからだ、俺はさっきから浮かび上がってる懸念点について質問する


「お聞きしたい事があります、この情報の影響度、そちらのハルモニア家…でしたっけ、そちら的に非常に大きいのでは?」

「我が家どころではないね、国家単位の大騒動になる」


 やっぱりー。

 だけどこれはうまく立ち回ればかなり良いポジションに立てるはず。

 明らかに日本とは違う世界に来てしまったのだ、野垂れ死ぬなんてことはゴメンだし絶対に帰りたい、来月から始まるシーズン12のアニメも見たいしな。

 その為には帰る方法を探るためのコネと金は絶対必要だ。

 そう考え俺はウィルさんに条件を提示する。


「こちらからは僕が持つ全ての情報を提供する用意があります、その代わり、僕と僕の荷物の安全と管理権をあなたの名前で保証して頂きたい」

「管理権とは?」

「簡単にいえば取り上げないで欲しい、という事です」

「ふむ」



 自分で言っておいてなんだがこれは苦しい。

 よくよく考えると現段階で俺がダブルカードの召喚法を握っているとしても立場は圧倒的にウィルさん側が上だ。

 向こうからすれば僕の背嚢に詰まったカードは宝の山だろうし、何より外の兵士に拷問でもされたら3秒ですべての情報をゲロる自信がある。

 拷問するより飼ったほうが良いと思わせなくては。


 そう考えた俺は更に譲歩案を提示する。


「難しいということであれば手持ちカードからいくつか譲渡する用意もあります、あなたが絶対に持っていないであろう<光響>カードもあります」

「…なるほど」


 お、手応えありかな。

 <光響>は定期的に強化パーツが出たからな、できればこれで口約束だけだとしても保証をして欲しいものなんだが。


「まず、今の段階では確約はできない、裁量権を現在握っているのは父だからね…ただ、今の条件であれば問題ないと思う。なにせ我が家の悲願だから」

「ハルモニア復活の功績を渡せば文句は出ない、と?」

「恐らくはね、家臣団も僕と父が了承すれば文句は言わないから」


 家臣団とか小説以外で始めて聞いた言葉だぞ…どういう規模なんだこの人の家は。


「おっと、もうこんな時間か」


 ウィルさんが窓から外を眺める、そう言われつられて窓を見るとすっかり夜が明けている。


「丁度いい、今から出発すれば昼過ぎには家に付く、それまで睡眠を取ってはどうだい?そこに横になっていいからさ。僕も流石に疲れたしね」


 そう言われたら急に眠たくなってきた、よく考えると一睡もできてないんだよな。


「念の為兵士長のネイサンも一緒に入って監視と護衛をさせてもらうよ。大丈夫、ダブル召喚の詳細聞くまでは少なくとも安全だから」


 怖いこと言うなあと思いつつ、睡魔には勝てず俺はお言葉に甘えて眠る事にした。

 起きたら身包み剥がされてませんように…。








 寝れませんでした。




 いや、ちょっとは寝れた、ちょっとだけ。

 あぜ道を進んでる馬車の振動がとんでもなくてずっと小刻みに睡眠と覚醒を繰り返して熟睡なんて無理無理、いっそ体が休まる事はなかった。

 ネイサンって人がこっちを常時ヤバいぐらい睨んでて怖かったのもある。

 ウィルさんは器用に熟睡してたけどね。


 とはいえ多少は睡眠が取れたおかげで頭は幾分か冴え、いつの間にか振動もマシになってる、どうやら目的地が近いようで、暫く車窓から外を眺めていると舗装された道の続く先に大きな外壁が遠くに見えた、あれか。


「ようこそ、ハルモニア領最大の街カトラインへ」


 いつの間にか起きていたウィルさんが言う。

 カトラインって、<光響弩兵カトライン>か、あいつシーズン4からいるけど結構強いもんな。

 しかしシーズン4のカードばっかりだなこの国…。


 街に入るとそこはまさに中世の世界で、行き交う人はそれこそRPGから飛び出たような服装をしていた。

 所謂冒険者のような姿の人間はいないのが少し意外に思ったが、たまに腕にデッキボードを付けた人間がおり、大体そういう人は俺から見ても身なりが良いし常に従者が囲んでいる。


 あれが召喚貴族ってやつかな。


「もう少しで家に到着するけど、帰る前に外套を購入したほうがいいね、その服装ではうちの人間が警戒するだろうから」


 眼の前のこの美形の服装と、車窓から見る他の人間の服装を限り俺は相当浮いてるだのは分かる、ここは素直に従う事にする。

 買ってもらった外套を頭から付け暫くしていると、見るからに豪華な屋敷の門前に到着。

 ウィルさんからとにかく下を向いて後ろにいるようにと言われた後に馬車を降りた。


 門前に男性が1人立っており口を開く。


「おかえりなさいませ若様」


 燕尾服に身を包んだ恰幅の良い白髪のご老人がウィルさんに向かってお辞儀をする

 この人絶対執事だろ、執事なんて初めて見たぞ…。


「ああただいま。早速だけど客人がいてね、王都での一件を報告がてら父に目通りをしたいのだけれど」


 執事の人が俺を一瞥(いちべつ)し答える


「今であれば旦那様もお時間があると思いますが、休まなくともよろしいのですか?」

「ああ、火急という程ではないが、早めに話しておかなければならない事もあるのでね。それと練兵場と客室の手配も頼む」

「承知しました、お客人は客室へご案内しておきます」

「頼むね、あと彼の荷物は自分で管理するそうだから。テンマ君、そういう事だから暫く休んでいてよ、寝ててもいいからさ」


 そう言いウィルさんは兵隊さん達と一緒に屋敷へ入っていく。いきなりで戸惑ってる俺に対し執事さんが声を掛けてくる。


「テンマ様、わたくしハルモニア家の執事長を務めておりますカシューと申します、客室へご案内いたしますのでこちらへ」


 the執事みたいなカシューさんに促され言われるままついて行き客間へ

 このままベッドに寝転がるのは流石に忍びなかったので、上等な革張りのソファに腰を降ろし身を委ねた、

その途端疲れが溜まっていたのか途端にすっかり熟睡してしまった。

 <光響弩兵カトライン>5/7000/4000

 このカードが攻撃する時のみ発動する、相手のアタックを0として扱いバトルを行う


 シーズン4で登場、ハルモニアの同期。

 当時としてはかなり強いユニットで、<光響>デッキ以外でも使われた

 タフネスこそ低いものの、そこを補えばシーズン11でもそれなりに活躍するスペックがある。

 その使い勝手の良さからアニメでも多用された。


 通常ユニットと進化ユニットカードは灰色 魔法カードは赤色 合体召喚用カードは茶色 ダブル召喚用カードは青色になります

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