前へ目次 27/27 (四)-2(完) もちろん滝沢は早朝に仕事に向かったわけではない。今頃は湖の底ですっかり冷たく、氷漬けになっているだろう。 私は盛岡駅で在来線から新幹線に乗り換えた。流れる車窓の景色をぼんやり眺めた。今まで全て灰色に見えた町の景色はまだ色づいては見えなかった。それは車窓から見える景色に雪がかぶっているからかもしれない。きっとこれからは色鮮やかになってくるはずだ。そして私は、「仇、とったよ」と心の中で姉に報告をした。 (了)