生きて
雨
アーケード街
傘を閉じて歩く
人が歩く
人と歩く
自分以外はみんな景色
それでもいいと思った
世界には僕一人しかいないと思った
そんな気がした
小さい頃から言いようのない虚無感につきまとわれている
ちょうど今もそうだ
生きて
ああ 生きて
それでも生きて
虚しいという気持ちに嘘はなくとも
今はただ生きて
雨
いつの間にか止んだ
傘を閉じて歩く
僕が歩く
君と歩く
君だけは唯一人間だった
でも世界には人間しかいないと言った
君は言った
ふとしたときに感じるこの孤独感だけはどうしようもなかった
君といてもそうだ
生きて
ああ 生きて
それでも生きて
寂しいと言う気持ちに嘘はなくとも
今はただ生きて
君はただ一人の友達
だけど本当は違う
僕の友達は全部で三人
君と
それから虚無と孤独
君が二人で歩いている時
僕は四人で歩いていた
君の優しさも虚無には届かなかった
君の笑顔も孤独には勝てなかった
僕のせいだ
全部僕のせいだ
僕のせいで君は景色になる
ああ
生きて
ああ 生きて
それでも生きて
僕の目に君が映らなくなっても
君はずっと生きて
雨の日のアーケード街、待ち合わせをする僕と君。
っていうイメージですね。
いつもは内面ばかりを書く事が多いので、今回は背景に物語を匂わせてみました。こういうスタイルも好きです。
さいごに
小説『雨音と晴太のワンダーランド』は早ければ今日の夜に投稿出来ると思います。
先日のエッセイ、読んでくれた方、また感想や評価等下さった方、本当にありがとうございます。励みになりました。たまに、ああいう風に誰かを求めてしまうことがありますが、暖かい目で見守ってやって下さい。