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てんせい☆  作者: MAKI
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【090話】メアリーの苦悩

*****ミリア領土*****




○メアリー・カミュ 高校2年生年齢16歳

人間界では紫色のショートヘアー身長150センチ。特徴はミカと同じくお嬢様ぽく見え、話し方も丁寧である。ユキの事が大好きなのだが決して表には出さない、ユキからはライバル視され少し困っている。


○闇王メアリー(カミュから改名) 推定年齢数千~数万歳?

闇の世界の王であり現在は魔界に移住し領主となる。紫色のロングヘアーで身長170センチかなりの美女であり闇王になるとマントを身につける。

特徴としては、闇の種族に対しては威厳を発揮するが、魔族に対しては移住してきた立場もあり気を使っている。




「メアリー様、こちらが私の城となります。」


ミリアが瞬間移動で自らの領土を案内する。


新たに領主になったメアリーがミリア領土最大の都市に来た為、副司令官や大将軍クラスの魔族が集まりミリアがメアリーを紹介する。魔王が推薦したこともあり一目見ようとかなりの魔族が集まり、メアリーの姿やその異様な能力を見た魔族はメアリーがどれほど恐ろしい闇の種族であるかを察知する。


その後修業の為にあちこち移動するが決して邪魔立てないように告げお披露目は終わった。


お披露目が終わった後はメアリーはリリイと共に、ミリア領土内を見学する事にしていた。


闇の種族に与えてもらった領土を統治するために、ミリアのやり方を参考にするためだった。


「すばらしい城に領土ですねミリア様の手腕の素晴らしさには感服いたします。」


「そうですね、本当に凄いです。」


メアリーもリリイも建物や城に見惚れてしまっていた。


「メアリー様、新たな領主となられましたメアリー様の為ならば、なんでもご協力致します。」


ミリアはメアリーには笑顔で返答するが、リリイには目も合わさない視線さえ向けなかった。


「我ら、闇の種族の為にご教授くださることは光栄です。今後ともよろしくお願い致しますミリア様。」


メアリーはミリアの言葉をありがたく思った。やはり魔界の魔族ではない自分には多少なりとも負い目があるのだ。


そしてメアリーは街をいろいろ見て回りたいといいだし、闇王の姿では目立つので女子高生の姿にし街へと消えた。



残されたミリアとリリイは2人きりになった。


「あのうミリア様、わたくし何か失礼な発言や態度をしていたでしょうか?」


リリイはミリアが全く視線さえも向けないことに何かしてしまったのではと気になっていた。


「はあ?あなた何様?成り上りのくせに馴れ馴れしく声をかけないでもらえる。」


そう言ってそっぽを向くミリア。


「いくら、ミリア様でもそのような発言は、おやめください。全て魔王様の決定に従ったまでです。」


『バァァァァン!』


「うっ…ミ、ミリア様。な、なにをなされるのです…か。」


言い返された事に腹が立ったミリアは、リリイを消滅させてやろうかと思ったがさすがにそれはまずいと思い、少し手加減してリリイを魔力で吹き飛ばしビルの壁に叩きつけた。


「今度は手加減しないわよ、言葉には気をつけなさい。」


リリイは肩を強打し骨が砕けていたが自らの魔力である程度回復させた。


ミリアは上下関係にとくに厳しく、上司の命令には絶対服従する事で領土をまとめあげていた。なので自分より地位の低い副司令官に意見されたのが気に入らなかったのである。


そして数分後、メアリーが戻ってきた。笑顔で迎えるミリア、リリイも普通に振舞っている。


ミリアにとってメアリーは魔界での地位としては同格なのだが、メアリーが闇王であり恐ろしい能力を持っている事と魔王の妹として新たに加わった事もあり決して自分と同格だとは思ってもいなかった。


「ミリア様、少しやってみたいことがあります。」


「はいなんなりとお申し付けくださいませ。」


どうやら修行を始めるようだ。


「そうですね比較的弱めの魔物がいる場所へ案内してほしいのですが。」


「わかりました。では瞬間移動でお連れ致します。」


そしてミリアが連れてきた場所は、かつてリリイが転生者を案内した場所だった。


「メアリー様、こちらでよろしかったでしょうか?」


「はい、ありがとうございます。これから魔物を操りますのでどうぞお二人で狩ってください。」


「はい?魔物を操られると?」


「はい、では参りますのでよろしくお願いします。」


「は、はあ。」


(メアリー様はなにをおっしゃっているのでしょうか。)


ミリアには何のことかわからなったがとりあえず頷く、そして魔物がいる場所へ進み何体か現れた魔物にメアリーは片っ端から呪文をかけた。


魔物の目は紫色になり、メアリーの誘導によりミリアやリリイに襲いかかってきた。だが弱めの魔物であるためあっさり倒してしまう。


「え…なぜ魔物が。メアリー様、これは。。」


驚くミリアにメアリーは笑顔で答える。


「説明するより実際見て頂いた方が早いと思いまして、ご覧のように魔物を操りそしてどの程度の魔物まで操る事ができるのかを調べたいのです。」


「ま、魔物を操る能力ですか。メアリー様はすごい能力をお持ちでいらっしゃいますね。」


ミリアは笑顔でそう答え、魔物を操る能力まで持っているメアリーにますます惚れ込んだ。


先に進むにつれだんだんと強くなっていく魔物だったが、リリイもある程度の魔物ならなんなく処理できる。


そして、どんどん先に進み魔物も段々と強くなってくる。ミリアの魔力なら余裕だがリリイは、遅れを取らないように必死で頑張った。


(ミリア様はこの程度の魔物なら余裕で倒してしまわれる、リリイさんも頑張ってますね。)ミリアやリリイの魔力がどれほどの魔力なのかよくわかっていなかった為、その強さを測る意味も込めていた。


そうして進むうちにかなりの強い魔力を感じ取れる場所まで辿り着く。


「メアリー様、ここからは結構私でも魔力を使います。メアリー様もご用心くださいませ。」


「ありがとうございます。呪文も効くかどうかわかりませんし、まあできるところまでやってみます。リリイさんもどうか無理はなさらないように。」


「お気づかいありがとうございます。精一杯お手伝いさせていただきます。」


かなりの魔力を持つ魔物だったがなんなく呪文をかけ操ることができた。操られた魔物は、ミリアとリリイに真っ直ぐ襲いかかる。


かなり強力な魔物だったがミリアは複数の魔物であろうがまだまだ余裕で倒している、

それに対しリリイは一体づつ倒していくのが限度のようだった、本来なら余裕で倒せるのだが、先ほどの肩へのダメージが残っていてうまく魔力を操作てきなかったのである。


苦しそうなリリイを見て、リリイには二体同時に行かないように魔物を操ることにした


ミリアとリリイが一体倒すのを確認してから次の魔物を襲わせそれを繰り返す、だが突然ミリアが魔力を使い自分に襲いかかってきていた魔物をリリイに襲わせた。


それに気がついたメアリーはすぐに叫ぶ。


「リリイさんあぶない!」


だが一体の魔物に集中しているリリイには聞こえなかった。


一方のミリアは笑ってその様子を見ていた。


このままではリリイが襲われてしまうので、メアリーは魔物に向かい手をかざし黒い炎で瞬時に黒い砂へと変えてしまった。


(なんて能力なのでしょう。一瞬にして砂に変えてしまうなんて…)メアリーの能力の凄さに驚くミリア。


リリイはやっと目の前の魔物を倒しそのすぐそばで黒い砂になった魔物に気がつく。


そしてそれを見ていたミリアが怒りの表情で近づいてきた。


「リリイ!あんた何しに来たの?メアリー様の邪魔をするならさっさと帰りな!」


見下すようにそう言い放つミリア。リリイは言われても当然の事なので下を向いたまま無言だった。


「ミリア様、私が魔物を操りきれなかったので私の責任です。どうかお許しを。」


だが何故かメアリーがミリアに謝罪した。


「メ、メアリー様、なにをおっしゃいます。悪いのは魔物も倒すこともできない微弱な魔力しか持ち合わせていないこの愚か者です」


「メアリー様、ミリア様のおっしゃる通りです。足手まといになる私はこれ以上ご迷惑をお掛けできません。」


リリイは跪きメアリーに謝罪する。ミリアは当然だといった表情でリリイを見ている。


「リリイ様、魔王様からの直々のご指名ですよ。それにあなたにも私と同じく修行をし領土を守ってもらわないとなりません。」


メアリーはリリイに優しく微笑んでそう伝えた。


「ミリア様も、どうかリリイ様と私の修行にお付き合いお願いします。」


「私は、メアリー様の修行のお手伝いは辞める気はございませんし、メアリー様がどうしてもとおっしゃいますなら私はそれに従うまでです。ですがあまりにも役に立たない場合は自ら責務を放棄しなさい。」


「はい、ミリア様。それにメアリー様申し訳ございませんでした。」



ミリアは仕方なく、この先もリリイの同行を許可した。

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