表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てんせい☆  作者: MAKI
87/230

【087話】転生者強化訓練

*****ミカエル宮殿*****


ミカエルの宮殿では、悪魔によりいなくなった天使達が復活を遂げ、宮殿に戻ってきていた。


そして、連日大天使3名と上級天使3名の計6人で話合いをしていた。


○上級天使

大天使の直属の部下であり、それぞれの大天使に100名ずつ割り当てられている。上級天使の下にミカと同じ天使その下には下級天使がいる。中でも特別な存在として『聖天使』というのがあるのだが現在は存在しない。現時点ではミカが一番近い存在である。


○聖天使

大天使や大天使長よりも地位は上になり、天界で絶大な力を持つ天使となる為、気が遠くなるほどの修行や祈りを捧げることとなる。その年数は10000年~15000年とも言われる。ミカは現在12000年もそれを続けている。『聖天使』になるのも秒読み段階である。


「魔界にいる転生者達と共に悪魔と戦うかどうかじゃな」


ミカエルは、どうしても天界でけりをつけたいようである。


「しかし、マキさんの妹ということですから、あのままの姿で倒してしまうと、悪魔の真の姿になりもう一度倒さないといけないのでは?」


「あの悪魔は人間として生活していたわけですし、我々異世界を守護する立場としては、あの姿の悪魔を倒すのはどうかと。」


「結局まとまらんな。いつもこうやって話がすすまん。」


ルミエルは世話になったマキをないがしろにするわけにはいかず、どちらかといえば、魔界の転生者に強力を仰ぎたいようだ、だが、ミカエルは頑なにそれを拒む。


「ミカエルは何故、魔界の者達と一緒に戦おうとしないのだ?」


ルミエルはいくらなんでもミカエルの態度がひどいと思い問いただす。


「決まっておるじゃろ!あの魔女もどきさんがいるからじゃ、あの魔女さんは得体が知れなさ過ぎる。それに魔王もいる。いくら友好関係だからといって甘くみるでない!」


どうやらミカエルにはちゃんとした考えがあり、万が一にも備えた方がいいということであった。


結局この日も話合いはまとまらず、アリエル、ルミエルは自らの宮殿へ引き上げる。


そして一人になり考えるミカエル。


(悪魔といいよるが、元は大天使長エル様であることは間違いない。しかし天界で倒したところで復活はできん。復活ができるとして、悪魔のエル様を天界で倒すと人間のマキさん妹は消滅してしまう。かといって、あやつらに協力を仰いだところで、結局は同じ事で討論せねばならん。それにあの魔女さんの正体が分からない限りうかつな行動は控えないと天界の存亡にも関わる。あの魔王が正体も分からんものを仲間にしている時点でおかしい。もしかしたら魔王はあの魔女さんの正体を知っているのかもしれんしな。)


いろいろと考えたがまとまらない、天界の門の復活までどれくらいかかるのか気になったミカエルは上級悪魔を呼んだ。


「はい、ミカエル様。お呼びでございますか?」


「ああ、天界の門が復活するまでどれくらいかとおもってな。」


「ミカエル様のご指示通り順調ではございますが、やはり後数年はかかることかと。」


「そうか、まだそんなにかかるのか。時空の歪みには気をつけろ。あれに落ちると永遠に異空間を彷徨うことになるじゃろうからな」


「はい、それも現在では誰も侵入不可能な状態にしてございます」


「そうか、でわ下がってよい」


天界の門の復活までの日数を聞かされたミカエルは、まだ時間がかかるので、それまでは焦らずじっくり最善策を練ることにした。


(あと数年か。ミカが聖天使になるのとどちらが早いかだな。)


天界の掟は復活の泉を口外しないことの他にも多数ある。ミカエルは焦っていた、天界の門の復活よりミカが先に聖天使になってしまえば決定権は聖天使ミカにあり天界の天使は絶対にそれに従わねばならなくなってしまうのである。


「とにかく今は、できるだけ悪魔の情報を集めるしかないじゃろうな。」


ミカエルは一人そう呟き、過去の記録など書物を漁る日々を続けた。




*****魔王城*****




一方のミサキを筆頭とした転生者達は、マキから天界の門の復活が数年かかるかもしれないと聞かされ、その間にそれぞれの能力を強化しようということになった。


「みんな十分に強いとは思うけど、悪魔がどれほどの強さなのかは未知数だから、強化はもっとしといた方がいいと思うの」


ミサキが4人に向かいそう告げる。


「わたしも賛成です。あの悪魔になってしまった大天使様は、暗闇の中を数千年彷徨い、絶望と憎しみだけでいままで生きてきたんです。それは私達の想像を絶する出来事だと思います。その中で培った力はどれほど恐ろしいものか解りません、なのでみんな強化すべきだと思います。」


マキもミサキの意見に賛成し、ミカ、メアリー、ユキもマキの話を聞く限り、悪魔は本当にやばいと感じてきたのであった。そしてミサキの意見に全員が賛成した。


「じゃあ、それぞれに総司令官を2名づつつけるから、各領土で好きなだけ強化してきなさい。」


総司令官7名と副司令官リリィが魔王の部屋に呼ばれる。


ミサキは姿を魔王ミサに変え、それぞれに指示を出す。


「マキにはカオスディオ、ミカにはミーナとアイリ、ユキにはガイとリード、メアリーにはミリアと副司令官ではあるがリリイをつける。共に魔界で修業し今以上の能力を身に着けよ。」


「はっ魔王閣下!」


総司令官7名と副司令官リリイがすぐさま返事をする。


「はい、お姉様。」


「姉様りょぅかいですぅ。」


「姉さんわかりました。」


「魔王様ともに修業に励みます。」


マキ、ミカ、ユキ、メアリーもそれに続く。


ミサキからそう言われ明日から1年間は能力の強化の為、各領土で修行をすることとなった。


○マキ

カオス(魔王親衛隊)ディオ(魔王軍)


○ユキ

ガイ(魔王軍)リード(魔王親衛隊)


○ミカ

ミーナ(魔王軍)アイリ(魔王軍)


○メアリー

ミリア(魔王新鋭隊)リリイ(副司令官)


この振り分けによりそれぞれが各領土へ向かい修業を行うこととなった。


こうして転生者による能力の強化に加え、魔界の重鎮達のレベルアップも兼ねる為、両者にとっては願ってもない機会が訪れたのである。




明日より1年間は誰にも会わず修行に専念し、1年後に魔王城で集まることとなった。なので今日は全員集まり食事会をすることにした。


それぞれの転生者と共に強化修行することになった総司令官が転生者にあいさつをする。


「マキ様よろしくお願いします。私では力不足でございますが、2人でなんとか頑張りますので。」


カオスとディオがマキにあいさつする。


「カオスさん、ディオさんこちらこそよろしくお願いしますね。それにマキ様はやめてください。マキか、マキちゃんでいいです」


すでに知った仲な3人なので、なんの問題もなさそうで安心するミサキ。


ユキにはイケメン2名があいさつにきたが、ユキは終始ニヤついていたため、マキがネコに変えてしまう。

しかしガイがそのネコを抱き上げ頭を撫でたりしたため、ユキはネコに変えてくれたマキに感謝していた。


メアリーには女性の総司令官ミリアがあいさつに行った。


「メアリー様、よろしくお願いします。」


少し得体の知れない雰囲気があるミリア、元の姿の闇王のメアリーとはお似合いのような感じがした。リリイも特別にこの場に参加しメアリーとミリアにあいさつをした。


ミリアのリリイを見る視線が少し気になったミサキではあったが、あえて知らん顔をした。


そしてミカにはミーナとアイリの魔王軍出身の2人があいさつにきた。


「ミカ様とご一緒できるなんて夢のようです。」


「私も明日から楽しみで仕方ありません。」


2人共ルンルンな総司令官。女性でしかも魔王軍であり、男勝りの普段の威厳がなくなっていると傍で見ていたディオがからかったりしていた。


こうして食事も盛り上がり、カオスとディオは料理をマキに勧められマキと同じかもしくは多いくらい食べる事をマキ自ら言い渡された。



天界と魔界、それぞれが悪魔との決戦に備え準備をすることとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ