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てんせい☆  作者: MAKI
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【083話】マキの正体

○城間ミキ

地元の中学に通う中学3年生15歳 黒い髪 黒い瞳

魔女マキの人間界での妹、元は大天使長エルだったがルミエルの身代わりに暗黒の空間に吸い込まれ、数千年間闇を彷徨い悪魔となる。

悪魔となり転生大全集により転生するが絶望と憎悪に満ちた記憶を消すのは不可能だったらしく、転生前の記憶と能力はそのままだった。

普段は悪魔の記憶を眠らせることにより人間としての生活を満喫していた。元々の天使としての力が間逆の悪魔としての力に変換され恐ろしい力を持つこととなる。

姉のマキが友人である天使ミカを家に招き入れることにより眠っていた記憶が甦ってしまう。  




*****天界の門(修復中)*****



アリアルとミカエルは天界の門の修復を急ぐため、破壊された門にきていた。すると人間界から転移してきたマキとルミエルが突然現れた。


マキが天界へ転移すると必ず天界の門へ辿りついてしまうからだ。


突然現れた2人をみたミカエルとアリエルは、ひとまずほっとした。だがルミエルの様子を見て予想は的中したと確信した。


「まさかとは思うが、人間界にいたのはエル様か?」


念の為確認するミカエル、そしてルミエルは力なく頷く。


マキはルミエルの様子では話すことは無理だろうと察したため、代わりに先ほどまでの出来事をかいつまんで話した。


「やはりエル様で間違いないようじゃな。」


「しかし、よりによってマキさんの妹さんに転生していたなんて。マキさんはご存知なかったのですか?」


「はい、全く気がつきませんでした。私には鑑定能力があるのですがそれでも解りませんでした。」


マキはまだ信じられないといった様子だった。


「だが相手がマキさんの妹さんであるとすると、うかつに手は出せませんね。」


アリアルはミカエルにそう話す。


「そうじゃな、エル様にかつての記憶が残っておるのだったら、話合いでなんとならんかのう」


あきらかにマキに気を使っているのが分かったため、マキがこたえる。


「ミカエル様、アリエル様、悪魔本体であれば、倒した後の人間の体は元に戻ります。但し現在はミキの姿のままなのであの状態で倒すと、ミキだけが死んでしまい悪魔だけが残ってしまうかと。」


「それはなにか確証があってのことなのじゃな?いまの人間の姿ではなく悪魔の姿になってから倒すというのじゃな」


「はい、確証はあります。以前冥王やその他の転生者と戦ったときに経験済みです」


「ほうか、人間界にはそんなにも転生者がおったのか。」


「そうです、私がその転生者を元の異世界の姿に戻すといきなり襲ってきたりしていたので、その度に闘いました。」


「私が戻す?では魔女さんが姿を元に戻せるということだな」


「そうです。 あっそれと一ついいですか?少しお聞きしたい事がありまして。」


「ふむ、ワシが解る事ならなんでも。」


「私のいた異世界って魔法の世界ですよね?それに私は魔女ですよね?それに実際私達は仲間と共に堕天使と闘いましたし。それにミカエル様も私の事を魔女さんて呼んでいましたし。」


ミカエルは少し困った顔をした、アリエルはルミエルと同じような反応をする。


「あの世界は実在するし魔法という概念もあるのじゃろう。しかし実際は魔法や魔女の存在があるわけではない。」


(概念があるのに存在しない?)


マキには全く意味が理解できない。


「あの世界では、術式を唱えるということでなにかが起こる空間である。といったほうが解りやすいか。だからあの世界以外での異世界では本来魔法と呼ばれる物は存在もしないし使えもしないのじゃ」


詳しくいえばこうである。マキのいた『魔法の世界』は、数式や記号で成り立っている世界であり、その数式や記号を組み立てることにより魔法陣という形になりそこから何かが出てくる。といった仕組みの世界なのである。


それはあくまで『魔法の世界』だけの空間内で発生する事である為、魔界や天界、人間界といった異世界では使えるはずがない。ということだった。


「なので、魔女さんの使っているそれは魔法ではなくもっと別の何かかとおもうのじゃが。」


ミカエルの話を聞く限りミキの言っていることは正しい。魔法ではなく魔女ではないのなら一体私は何?と考えるマキ。


「でも実際、どこの異世界でも魔法術式を詠唱し魔法陣を構築できているんですが。」


目の前で魔法陣を構築してみせたマキ。ミカエルは驚く様子もなく見ている。今度はアリエルが答える。


「マキさん、あなたならば他の転生者の能力も同じように使ってしまえると思いますよ、ためしにやってみてはいかがですか?」


アリエルの突然のわけのわからない発言に困惑するマキ。


(使えってどうやって使えばいいのかわかんないし。それに使えるわけがない)


そう思った、だがやってみてはといわれたので、ユキの凍らす能力を頭に思い浮かべ実践することに。


(イメージしてみるか。冷たい、寒い、氷、凍らす。)


マキの目の前にあったティーカップに注がれた飲み物にそれをイメージする。


「やはり…」


「ええええ!なんで?」


ティーカップの中身は見事に凍りついた。室内なのに雪が一瞬にして降り積もった。初めてなのでうまくコントロールができていないのだろうが、アリエルの言ったことが証明されてしまった。


(こ、これはどういうことなの。私はなんなのよ。)


「魔女さんだけは、他の者と違い見た目の姿は人間のままだったからな。どっちが本当の姿なのかはわからんが。」


「で、でも以前は姿はそのままでも魔女に変身するとトンガリ帽子が頭上にでてきてたんです!」


なんとか自分は魔女であると信じたいマキ。


「それはきっと魔女という人間界でのイメージが作り上げた物であろう。」


冷静に回答を導きだすミカエル。マキが魔女をイメージしたことにより帽子が勝手に出てきただけだと説明する。


「では私は、私は一体何者なのですか?」


自分の正体がわからず泣き出しそうなマキ。


「マキさん、それはいずれ時が来ればわかるはずです。それより今は大切な妹さんをどうにか助けましょう。」


アリアルはそう告げマキも今は妹の事が最優先なのでそれに従った。


「そうでした、話が逸れてしまい申し訳ありませんでした。」


こうして、本来の威厳を取り戻したルミエルも加え話合いが行われた。


マキは以前、自分の世界が元に戻った時空の歪みを思い出した。


「そ、そうだ!ミカエル様、天界の門が破壊されると発生する、時空の歪みから悪魔に襲撃される前の天界に戻れば事前に襲撃を抑えられるのでありませんか」


(これを言ったのはミカエル様なのに何故今回は言わなかったんだろう)と不思議に思うマキ。


「あれは時間の流れておる異世界では通用する手段でな、今回は人間界で起こった出来事じゃから、過去に戻りようがないのじゃ。」


事の発端は、人間界で悪魔のミキが偵察にきた天使を悪魔化したことによるものなので、襲撃される前の天界に戻っても意味がなく、天使が悪魔にされてしまう前に戻らないといけないのだが、時間が止まっているためそれは不可能だった。


(時間そのものが止まっちゃってるから無理なのか、そういわれればそうだわ。)


「結局は今妹さんの姿でおる悪魔を、元の悪魔の姿に戻しそして消し去ることしか手立てはない。だが元に戻った悪魔がどれほどの力があるのかは計り知れないかから。」


「そうじゃの、元大天使長だっただけにその能力は未知数じゃからのう。」


「天界の門が復活するまでの間、私は一度魔界へ戻りミサキねえさんにこのことを伝えます。ミカちゃんにも報告はしとかないといけませんし。」


「ふむ、そうかわかった。こちらでも今後どうするか策を練る。それに悪魔の持つ力を調べねばならぬし。」


3大天使は頷き、天界の門が復活するまで、それぞれで悪魔について調査しようということになったのである。

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