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てんせい☆  作者: MAKI
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【081話】4大天使

*****アリエル宮殿*****


ミカエル宮殿内は悪魔の屍と天使達の無残な残骸が散らばっており入る事が出来ない為大天使3名とマキはアリエル宮殿へ向かい、宮殿内のアリエルの部屋に集まった。


「ハデスとキーズは人間界から戻ってきてから悪魔化してしまったのは間違いなさそうだな。」


「ふむ、そうじゃろうな。報告を受けた時に全員が人間界で仮眠をとったとか言っておったからのう。」


「仮眠だと!ではその報告を受けた時点ですでにおかしな兆候はあったんだな。」


「じゃが、まさか悪魔化してしまうとは、さすがに予想もつかんわい。」


「たしかにそうだな。で、人間界の時間は何故止まっているのだ?」


「ふむ、それならば魔界の魔王に直接聞いておる。じゃがここは魔女さんが説明したほうがよいじゃろ。」


ミカエルにそう言われマキは自分達が魔界に行く為に時間を止めた事を話す。


「話を聞く限り、この件に魔王や他の異世界の者が関わっている様子はないな。」


ルミエルは魔王を疑っていたが、マキの説明を受け無関係とわかった。


「しかし魔王が生きたまま転生し人間として生活しているとは。それではその悪魔も転生し今は人間界にいる、ということになるな。」


アリエルは魔王が人間界で人間として生活している事が想像できなかった。


「マキさん、あなたが時間を動かさない限り人間界の時間は止まったままなんですね?」


「は、はい。」


「でしたら、もう暫く時間を止めたままにしといて頂いて構いませんか?」


「大丈夫です。」


「それともう一つお願いがあります。我々3名を人間界へ連れて行って頂きたいのです。」


天界の門が破壊された今、異世界への移動手段はマキの魔法以外にないのである。


それにこの3名の大天使なら、おそらく簡単に悪魔を片付けてしまうだろうと思ったマキは、快く了承する。


「3名いく必要はない、ワシだけで十分だ。」


ミカエルは自分の留守の間に起こった出来事だった為、自ら行くと伝える


「それなら私が行こう。ミカエルは天界の天使達を頼むよ。大天使長がいないと天界の門は元に戻らない。」


ルミエルはミカエルにそう伝え、マキとルミエルの2人が人間界へ行くことになった。


「ルミエル、魔女さんを頼むぞ。」


「心配するな、マキさんには送って頂くだけだ。」


「それでは行ってまいります。」


マキとルミエルは転生魔法によりミカエルとアリエルの前から姿を消した。




*****宮殿地下*****



ミカエルとアリエルは先程捕らえた悪魔になったハデスの所へ向かう。


宮殿内の地下にある牢獄に鎖で繋がれたハデスがいた。両手、両足は根元から斬られ身動きは取れない。しかし赤く光る目は殺意に満ち溢れている。


ハデスの前にアリエルが立ち、睨みつけるハデス。しかしアリエルは冷静な眼差しでハデスを見つめる。


「悪魔よ、何故人間界を滅ぼさずに、天界を襲った?」


アリエルが不思議に思ったのは、これだけの力を持った悪魔が何故人間界を滅ぼさずに天界に来たかである。


「ふん、そんな事もわからんのか。天界さえなくなれば、全ての異世界は我ら悪魔の支配する世界へと変わるからだ。人間界を襲わなかったのは、天界へ行く手段として利用させてもらったまでだ。」


「何故人間界から天界へ行けると?」


「我らの主が、人間界でのあの現象を聞いた時に、天界から天使がやってくるのでそれを狙えた言われたのだ。」


「あの現象?」


「ああ、時間が止まっているだろう。」


(なるほど、人間界の異変を感じて偵察に来た天使をなんらかの方法で悪魔に仕立て上げ天界に侵入したのか。)


「それで、お前らの主とは一体誰だ」


「知ったところで、お前らにはどうもこうもできぬわ。はっはっはっはっは」


「そうか、わかった。」


アリエルは聖剣を取り出し、ハデスを真っ二つにした。


その後、ミカエルとアリエルはミカエル宮殿に戻り、改めて惨状を見ることとなる。



*****ミカエル宮殿*****



先程討伐した悪魔は全て除去され、悪魔の食料と化した天使達は羽根と骨があちこちに散乱している。


「しかし、悪魔がどうやってあの最下層にある場所から人間界へ行くことができたのだ」


「きっと魔王と同じように人間に転生していたのだろう。」


ミカやミサキがそうであるように、悪魔にも同様の事態が起こったのだとミカエルはそう思った。


「だとすると、ただの悪魔ではあるまい。」


「そうじゃのう、魔界の魔王はもちろんじゃが、他にも異世界からの強力な能力を持った者が転生しておるようじゃからの。」


転生者の全てがそれぞれの異世界では群を抜いて能力が大きな者であることから、悪魔の転生者もそれと同様にかなりの能力の持ち主だと予想される。


「それに今人間界におる悪魔は天界の事を熟知しておるようじゃからのう。」


「まさかあの方が。」


2人の大天使は本来なら4人だったはずの大天使だったもう一人の大天使の存在を思い出した。



○エルが大天使長だった天界

現在は3大天使ミカエル、アリエル、ルミエルだったが、過去にはもう一人いた。


それは大天使長エルだ。


絶大な人望と力を持ち天界を束ねる絶対的存在でもあった。


他の大天使はそのエルに憧れてそれぞれが大天使となった時に名前にエルを付けている。現在の大天使ミカエル、アリエル、ルミエルである。


そのエルを大天使長とした大天使4人が天界を束ね、異世界の異変を監視し異世界間侵略などの阻止にあたっていた。


だが、悲劇は突然訪れた。


ある異世界で、他の異世界からの侵略者が現れ、4大天使が総出で行かなければならないほどの大規模な戦いとなった。大天使の圧倒的な強さでほぼ鎮圧できたのだが。


その異世界の王は自分の命と引き換えに4大天使を道連れにしようと暗闇の空間を作りだしたのだ。


マキ立ちが見た闇の世界と同様の暗黒の壁のようなものである。


暗黒の空間は4大天使に迫り追跡してくる。


4人はバラバラになりそれぞれ別方向へ移動したが、暗黒の空間はルミエルに照準を定め、ルミエルを暗黒の空間に吸い込もうとした。


ルミエルは自分が吸い込まれている間に、逃げるように告げるが、ミカエル、アリアルは助けようと暗黒の空間に向かっていく。


しかしそれをエルが阻み、エル自らルミエルの救出にいった。


そして暗黒の空間からルミエルを離し、エルは自ら暗黒の空間に突入し、内部から暗黒の空間を消滅させた。消滅したのは暗黒の空間だけでなくエルも消滅していた。おそらく暗黒の空間に吸い込まれたと思われる。


暗黒の空間に吸い込まれたものは、悪魔に成下がると言われている。




「もし人間界にいる悪魔が、あのエル様だとしたらルミエルではどうにもならないな。」


「うむ、ルミエルがそれに気がついてすぐに戻って来ることを信じるしかないじゃろう。」


アリエルとミカエルは、人間界へ行ったルミエルをマキと2人で行かせるべきではなかったと後悔していた。


しかし今となってはどうすることも出来ない。

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