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てんせい☆  作者: MAKI
77/230

【077話】ミカエルとミサ

*****天界の門*****


門から異世界へは天界に住む者であれば誰でも行ける。


なので特に門番とかはいない。


ミカエルは魔界へ行くため門の前にいた。


「さて、とりあえず魔王城へ行ってみるか。この姿少し目立つが、まあ仕方ないな。」


ミカエルは白い服に、金色の髪、金色の羽、さらに全身から満ち溢れる金色の輝き。さぞかし薄暗い魔界では目立つであろうと思われる。


ミカエルは、どのみち魔界に着けばすぐ見つかる為、さほど気にせず門をくぐった。



*****魔界*****



魔界の暗い空に赤い雲が流れる中、高さ2メートル横幅1メートルほどの空間が現れる。


魔界を下手に刺激しないようにあまり目立たないように門を小さくし、そこからミカエルが出てきた。


空間にできた門は魔王城のすぐ近くだった。


「やはり、魔界には優秀な魔族が揃っておるな。」


門を出て魔界に着いた途端、ミカエルはそう呟いた。


すでにミカエルは魔界に着き門を出た瞬間、副司令官8名やその他数名の魔族に取り囲まれていたのだ。副司令官の中にはリリイもいる。


「これは天界の大天使様が、魔界に如何なるご用でしょうか?」


副司令官の1人メディが尋ねる。


「いや、魔王に用があるんだが、案内してもらえんかのう」


ミカエルは動じることなく、そう答える。


「なにかお約束をされているわけではありませんね、案内しろと言われすんなり会わせるわけにはいかないでしょう」


新たに副司令官となったリリイが返事をした。


「やはりそうだろな、しかし聞きたい事がある。ミカエルが会いたいと伝えてもらえんだろうか?」


ミカエルも魔界に争いにきたわけではないのでそう答える。


「わかりました。ではしばらくお待ちを。」


メディが副司令官を代表して、魔王城内の魔王のところへ向かった。



*****魔王城内*****



ミサキは魔王の部屋にいた。ドアの前に気配を感じた。


(こまったわ、総司令官を飛び越えて直接魔王閣下に伝えて大丈夫なのでしょうか。)メディは大天使からの伝言をどう伝えようか困っていた。


「入れ」


だがいきなり声をかけられ驚いたメディは部屋に入る。


「失礼いたします。副司令官メディでございます。」


メディは部屋に入るとすぐに跪いた。


「どうした?」


発言を許されたメディは、ミカエルが会いに来たことを告げる。


「珍しい客が来たな、天界も者とは分かっていたが、まさかミカエル直々とはただ事ではないな。今すぐこの部屋に案内しろ」


「はっ!」


メディは、すぐさま返事しミカエルの元へ戻った。



*****魔王城上空*****



7名の副司令官に取り囲まれたミカエルの所へ戻ってきたメディ。


「ミカエル様、大変失礼致しました。我主がお客様としてご案内するようにと申されました。」


魔王がミカエルを客として扱う、それを聞いた他の副司令官はミカエルに頭を下げ、メディと共にミカエルを城へと案内した。


「お主らに迷惑をかけてしまったようじゃのう、すまない。」


副司令官の態度が変わった事に、いきなり魔界に押し掛け魔王に会わせろと言った自分を反省するミカエル。



*****魔王の部屋*****



そして魔王の部屋へと辿り着いた。


「お前達はもうよい、持ち場へ戻れ。」


ミサキは案内してきた副司令官達にそう伝え、副司令官達は持ち場へ戻った。だがすでにこの部屋の外には総司令官7名全員が待機していた。


ミカエルをソファーに座らせ、とりあえず何の用か問うミサ。


「いや、たいした用ではないのだが、人間界でな時間が止まっておるのだが、何か知らんかと思ってな。」


「そんな事を聞く為に大天使である貴様がわざわざ魔界まで来たのか?」


ミサは呆れた。そんな使者みたいな仕事をなんでわざわざミカエルともあろう者がと。


「いや、わしが来た方が早いだろ、他の者なら時間がかかる」


「まあ、そう言われるとそうだな。で、人間界の話だったな。人間界は時間ごと凍らせてあるがなにか問題があるのか?」


ミサは自分達が魔界に来る為に、時間のズレが起きないよう時間を止めた事を話した。


「お前達の仕業だったのか、しかもそのような理由で異世界の時間を止めるとは、いますぐ戻してくれんか」


ミカエルはそうミサに頼む。


「戻してもいいのだが、次に魔界に来る時もまた止めるぞ」


「それはいかん。異世界に干渉することは断じて許可はできん。」


「何故お前ら天界の許可がいるのだ?私達は私達だ何をしようが天界の天使ごときにあれこれ言われる筋合いはない。」


ミサの言い分も当然である。ミカエルもミサが悪意があるわけでもない為これ以上は言えない。

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