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てんせい☆  作者: MAKI
72/230

【072話】救出

*****空き地の闇穴*****


ミサキの指令により、空き地となった領土(元マーズの領土)にある雷竜のいない闇穴に作戦部隊は召集された。


○作戦部隊

魔王ミサキを筆頭に、天使ミカ、女王ユキ、闇王メアリー、魔女マキ。

そして総司令官のカオス、ディオ、ミリア、ガイ、リード、ミーナ、アイリである。

それ以外にも副司令官が数十名待機していた。


魔王はもちろんだが、総司令官が7名同じ場所で任務にあたることなど魔界ではありえない事である。


「ではこれより闇の種族の救出作戦を行う。」


「はっ!」


総司令官7名は跪き返事をする。


「マキさっそくだが頼む。」


「はい、ミサねえさん。」


マキは広大な空き地に魔法陣を展開する。


「すごい、これほどの魔法陣を作れるなんて。」


「マキの魔法は計り知れないな。」


四角い魔法陣が空き地を埋め尽くし、全員が見蕩れてしまうほどすばやく構築されていく魔法陣、ある程度の大きさまで構築され固定された。


「なんとかこちら側の魔法陣はできあがりました。」


「マキご苦労であった。皆の者、この魔法陣から闇の種族達が出てくる予定だ。土地は有り余っておるので、住む場所をすぐに作りできるだけの支援をしろ。異議申し立てする都市や魔族がおれば消滅させてかまわん。」


(消滅って。。。それに誰も姉さんには逆らわないでしょ。)


「はっ!万が一にもそのような魔族はおりませんのでご安心を」

カオスが笑顔でそう答えた。


暗黒の壁が闇の世界を侵食してしまうまでには数百年と余裕がある為急ぐ必要はないが、魔界への移住に反対するものや騒ぎを利用して悪意を働くものもいると予想されるため時間はかかと思われる。


そして魔王ミサはもう一人総司令官の他に招集した魔族を呼んだ。


それは大将軍リリイだった。


「リリイ、お前がここの領土と闇の種族をまとめろ副総司令官として任務に当たれ、部下はそのまま連れてこい。この領土の領主は闇王だからその指示に従え。」


「はっ、魔王閣下!」


(リリイさん大出世じゃん!よかったー、つかメアリーが領土を管理するんだ。)

話しかけたいが、そんな雰囲気ではないので後回しにしたマキ。


「魔王ミサさま、救っていただいた上に領土まで統括といわれましても、我々は侵略しようとした外敵です、闇から引き上げていただいたお礼は奴隷として魔族に仕え従うまでです。」


「いや、侵略そのものはこちらが悪い、それに闇王はすでに我らの仲間であり魔界では私の妹でもある。仲間が困っているので助けるそれが普通であろう。」


「あ、ありがとう、ご、ございま…す」


言葉を詰まらせながら目には涙を浮かべお礼を言う闇王メアリー。


「闇王よ、礼を言うにはまだ早い全員救出してからだ、皆のものそれぞれに割り当てられた作業の準備を進めよ。」


空き地に召集された総司令官はそれぞれが魔力を屈指し、空き地だった領土に都市が形成されていった。


ミカやユキは魔力が使えない為、魔物を狩って食料の確保をしたり、移住してきた闇の種族の住民登録をする為の準備を進めた。


魔王ミサと闇王メアリー、そして魔女マキの3名は現在雷竜のいない闇穴にマキの作った魔法陣に乗って降りて行った。


闇穴を下降するのは魔王ミサにしても初めてだった。もちろんメアリーもマキもである。


3人は闇穴を結構なスピードで下降しているのだが、底には中々辿り着けない。上を見上げると入ってきた穴が小さく見えていたが次第にそれも見えなくなった。


(どれだけ深い穴なんだ。。。入口の光さえも届かないなんて。)


穴自体の大きさは直径1キロの大穴にも関わらず、すでに穴が見えなくなるほど下降しているのだ。


(こんなところを登って救助を求めたあげく殺されたのならたまったもんじゃないな。)


すでに上も下も真っ暗な穴の中を下降していく3人だったが、しばらくすると下の方にかすかに紫色の光が見える。


「ミサ姉さん、下に光が見えますね。」


「あの光は闇の世界の光です。」


「ほう、あの光がそうか。魔界の下にこんな世界があったとはな。」


どうやらまもなく闇の世界のようだ。



*****闇の世界*****



マキの魔法陣は闇穴の底を抜け、闇の世界と思われる場所に辿り着いた。


辺り一面薄暗く視界もかなり悪い、唯一紫色の光があちこちにある為、薄暗いが周辺は見渡せる。


「ここが闇の世界か。」


「魔界の下にこんな世界があるなんて、ビックリですね。」


(上の方にある穴がさっき降りてきた穴の底かあ、すごい高さだ。)


上空を見渡すと魔界の底部分だと思われる天井があり、先程通り抜けてきた闇穴の底が見えた。


紫色の光の源は、発光する鉱石があるらしく、それを加工しあちこちに置いているらしい。


(闇っていうくらいだから真っ暗なのかなって思ってたけれど、人間界で言えば月明かり程度はありそうだな。)


「しかし誰もいませんね。」


「はい、真上に雷竜が現れる穴がありますので、この周辺は立ち入り禁止になっています。」


「それは魔界も同じだからな。まあ当然と言えば当然だろう。」


(ああそうだった。わたしってなんてバカなんだろう。。)


「じゃあみんなどこにいるの?」


「はい、これより宮殿へご案内いたします。」


闇王メアリーはこの世界では瞬間移動ができるらしい。だが瞬間移動のできる能力を持つ者は闇王を入れても数名しか存在しないらしく、他の闇の種族は乗り物で移動するらしい。


闇王メアリーの瞬間移動で、宮殿の入り口付近に辿り着いた3人。


「うわっ、なにこのでかい建物!?」


「これが闇王最大の宮殿、ダークネスキャッスルです。」


(なんか格好いい名前だけど、そのまんまの意味なのね。)


宮殿の名前を聞いていると、いきなり現れた3人に宮殿にいる兵士が現れた。


兵士は闇王を見ると慌てて文官や武官に報告をしにいった。


文官や武官も闇王を探していたらしく、報告を受けて数分でやってくる。


「闇王様!どちらへおでかけでございましたか?今後の対策会議はどうなされますか。」


「そんなことより至急全員集めろ!これより対策会議を開く。」


「はっ。わかりました。」


闇王がそう告げると、文官と武官数名は慌てて宮殿へ戻って行った


「魔王閣下、それにマキさん。これから宮殿内の会議室へご案内いたします。」


魔王に闇王、そしてマキが宮殿内の会議室へ辿り着くとすでに長い机に数十人の武官や文官らしき人が座っていた。


魔王ミサやマキの方を異様な視線で見つめる。


(この前のパーティーみたいな視線が集中してる。)


闇王がひときわ目立つ椅子の前に立ち、全ての者が一斉に立ち上がる。


「これより、この闇から脱出をする。脱出先は魔界だ。それに救出を手伝って下さる方を紹介する、魔界の魔王ミサ様と魔女のマキ様だ。」


全員の視線が魔王とマキに集中する。中には明らかに殺気立っている武官も数名伺える。


「魔界の魔王だと、ふざけるな!我らが対話をするために送り出した使者をことごとく亡き者にした魔族がどういうつもりだ!」


「それに闇王様!こんな小さなガキになにができるんですか?お気は確かですか?」


(やっぱこうなっちゃうよね。これじゃメアリーがいくら説明したところで、反対されて終わりってパターンだな。)マキはこれから先の展開を予想した。が、またもやその予想は覆された。



魔王やマキがこの場になにしにやってきたのかを説明すると思われた闇王だったが、何も言わず黙って発言した者を見ている。


その者達に向かい、あろうことか黒い炎で攻撃し、先ほど発言した武官や賛同した数名の者を一瞬にして黒い砂へかえてしまったのだ。


「わたしの頭がおかしいと思うもの、それにこの方達を侮辱するものはいますぐ名乗り出ろ。あの暗闇に飲み込まれる前にわたしが飲み込んでやる。」


(ええええええっ。闇王こわっ。これじゃユキとおんなじじゃん!)


「闇王様に従います。」


「異議はございません。」


全員一斉に頭を下げた。


(これって脅迫ですよね?絶対そうですよね)


とりあえず反対派はいなくなったので、どうやって魔界へ移住するかの説明がマキによって行われる。


「闇の世界のみなさん、わたしは魔法使いです。ですのでみなさんを魔法を使い無事安全に魔界へと送り届けます」


(魔界に送り届けるって。なんか違和感が…)


「聞いての通りマキ様が魔法を使い魔界への移住を手伝ってくださる。それに魔界への移住はここにおられる魔王閣下に許可を頂いている。」


「闇の世界の皆様方、魔界の魔王ミサと申す。過去に手違いでこの世界の使者を亡き者にしてしまい申し訳ない。先ほど闇王から話があったとおり魔界は全面的に闇の種族を受け入れる。すでにその準備も魔界で行っている。」


とても信じられる話ではなかったのだが、今はそんな事をいっている場合ではないので魔王や闇王の話を信じるしかなかった。


「わかりました。ですがどのようにして魔界へ移住するのでしょうか?かなりの数の住民が闇の世界にはおりますが。」


「マキ様ご説明お願いできますでしょうか?」


「はい、皆様の移住に関しまして説明いたしますね。まず住民の方々をこの世界にある複数の闇穴の近くに集めていただきます。闇穴は危険ですので安全が確保できる範囲で結構です。」


武官や文官達は意味不明なマキの言葉に首をかしげる。


「集めた後はどうすればよろしいのでしょうか?」


「集めていただければ後は闇穴の雷竜を討伐した後、ちょうど穴の見える位置に魔法陣を構築します。その魔法陣に足を踏み入れれば魔界へ直接いける。というわけです。」


「そ、そんなことができるはずないだろう。。」


「それにあの竜を倒すことが本当に可能なのだろうか。」


小さな女の子が雷竜を倒すとか、魔法陣で魔界へいけるとか告げるが、全く信憑性の欠片さえないのだ。


「マキ、とりあえずここにいる者達だけでも一度魔界へ連れて行ったらどうだ?」


「あああそうですね。自分の目で確かめれば納得していただけるでしょうし。」


(さすがはミサ姉さん、やっぱ頼りになるなあ。)


闇王メアリーは会議室にいた十数名の武官や文官、それに魔王とマキの全員を瞬間移動させた。


「ここは竜の入り口があるってことは、まさか。。」


「そうだよここが魔界に続く闇穴のところですよ。」


瞬間移動した場所は、闇穴から降りてきた場所だった。


「じゃああの穴と同じ大きさの魔法陣を書きますから少々お待ち下さい。」


そう告げたマキは魔界に描いた巨大な魔法陣と全く同じ魔法陣をその場に構築した。


「じゃあみなさん、この魔法陣の中に入ってください。出た先は魔界になっていますから。」


言われるがままに魔法陣に入る武官や文官達。入ると同時にその場から消えた。



*****魔界(魔法陣)*****



「あれ?魔法陣が光ってるわね。」


「そうですね、もしかしたらマキさんとミサ姉様かもしれませんね。」


ミカとユウキが住民登録の準備を進めていると、突然魔法陣が光始めた。

すると魔王、マキ、闇王のほかに数十名の見慣れない種族が現れた。


「ミカちゃんただいまあ。」


「おかえりなさいマキちゃん、この方達は?」


「闇の世界の人たちだよ。魔界の下見にきたんだよ。」


魔界に現れた闇の世界の武官や文官は、魔界の明るさや広大な土地を見て言葉を完全に失っていた。


「ここが魔界だ、ここには有り余る土地と資源があるので、自由に使ってもらって結構だ。」


「ですが、我らの種族全員ですと恐ろしい数になりますが。」


「大丈夫ですよ、この領土だけでも2000京人は住めるんですから、闇の種族の方ってそれ以上いないですよね?」


「マキさん。。それはなんの桁でしょうか。それに闇の世界の種族はせいぜい数百億程度しかおりません。」


「じゃあ大丈夫だよ。多少時間はかかるかもしれないけど、一日も速くみんな魔界へ移住させようね。」


笑顔でそう告げるマキ。話を聞いていた闇の種族の武官や文官は、目の前の光景や、先ほどの魔法陣を自ら体験している為、もはや信じるしかなかった。


「皆のものよ、この通り魔界の方々の協力により移住の準備は整っている。そなたらはもう一度闇の世界へ戻り、全種族へ伝達せよ!」


「はっ、わかりました。」


数十名いた文官や武官全員が、魔王やそれを手伝う総司令官、そしてミカ、ユウキ、マキに感謝の言葉を述べて再び魔法陣から闇の世界へ戻っていった。


「これであとは闇穴へいって、雷竜やっつけて魔法陣描くだけですね。」


「そうだな、だがよく考えれば魔法陣はマキしか描けんからな。総司令官一人を連れ闇穴へ降りて描いて行くしか方法はないな。」


「ですね、じゃあカオスさんいきましょっか」


「は、はいワシですか。」


「え?嫌なんですか?」


「いえ、とんでもございません喜んで!」


こうしてカオスを連れ、他に多数ある闇穴の一つへと向かうマキとカオスだった。

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